シーメンスエナジーの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

シーメンスエナジー(Simens Energy)は、2020年にシーメンスからスピンオフ上場をした、電力機器メーカーです。火力発電等の発電所プラント向けガスタービン、蒸気タービン、Dresser-RandやADGT&Compを含むコンプレッサー、高電圧直流(HVDC)機器等を提供しているパワー&ガス事業と、洋上や陸上の風力発電所に風力タービンを含めた総合的なサービスを提供している風力発電&再生可能エネルギー事業を展開しています。

業績推移(年次)

2020年度
売上高は27,457百万ユーロとなりました。営業利益は1,991百万ユーロの赤字となりました。第四四半期にマクロ経済は回復の兆しを見せましたが、依然として新型コロナウイルス感染症拡大前の水準を大きく下回っていました。 この世界的なシナリオは、エネルギー市場全体の継続的な変革にとって困難な背景で、シーメンスエナジーグループの業績に悪影響を及ぼしました。

2021年度
売上高は28,482百万ユーロで、前年度比4%増となりました。営業利益は357百万ユーロの赤字となりました。前年と比較して売上が増加し、オペレーションが改善したことと、非経常項目のマイナスが減少したことが、特別項目控除前の調整後EBITAが前年度のマイナス17百万ユーロから661百万ユーロに大幅に増加した主な要因となりました。

2022年度
売上高は29,005百万ユーロで、前年度比2%増となりました。営業利益は574百万ユーロの赤字となりました。特別項目控除前の調整後EBITAは、前年の661百万ユーロから379百万ユーロに急減しました。 この減少は主にシーメンスガメサセグメントでの損失によるもので、特に陸上事業の開発に起因するものでしたが、南ヨーロッパにおける風力発電所開発プロジェクトの売却により軽減されました。

2023年度
売上高は31,119百万ユーロで、前年度比7%増となりました。営業利益は3,257百万ユーロの赤字となりました。エネルギー市場の好調な勢いにより、シーメンスエナジーにとっての市場環境は良好でした。比較的高いエネルギー価格と根強いエネルギー安全保障リスクが、エネルギー市場の変革を推進しました。受注は50,000百万ユーロと前年比で大幅に増加した。 その結果、受注残高は再び前年の記録を上回り、年度末時点で112,000百万ユーロに達しました。 売上高はシーメンスガメサセグメントを除くすべてのセグメントで成長を記録しました。営業赤字の要因は、シーメンスガメサセグメントによるものです。シーメンスガメサの営業赤字は前年度に比べて大幅に増加しました。これは主に、陸上タービンの品質問題に関連して、合計約 2,700百万ユーロの損失が発生したことと、製品コストの増加および海洋活動での立ち上げの課題によるものです。

シーメンスエナジーの業績推移

シーメンスエナジーの業績推移

業績推移(四半期)


2023年第1四半期(10ー12月)
売上高は7,064百万ユーロになりました。営業利益は480百万ユーロの赤字となりました。

2023年第2四半期(1ー3月)
売上高は8,028百万ユーロになりました。営業利益は7百万ユーロの赤字になりました。

2023年第3四半期(4ー6月)
売上高は7,506百万ユーロになりました。営業利益は2,155百万ユーロの赤字となりました。

2023年第4四半期(7ー9月)
売上高は8,521百万ユーロになりました。営業利益は615百万ユーロの赤字になりました。

2024年第1四半期(10ー12月)
売上高は7,649百万ユーロになりました。営業利益は1,813百万ユーロ、営業利益率は24%になりました。

シーメンスエナジーの四半期業績推移

シーメンスエナジーの四半期業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度から減少し-5.47ユーロになりました。配当はありませんでした。

シーメンスエナジーの希薄化後EPSの推移

シーメンスエナジーの希薄化後EPSの推移

業績予想

2024年2月
2024年度第一四半期のレポートにて、2024年度通期の売上は前年度比で3%から7%増、利益率はマイナス2%からプラス1%を予定していると掲載されています。

売上構成

セグメントは、ガスサービス、グリッドテクノロジーズ、機器、シーメンスがメサに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

シーメンスエナジーの売上構成(2022年度)

シーメンスエナジーの売上構成(2022年度)

ガスサービス
ガス、大型蒸気タービン、大型発電機、ヒートポンプなどに関するあらゆるビジネスを手掛けていますが、主要となるのはガスや蒸気タービンの設置サービスです。機械の製造だけでなく、ソリューションやメンテナンスサービスの提供も実施しています。

グリッドテクノロジーズ
製品ポートフォリオには、高電圧直流 (HVDC) 送電システム、洋上風力発電所グリッド接続、フレキシブル交流送電システム (FACTS)、高電圧変電所、空気およびガス絶縁開閉装置、変圧器、デジタル グリッド ソリューションが含まれます。

産業改革
ビジネスエリアの活動は、主に産業プロセスにおけるエネルギー消費と温室効果ガス排出量の削減に焦点を当てています。 したがって、産業界の顧客が二酸化炭素排出量を削減し、それぞれの脱炭素化目標を達成できるようサポートしています。 そのポートフォリオには、海運業界だけでなく、さまざまなプロセス産業 (石油・ガス、化学、石油化学、繊維など) 向けの統合システムとソリューションが含まれています。

シーメンスガメサ
ビジネスエリアは、さまざまな風況に対応する陸上および洋上風力タービンに重点を置き、製品の設計、開発、製造、設置に加え、再生可能エネルギー分野での技術的に高度なサービスの提供に重点を置いています。

シーメンスエナジーのサブセグメント売上構成(2022年度)

シーメンスエナジーのサブセグメント売上構成(2022年度)

M&A情報


1997年 発電所を製造する Westinghouse から化石燃料発電所事業を買収
2004年 デンマークの風力発電企業 Bonus Energy を買収
2015年 コンプレッサー、ガスタービン、モーターなどの回転機器を製造する Dresser-Rand を買収
2006年 シーメンスがガメサ株式の過半を買収
2014年 シーメンスがコンプレッサー・タービン製造最大手の米ドレッサーランドを買収
2019年 センビオンの陸上風力発電機や維持サービス事業
2020年 シーメンスエナジーがスピンオフ上場

株主構成

シーメンスが筆頭株主です。

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