SHARP(シャープ)の市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

日本の家電メーカーです。1912年に創業し、当初は金属加工業を中心に事業を展開していました。1915年に繰り出し鉛筆を開発。これが「シャープペンシル」の原型であり、社名「シャープ」の由来となりました。この製品が事業成功の礎を築き、その後は家電の開発・製造も開始し、1980年代から液晶技術に注目し、開発を進めることで次の大きな成長機会を見出しました。2000年代後半からの液晶パネル市場の競争激化や、投資過多による財務的な問題が原因で、シャープは経営危機に陥り、2016年に台湾の鴻海精密工業に買収されました。

業績推移(年次)


2019年度
売上高は前年度比5%減の2,271,248百万円になりました。営業利益は前年度比37%減の52,773百万円になりました。営業利益率は2%となりました。新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響のほか、従業員の平均残存勤務期間の見直しによる退職給付費用の増加など、想定外の特殊要因がありました。

2020年度
売上高は前年度比7%増の2,425,910百万円になりました。営業利益は前年度比57%増の83,112百万円になりました。営業利益率は3%となりました。スマートライフ、8Kエコシステム、ICTの3セグメントともに売上が増加しました。営業利益は、ICTが減少したものの、スマー トライフと8Kエコシステムが増加しました。

2021年度
売上高は前年度比3%増の2,495,588百万円になりました。営業利益は前年度比2%増の84,716百万円になりました。営業利益率は3%となりました。スマートライフ、ICT、エレクトロニックデバイスの売上が減少したものの、8 Kエコシステムとディスプレイデバイスの売上が増加し、売上高の増加となり ました。営業利益は、スマートライフ、ICT、エレクトロニックデバイスが減少したものの、8Kエコシステ ムとディスプレイデバイスが増加しました。

2022年度
売上高は前年度比2%増の2,548,117百万円になりました。営業利益は25,719百万円の赤字になりました。ディスプレイデバイスの売上が減少したものの、スマートライフ、8Kエコシステ ム、ICT、エレクトロニックデバイスが伸長し、売上高が増加しました。営業損益は、エレクトロニックデバイスが増加した一方、その他4セグメントが円安の影響やディスプレイ 市況の悪化により大幅に減少しました。

2023年度
売上高は前年度比9%減の2,321,921百万円になりました。営業利益は20,343百万円の赤字になりました。スマートオフィスの売上が伸長したものの、スマートライフ&エナジー、ユニバー サルネットワーク、ディスプレイデバイス、エレクトロニックデバイスの4セグメントの売上が減少しました。 営業損益赤字幅は縮小しました。 ディスプレイデバイスが中小型ディスプレイ需要の急激な悪化により大幅に赤字が拡大したほか、スマートライ フ&エナジー、エレクトロニックデバイスが減益となりましたが、スマートオフィス、ユニバーサルネットワー クが大幅な増益となりました。

シャープの業績推移

シャープの業績推移

業績推移(四半期)


2023年第1四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比4%減の541,220百万円になりました。営業利益は7,057百万円の赤字になりました。売上高は、エレクトロニックデバイスが増収となったものの、スマートライフ&エナジー、スマートオフィス、ユ ニバーサルネットワーク、ディスプレイデバイスの4セグメントが減収(前年同期比 96.3%)となりました。 営業損益は、スマートオフィス、ユニバーサルネットワーク、エレクトロニックデバイスが増加しましたが、ス マートライフ&エナジー、ディスプレイデバイスが減少となりました。なかでも、大型ディスプレイ事業の影響などがあったディスプレイデバイスが大幅に減少しました。

2023年第2四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比11%減の617,059百万円になりました。営業利益は1,196百万円、営業利益率はほぼ0%となりました。第2四半期までの累計売上高は、エレクトロニックデバイスが増収となったものの、スマートライフ&エナジー、スマートオフィス、 ユニバーサルネットワーク、ディスプレイデバイスの4セグメントが減収(前年同期比 92.1%)となりました。

2023年第3四半期(7ー9月)
売上高は前年同期比14%減の606,439百万円になりました。営業利益は2,270百万円、営業利益率はほぼ0%となりました。第3四半期までの累計売上高は、スマートオフィスが増収となったものの、スマートライフ&エナジー、ユニバーサルネットワーク、 ディスプレイデバイス、エレクトロニックデバイスの4セグメントが減収(前年同期比89.7%)となりました。

2023年第4四半期(10ー12月)
売上高は前年同期比4%減の557,203百万円になりました。営業利益は16,752百万円の赤字になりました。

2024年第1四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比2%減の531,964百万円になりました。営業利益は5,810百万円の赤字になりました。ディスプレイデバイス事業の不振に対処するため、赤字の要因となっ ていた大型ディスプレイ事業(堺ディスプレイプロダクト㈱)の生産停止など事業構造改革に着手しております。

シャープの四半期業績推移

シャープの四半期業績推移

EPS・1株配当・配当性向の推移


希薄化後EPSは-230.99円になりました。1株当たりの配当は前年度と同様無配当でした。

シャープのEPS・1株配当・配当性向の推移

シャープのEPS・1株配当・配当性向の推移

業績予想

2024年8月
2024年度第1四半期の決算短信にて、2024年度通期の売上高は2,100,000百万円、営業利益は10,000百万円を予定していると掲載されています。

売上構成


セグメントは、スマートライフ&エナジー、スマートオフィス、ユニバーサルネットワーク、ディスプレイデバイス、エレクトロニックデバイスに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

シャープの売上構成(2023年度)

シャープの売上構成(2023年度)

スマートライフ&エナジー
冷蔵庫、過熱水蒸気オーブン、電子レンジ、 小型調理機器、エアコン、洗濯機、掃除機、 空気清浄機、扇風機、除湿機、加湿器、 電気暖房機器、 プラズマクラスターイオン発生機、 理美容機器、LED照明、電子辞書、電卓、 電話機、ネットワーク制御ユニット、 太陽電池、蓄電池、マスク等を製造しています。

スマートオフィス
デジタル複合機、 インフォメーションディスプレイ、 業務プロジェクター、POSシステム機器、 FA機器、各種オプション・消耗品、 オフィス関連ソリューション・サービス、 各種ソフトウエア、パソコン等を製造しています。

ユニバーサルネットワーク
テレビ、ブルーレイディスクレコーダー、 オーディオ、携帯電話機、タブレット端末、 ルーター等を製造しています。

ディスプレイデバイス
ディスプレイモジュール、車載カメラ等を製造しています。

エレクトロニックデバイス
カメラモジュール、センサモジュール、 オプトセンサ、オプトデバイス、 CMOSイメージセンサ、 ウエハファウンドリ、半導体レーザー等を製造しています。

M&A情報


2018年 東芝のノートパソコン事業(ダイナブック)を買収。
2020年 NECのディスプレー事業を買収

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