超硬工具・タングステン業界の世界市場シェアの分析

超硬工具・タングステン業界の世界シェアと市場規模について分析をしています。サンドヴィック、IMCインターナショナル、ケナメタル、三菱マテリアル等の世界大手超硬工具・タングステンメーカーの動向も掲載しています。

世界市場シェア

最新業界別売上高世界ランキング第3巻」に記載の超硬工具各社の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2019年の市場シェアを簡易に試算しますと、以下の順位となります。

  • 1位    サンドヴィック    27%
  • 2位    ケナメタル    11%
  • 3位    三菱マテリアル    9%
  • 4位    IMC(ISCAR+タンガロイ)    9%
  • 5位    京セラ    5%

超硬工具・タングステン業界の市場シェア1位はスウェーデンのサンドビック社となっております。2位は米国の上場切削工具会社であるケナメタルです。3位には日本お三菱マテリアルが上位にはい追っています、4位はバフェット氏率いるパークシャーの傘下会社であるIMCです。5位は京セラとなっています・

市場規模

当サイトでは市場シェア算出にあたり、170億ドルを2020年の切削工具業界の世界市場規模としております。
三菱マテリアルによれば、2019年の同市場規模は1兆5千億円です。2025年には1兆9千億円への拡大を見込みます。調査会社のインダストリーアークによれば、2019年のカッティングツール業界の市場規模は344億ドルです。2019年から2025年に年平均3.25%での成長を見込みます。調査会社のジオンマーケットリサーチによれば、2026年のカーバイド工具の市場規模は109億ドルと見込まれています。⇒参照したデータの詳細情報

超硬工具とは

コバルト(Co)等の鉄系金属と炭化タングステン(WC)等の炭化物を化合して作成した、高強度を保つ超硬合金(Hard metals)を用いた、フライス等の切削工具の総称です。

合金の一般的な化合工程は炭化→混合→プレス→焼結というプロセスをたどり、化合する材質によって硬さ(耐摩擦性)と粘り(靱性)に違いが生まれます。例えば、ダイヤモンドの焼結化合して作るダイヤモンド焼結体やセラミックスは、超硬合金よりは硬さに優れますが、もろさ(粘り、靱性)では劣ります。また、一般的な合金(超硬でない)はその逆となります。キャベツの千切りと魚をさばくときの包丁を変えるように、超硬合金は、超硬工具を利用して加工する対象の硬さ等の性質(鉄鋼、ステンレス、アルミニウム、チタン等)によって使い分ける必要があります。例えば、ダイヤモンド焼結体は、切削温度が700度を超えない切削条件下では最硬の切削工具ですが、靱性は最も弱い部類に入ります。

CBN焼結体はセラミックスよりさらに硬度を強めた工具です。700度から1200度においてはダイヤモンド焼結体よりも高い安定性を保ちます。

セラミックスは、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、ジルコニア等の成分があります。一般的に、超硬工具に比べた場合、硬度は強いですが、靱性は弱くなっています。​サーメットは、チタンベースで超硬合金で、タングステンベースの超硬合金よりも強い硬度を保ちます。超硬合金は、炭化タングステンとコバルトを焼結させて製造します。合金は、硬度で劣るものの、靱性では優れています。

超硬工具の材質
超硬工具の材質
©業界再編の動向

世界の主要超硬工具・タングステンメーカーの動向

Sandvik(サンドヴィック)

スウェーデンに本拠を置く超硬工具メーカー大手です。スウェーデン鋼を用いて切削工具や特殊鋼や耐熱合金等を展開しています。

IMCインターナショナルメタルワーキング

オランダに本拠を置く超硬工具メーカーです。ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャーハサウェイ社傘下にあります。イスラエルのISCAR(イスカル)社を中心に、ドイツのインガソル社、韓国のTaegutec(テグテック)社、東芝から独立した日本のタンガロイ(旧東芝タンガロイ)等によってグループが構成されています。

バークシャーハサウェイとは

バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)は、オマハの賢人ウォーレン・バフェット氏率いるコングロマリットです。元々は1888年に設立された綿紡績業の会社でした。1960年代にウォーレン・バフェット氏が支配権を獲得、現在は保険(GEICO)・再保険事業(ジェネラル・リー )、鉄道、ガス電力、各種製造業等を幅広く展開しています。同社の株式は、ウォーレン・バフェット氏が議決権の30%程度を保有しています。
保険事業は、1996年に買収をしたGEICO(Government Employees Insurance Company、公務員保険会社)を軸に損害保険を展開しています。保険業界の世界シェアでは世界最大級の規模を誇ります。再保険事業は1998年に買収をしたジェネラル・リー を軸に損害再保険、生命再保険の事業を展開しています。再保険業界の世界シェアでは上位に位置づけられています。鉄道事業は2009年に買収をしたBNSF鉄道(バーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道)にて、米国大陸横断鉄道事業を展開しています。米国最大の鉄道会社であるUnion Pacific(ユニオン・パシフィック)と競合をしていますが、鉄道業界の世界シェアランキングでみると、BNSF鉄道は上位には位置しておりません。同分野では、貨車リース大手のユニオン・タンク・カー(Union Tank Car)も傘下に保有し、世界市場シェアでは上位に位置します。建材事業は2001年に買収したJohns Manville(ジョンズ・マンビル)を中心に建材事業を展開しています。特に不織布業界では世界シェアランキングの上位に位置します。食品事業は2013年に3Gキャピタルと共同買収をしたケチャップ・缶詰大手の現クラフト・ハインツを軸に展開しています。2015年に流転の運命を背負ったクラフトフーズと経営統合は、食品業界の世界シェアランキング、調味料業界の世界シェアランキング、スープ業界の世界シェアランキング、缶詰業界の世界シェアランキングでは上位メーカーです。
超硬工具・タングステン事業では、旧東芝タンガロイを傘下に持つIMCインターナショナルが世界シェアランキングの上位に位置します。バークシャー・ハサウェイはその他に、エネルギー事業、繊維事業、運送業、小売業等を展開する会社を傘下に持ちます。

1996年 損害保険会社のGEICOを買収
1996年 飛行機及び船舶の操縦者の訓練学校のFlightSafety Internationalを買収
1998年 再保険会社のジェネラル・リーを買収
2001年 カーペット世界大手のShaw Industriesを買収
2001年 輸送機器のリース・レンタルのXTRAを買収
2003年 住宅メーカーのクレイトン・ホームズを買収

Kennametal(ケナメタル)

アメリカに本拠を置く大手超硬工具メーカーです。ニューヨーク証券取引所に上場しています。

三菱マテリアル

三菱マテリアルは、1871年の九十九商会の炭鉱事業を源流とする三菱グループの中核を担う非鉄金属メーカーです。1990年に三菱金属と三菱鉱業セメントが経営統合し誕生しました。銅開発、セメント、超硬工具、伸銅事業が現在の主力となっております。業歴が長く多くの事業に関わってきており、事業の分社化をし誕生した会社には、シリコンウェハ大手のSUMCO、製缶大手のユニバーサル製缶等があります。超硬分野では、2014年に日立工具を買収し、事業の拡大を図っております。さらに詳しく...

京セラ

日本を代表するセラミックメーカーです。セラミックにおける焼結技術を活用するべく、工具の分野では、2011年にデンマークの超硬工具メーカーのユニメルコ、2016年に米超硬工具メーカーのSGSツールカンパニーを買収しています。電動工具でも2017年に住宅向けのくぎ打ち機大手の米SENCOホールディングスを買収して事業を拡大しています。

業界再編の歴史

  • 1998年 イスカルが韓国タングステン(現TaeguTec)を買収
  • 2000年 イスカルによるIngersoll Cutting Toolsのインガーソルランドからの買収
  • 2004年 東芝タンガロイがMBOを実施し、タンガロイへ
  • 2006年 バークシャーハサウェイ社によるIMC Group(イスカルの持株会社)の買収
  • 2008年 オランダの超硬工具メーカーIMCがタンガロイを買収
  • 2011年 京セラによるデンマークの超硬工具メーカーのユニメルコの買収
  • 2014年 三菱マテリアルによる日立金属の超硬工具事業を買収
  • 2016年 京セラによる米超硬工具メーカーのSGSツールカンパニーの買収

参照したデータの詳細情報について


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