レンタカー業界

レンタカー業界の世界市場シェア、ランキング、市場規模について分析をしています。ハーツ、エイビス、ジクスト、エンタープライズホールディングス、ヨーロッパカー等世界の大手レンタカー会社の動向も掲載しています。

市場シェア

2019年度の各社のレンタカー事業の売上高(エンタープライズとジクストはセグメント情報が非開示のため全体の売上高)を分子に、レンタカー市場の2018年の市場規模である787億ドル(市場規模の欄を参照ください)を分母にして、各社の市場シェアを計算すると以下の通りとなります。2019年市場シェア1位はエンタープライズホールディングス、2位はハーツ、3位はエイビス・バジェット・グループです。

1位 エンタープライズホールディングス 32.9%

2位 ハーツ 11.6%

3位 エイビス・バジェット・グループ 11.6%

4位 ジクスト  4.6%

5位 ヨーロッパカーモビリティグループ 4.2%

6位 ロカリザレンタカー 3.3%

7位 チャイナオートレンタル 1.4%

上位3社は不動の御三家です。御三家の中でも、アラモ、ナショナル、エンタープライズのブランドで世界展開をするエンタープライズホールディングスが2位のハーツの約3倍の規模を誇っています。ハーツはフォードモーターから分社化・上場を果たし勢いがありましたが、2020年にコロナ禍の影響もありチャプター11(法的整理)を申請しております。事業への影響を食い止められるかに注目が集まります。4位はドイツのジクストで、5位のフランスのヨーロッパカーモビリティグループを抜いています。6位はブラジルのロカリザです。7位には中国最大手のチャイナオートレンタルが入りました。ハーツと提携をしております。

日本の最大手であるトヨタレンタルリースは、地域フランチャイズ制を採用しており、売上高は非開示となっております。一方で、保有台数が12万6千台であり、2019年度の保有台数ランキングでは以下の順位となります。

1位 エンタープライズホールディングス 2,000,000台

2位 ハーツ 771,000台

3位 エイビス・バジェット・グループ 600,000台

4位 ヨーロッパカーモビリティグループ 328,000台

5位 ジクスト 284,500台

6位 チャイナオートレンタル 148,894台

7位 トヨタレンタリース 126,000台

8位 ロカリザレンタカー   118,086台 

(出所:各社ホームページ)

レンタカー業界の世界市場規模

P&S Intelligenceによれば2018年のレンタカー業界の売上高は787億ドルとなっており、レンタカー業界の市場シェア計算にあたっての市場規模として採用しております。

P&S Intelligence, the global car rental market size was valued at $78.7 billion in 2018, which is projected to reach $122.6 billion by 2024,

近年、シェアリング・エコノミーの進展に伴い、レンタカーの近接領域として、カーシェアリング、相乗りサービス、自動送迎サービス等が急速に発展しています。ヨーロッパ市場においては、2025年にかけて、伝統的なレンタカーの市場は大きく成長しないものの、カーシェアリングや相乗りサービスの市場が急拡大すると予想されています。

(出所:ヨーロッパカー)

ビジネスモデル

レンタカーのビジネスモデルは、自動車メーカーからの車両の調達、旅行代理店や自社サイトを通じての顧客へのレンタカーの貸し出しに大きく分かれます。人気車種の調達、実際の貸し出しを行う営業所の場所、価格等によって、車両の調達力及び売却タイミング、といった要素で、競争戦略が決まります。特に車種は、高級車(ラグジュアリー)、中高級車、エコノミーカー、SUV、バン、軽自動車等用途に応じて幅広い車種をそろえる必要があります。

世界の主要なレンタカー会社の一覧

エンタープライズホールディングス(Enterprise Holdings)

1957年にJack Taylor (ジャック・テイラー)によって設立された米国に本拠を置く世界最大級のレンタカー会社です。現在もテイラー一族が所有する非公開会社です。2007 年に買収したNational (ナショナル)、Alamo(アラモ)と併せてEnterprise(エンタープライズ)等のブランドでレンタカーを世界展開しています。2019年度の売上高は259億ドルです。保有車両台数は2百万台以上と断トツの規模を誇ります。

ハーツ(Hertz)

米国に本拠を置くレンタカー世界大手です。ハーツブランドにてレンタカー事業を世界展開しています。米国の自動車大手であるフォード・モーターの傘下を経て、ニューヨーク証券取引所に上場しましたが、2020年5月22日にコロナウィルス禍によりチャプター11を申請しました。今後の業界再編の要と目されています。2019年の売上高は91億ドルです。保有車両台数は約77万台です。

エイビス・バジェット・グループ(Avis Budget Group)

米国に本拠を置くレンタカーの世界大手です。元々は米コングロマリットのCendant社のグループ会社でしたが、破綻後独立しました。現在はナスダック市場に上場しています。2013年にカーシェアリング大手のジップカーを買収しました。2019年度の売上高は91億ドルです。保有車両台数は60万台です。

ヨーロッパカー(Europcar)

フランスの本拠を置く欧州を代表するレンタカー大手企業です。自動車大手のルノーやVW、投資ファンドのEurazeo(ユーラゼオ)傘下を経てユーロネクストへ上場しました。引続きユーラゼオが筆頭株主として残っています。2019年度の売上高は30億ユーロ、保有車両台数は約33万台です。

ユーラゼオ

ユーラゼオは、フランスにルーツを有するラザード家の資産運用事業から発展した投資ファンドです。下図の通りファッションブランドのMoncler(モンクレール)、ホテルチェーン大手のアコーグループ、香料大手のiberchem(イベルケム)や介護施設事業等を展開する企業を傘下に有しています。

(出所:ユーラゼオホームページ)

ジクスト(Sixt)

ドイツに本拠を置く大手レンタカー会社です。欧州に強みを持ちます。2019年度の売上高は33億ユーロ、保有車両台数は28万台です。

チャイナオートレンタル(神州汽车租赁、CAR)

中国最大手のレンタカー会社です。ハーツと提携をしています。

ロカリザ・レンタカー(Localiza Rent A Car SA)

ブラジル最大手のレンタカー会社です。

日本のレンタカー会社

国内のレンタカー市場は調査機関にもよりますが、おおむね5000億円から7000億円とされます。国内のレンタカーの市場シェアは、保有台数ベースで概ねトヨタレンタリース30-40%、オリックス15-20%、ニッポンレンタカー10-15%、マツダ(タイムズ)レンタカー10-15%、日産レンタカー8-10%、ジャパンレンタカー5-10%と想定されます。日本の最大手のトヨタレンタカーでも、ユーロモニターによれば世界シェアは1から2%程度ですが、トヨタレンタリースの保有車両台数が2020年2月時点で12万6千台なので、車両台数ベースのシェアはもう少し大きいと思われます。

レンタカー業界の参考書

レンタカー業界のページを作成するにあたり、以下の書籍を参考にしております。

モビリティー進化論 [単行本]

自分のクルマをシェアして稼ぐ! 今日からはじめるカーシェアリング入門 [単行本(ソフトカバー)]

シェアリング・エコノミー--Uber、Airbnbが変えた世界 [Kindle版]

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