ココア・カカオ業界

カカオ豆やココア業界の業界ランキングと市場規模について分析をしています。Barry Callebaut(バリーカレボー) 、Transmar、Petra Foods(ぺトラ・フーズ) 、Blommer(ブロマー) 等の主要カカオ・ココアメーカーの一覧も掲載しています。

なお本ページではココアとカカオを同義として取り扱っています。カカオは元々はスペインが征服する前のメキシコの先住民が使用していた言葉で、欧州に伝わる際に、より発音しやすいココアとなりました。

市場シェア・業界ランキング

バリーカレーボー社の2019年の資料によればココア磨砕能力では同社が1位(2019年で年間100万トンの磨砕)となっています。2位にはカーギル、3位はインドネシアのオラム、4位はスイスのエコムとなっています。

業務用チョコレートの生産能力では、2019年はバリーカレボーが160万トンで圧倒的な1位となっています。2位は米国のカーギル(65万トン)、3位はブロマーを買収した日本の不二製油で40万トン程度です。不二製油は2018年に北米に本拠を置くカカオ加工大手であるブロマーを買収し規模を拡大しています。4位はベルギーのピュラトスです。
後述する市場規模で市場シェアを簡易に計算しますと、
1位 バリーカレボー 13.2%
2位 カーギル 5.4%
3位 不二精油 3.3%
となります。

業務用チョコ世界ランキング 出所:バリーカレボー

市場規模

調査会社のテクノナビによれば、業務用チョコレートは、2020年以降5年間の年平均成長率2.72%で成長し、173万トン規模が拡大します。2019年の業務用チョコレートの市場規模は約1700万トンと推計されます。
調査会社のIISDによれば、ココアの年間生産量は2016年は約540万トンです。

なお、農場で収穫されたカカオは、ココアパウダーとココアバターに分離されます。前者はパウダーミックスやコンパウンドとして、後者はチョコレート原料(クーヴェルチュール)になります。

ココア・カカオの加工プロセス 出所:バリーカレボー

世界の大手ココア・カカオメーカーの動向

Barry Callebaut(バリーカレボー)

1996年にベルギーのカレボー社とフランスのバリー社が経営統合をして誕生しました。現在はスイス・チューリッヒに本拠を置きます。カカオ豆の調達から加工からチョコレート・ココアの生産まで一貫して行います。投資会社のJacob Holdings(ヤコブホールディングス)が支配権を有しております。

Cargill(カーギル)

カーギルは、米国に本拠を置く1865年の食糧関連以外にも金融や製造業を営むコングロマリット企業です。穀物メジャー筆頭格でもあり、肥料、食肉、製塩、ココア等の分野でも圧倒的存在感を示します。売上高は食品業界最大級の10兆円を優に超える規模ではあるものの、カーギル家とマクミラン家が所有する非公開会社です。

  • 穀物取引事業:
    大豆や小麦等の集荷・輸送・販売を行う穀物取引分野では世界市場シェアは最大級の規模です。穀物メジャーと言われるADM、ブンゲ(バンジ)、ルイドレファスとともにABCDの一角を担っています。
  • 製塩事業:
    工業用の塩を製造販売しています。道路向けの凍結防止塩も手掛けています。製塩業界の世界シェアではK+Sや中国国家塩産業とともに世界トップ3の一角です。
  • 飼料事業:
    EWOSブランドで養殖向け飼料、Purina、Nutrena、Provimiで動物向け飼料を手掛けています。飼料業界の世界シェアでは、タイのチャロンポカパンや中国の新希望集団と上位の座を競っています。
  • カカオ・ココア事業:
    カカオの集荷、加工、ココアパウダー、チョコレートバターの販売までを手掛けています。カカオ・ココア業界の世界シェアでは、スイスのバリーカレボーやシンガポールのオラムインターナショナルと並ぶ業界最大手の一角です。
  • パーム油・製油事業:
    パーム油を含む油種の加工・販売を行っています。パーム油・製油業界の世界シェアでは、パーム油大手のウィルマ―インターナショナル、ADM、ブンゲ(バンジ)等と世界首位の座を競っています。
  • その他、カーギルはパスタソース業界、食肉分野、木綿取引、スターチ等の食品成分の分野でも事業を展開しています。

Olam International(オラム・インターナショナル)

シンガポールに本拠を置く穀物商社です。ナッツ、コーヒー、ココア、コメ等の分野に強みを持ちます。2014年にADMからカカオ・ココア事業を買収しています。

富士製油

祖業であるパーム油などの油脂加工技術に強みを持ちます。業務用チョコレートも強く、2018年に発表をしたブロマー買収後には1800億円となりました。不二製油は15年にブラジル、16年にマレーシア、18年にオーストラリアのチョコレート、米国のブロマーを買収するなど、この分野に大きな投資を継続的に行っています。

Archer-Daniel Midland(ADM、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド)

米国に本拠を置く穀物メジャーです。カーギルと双璧です。2014年にカカオ事業をオラムインターナショナルへ売却しています。

Puratos(ピュラトス)

1919年にベルギーで設立されたチョコレート・パティスリ向けの各種成分製造メーカーです。コンパウンドチョコレート、油脂成分、乳化剤、改良剤等を手掛けています。

Blommer(ブロマー)

北米に本拠を置くカカオ加工大手です。2018年に富士製油が買収しました。

JB Foods(JBフーズ)

シンガポールに本拠を置くカカオ加工・ココアメーカーです。JB cocoaブランドを展開しています。

BT Cocoa

インドネシアのカカオ・ココア会社です。

Guan Chong

マレーシアに本拠を置くカカオ大手です。2016年にカカオ加工の子会社で富士製油と資本提携しています。

Ecom Agroindustrial(エコム)

スイスに本拠を置くココア商社です。コーヒーや木綿も取り扱っています。

Petra Foods(ぺトラ・フーズ)

インドネシアに本拠を置くカカオ加工及びチョコレートメーカーです。ココア事業はバリーカレボーへ売却しました。

Transmar Group(トランスマー)

米国に本拠を置くカカオ・ココア大手です。2016年に伊藤忠商事と提携。2017年にチャプター11を申請しました。

Cemoi(セモア)
フランスに本拠を持つ業務用チョコレートメーカーです。業務用だけでなく、消費者向けに自社ブランドのチョコレートを販売しています。

IRCA
イタリアに本拠をおく業務用チョコレートメーカーです。投資ファンドのカーライルが買収をしました。イタリアのパティスリ会社であるDoblarを買収しています。

業界関連図書

  • チョコレート カカオの知識と製造技術 [単行本]
  • ココア共和国の近代―コートジボワールの結社史と統合的革命 (研究双書) [単行本]

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