デロンギ社はイタリアに本拠を置く小型家電メーカーです。1902年に創業。オイルヒーター等の暖房機器、エスプレッソ・コーヒーメーカー、ハンドブレンダーやオーブン等の調理器具を設計・製造・販売しています。コーヒーメーカーのDe'Longhi、調理用のKenwood、ハンドブレンダーやフードプロセッサーのBraun(P&G社のブラウンよりライセンス供与を受けている)等のブランド名で事業を展開しています。
2018年度
売上高は2078百万ユーロで、前年度比5%増となりました。営業利益は243百万ユーロになりました。営業利益率は12%になりました。
2019年度
売上高は2101百万ユーロで、前年度とほぼ同額となりました。営業利益は211百万ユーロになりました。営業利益率は10%になりました。
2020年度
売上高は2351百万ユーロで、前年度比12%増となりました。これはホームエクスペリエンス製品の需要が高まったためです。営業利益は262百万ユーロになりました。営業利益率は11%になりました。
2021年度
売上高は3222百万ユーロで、前年度比37%増となりました。既存事業の成長率は24.3%で、市場の需要が高まったことが売上増の要因です。営業利益は387百万ユーロになりました。営業利益率は12%になりました。
2022年度
売上高は3158百万ユーロで、前年度比2%減となりました。これはウクライナ情勢やインフレの加速等、様々なマクロ経済の影響で需要が縮小したためです。営業利益は264百万ユーロになりました。営業利益率は8%になりました。
2022年第2四半期(04ー06月)
売上高は709百万ユーロになりました。営業利益は31百万ユーロ、営業利益率は4%になりました。
2022年第3四半期(07ー09月)
売上高は684百万ユーロになりました。営業利益は41百万ユーロ、営業利益率は6%になりました。
2022年第4四半期(10ー12月)
売上高は1030百万ユーロになりました。営業利益は122百万ユーロ、営業利益率は12%になりました。
2023年第1四半期(01ー03月)
売上高は602百万ユーロになりました。営業利益は50百万ユーロ、営業利益率は8%になりました。
2023年第2四半期(04ー06月)
売上高は689百万ユーロになりました。営業利益は58百万ユーロ、営業利益率は8%になりました。
希薄化後EPSは前年度比43%減の1.16ユーロになりました。1株当たりの配当は前年度比42%減の0.48ユーロになりました。配当性向は41%になりました。
競合する会社としては、フランスの家電メーカー(ティファールのフライパンでも有名)なGroupe SEB(SEBグループ)、オランダのフィリップス、スウェーデンのエレクトロラックス(Electrolux)、米国のワールプール(Whirlpool)が挙げられます。
下記の売上高構成比較表の通り、同社は小型家電(スモールアプライアンス)の比率が高く、同分野に特化してことが特徴としてあげられます。
2023年07月
同社の上半期報告書によると、今期の売上高は前年度比でわずかな減少、営業利益は370百万から390百万ユーロを予定しています。
セグメントは、コーヒーメーカー、調理器具、空調機、ホームクリーニング機に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。
コーヒーメーカー事業
世界最大のコーヒーメーカーであり、エスプレッソマシンの市場リーダー。コーヒーメーカー、エスプレッソマシン、コーヒーグラインダー等を製造。
コーヒーメーカー、特にエスプレッソ・コーヒーメーカーは業界トップクラスの実績です。同社によればコーヒーメーカーは大きく、フィルターを用いるドリップコーヒーメーカー、ネスレが推進するカプセル型のネスプレッソメーカー、そしてボタンを押すだけで自動的にコーヒーを注ぎ始めるオートマチック型のエスプレッソ・コーヒーメーカーに大別されます。
ドリップコーヒーの分野は、同社はBraunブランドで展開しています。カプセル型は、ネスレと提携して、デロンギブランドのネスプレッソ(Nespresso)やネスカフェ ドルチェ グスト(Dolce Gusto) を製造・販売しています。ちなみに同社は、業界大手のネスプレッソOEMメーカーでもあります。エスプレッソ型はデロンギブランドで展開しています。
主な競合会社として、高機能・高価格帯では、フィリップスの展開するSaeco(サエコ)、スイスのJura(ユーラ)、中低価格帯では、米国のKeurig(キューリグ)のSenseo(センセオ)、ネスプレッソ、ワールプールの展開するKitchenAid(キッチンエイド)、ボッシュ・シーメンス等と競合をしています。
調理家電事業
同社の売上で、コーヒーメーカーに次ぐのが調理家電です。概ね全体売上の40%弱の規模です。ハンドブレンダ―、フードプロセッサー、オーブン、電気ケルト、マルチグリルといった調理家電を製造・販売しています。調理家電は、ブラウンとケンウッドブランドで展開しています。同社によれば、ハンドブレンダ―の市場シェアは24%、フードプロセッサーは37%と非常に高くなっています。
主な競合は、フランスのSEBグループ、ワールプールのキッチンエイド、ダイソン、エレクトロラックス、パナソニック、美的集団、ボッシュ・シーメンスが挙げられます。
暖房・空調器具事業
オイルヒーター、Braunブランドのアイロンや空気清浄器が主力となっています。持ち運びできる空気清浄機では、世界トップクラスと言われています。
ホームクリーニング機事業
家庭用の掃除機やアイロンがけ用の小型家電の製造・販売に取り組んでいます。
2001年 調理家電、ホームケアブランドに強いケンウッドとArieteを買収しました。
2012年 調理家電に強みを持つBraunブランドをP&Gから買収しています。(BraunのシェーバーはP&Gが継続)
2017年 高級エスプレッソマシンを製造するスイスのEversysを買収
2020年 アメリカの家庭用調理器具メーカーCapital Brands Holdingsを買収
同社の株式は、ミラノ証券取引所に上場をしていますが、引続き創業者Giuseppe De'Longhi (ジュゼッペ デロンギ)率いるであるデロンギ一族が約6割の株式を保有しているのが特徴です。