ペットフード業界の市場シェア・売上高ランキング・規模・再編の分析

ペットフード業界の世界市場シェア・売上高ランキング・市場規模・M&A(合併買収)について分析をしています。マーズ、ネスレ、コルゲート、ゼネラルミルズ、ユニチャームといったペットフード会社の概要も掲載しています。

市場シェア

ペットフード会社各社の2021年度の売上高(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2021年のペットフード業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位マーズ、2位ネスレ、3位ADMとなります。

ペットフード会社の世界シェア(2021年)

順位会社名市場シェア
1位マーズ16.5%
2位ネスレ15.4%
3位ADM3.2%
4位コルゲート・パーモリーブ3.0%
5位J.M.スマッカー2.7%
6位ゼネラルミルズ1.5%
7位ダイヤモンドペットフーズ1.4%
8位スペクトラムブランズ0.9%
9位ユニチャーム0.8%
ペットフード会社の世界シェア(2021年)
©ディールラボ

ペットフード会社の市場シェア(2021年)
ペットフード会社の市場シェア(2021年)

2019年と同様トップ2位は不動のマーズとネスレです。3位以下とは5倍以上の差をつけています。3位はADMで、ペット用おやつ・サプリメント会社のPetDineを買収しました。4~6位のスマッカー、コルゲート、ゼネラルミルズも不動です。

市場規模

当サイトでは、調査会社等の公表データを参考にし、ペットフード業界の2021年の世界市場規模を1105億ドルとして市場シェアを計算しております。参考したデータは以下の通りです。

調査会社フォーチュンビジネスインサイツによると、2021年の同業界の市場規模は1105億ドルです。2022年に1155億ドルとなったあと、2029年にかけて年平均5.11%で成長し、同年の市場規模は1637億ドルに拡大するこを見込みます。
調査会社のアイマークグループによると、2020年の同市場の企業は1080億ドルとなります。2026年にかけて、年平均4.3%での成長を見込みます。
調査会社のグランビューリサーチによると、2019年の同市場の規模は866億ドルで、2020年には904億ドルに拡大すると推計されています。
調査会社のフォーチュンビジネスインサイツによると、2019年の同業界の市場規模は901億ドルです。⇒参照したデータの詳細情報

市場規模成長率見込み
2021年1105億ドル5.1%
2020年1000億ドル4.3%
2019年900億ドルn/a
ペットフードの市場規模の推移 ©ディールラボ

売上高ランキング

2021年度10-12月*四半期売上高をベースとしたペットフード会社のランキングでは、1位ネスレ、2位マーズ、3位ADMとなっています。1位と2位は定番ですが、3位のADMはペット用おやつ・サプリメント会社のPetDineなどを買収しペットフード分野を強化しています。⇒参照したデータの詳細情報

ペットフード会社の売上高ランキング(四半期ベース)
ペットフード会社の売上高ランキング(四半期ベース)
*2021年11月-2022年1月の売上高
**2021年9-11月の売上高

M&A(合併買収)

  • 2001年 ネスレが米国のペットフード会社のラルストン・ピュリナを買収
  • 2003年 スペクトラムブランズがペット大手のUnited Pet Groupを買収
  • 2005年 スペクトラムブランズが観賞魚用飼料大手のテトラを買収
  • 2015年 J.M.スマッカーがビッグ・ハート・ペット・ブランズを買収
  • 2018年 J.M.スマッカーがAinsworth Pet Nutritionを買収
  • 2018年 ゼネラルミルズが自然食系ペットフードで有名なブルーバッファローを買収
  • 2019年 ADMが動物飼料大手のNeoviaグループを買収
  • 2021年 ADMがペット用おやつ・サプリメント会社のPetDine等を買収

世界の主要なペットフード会社の一覧

Mars(マーズ)

Mars(マース)は米国に本拠を置く大手菓子メーカーです。マース家が所有する非公開会社です。Marsの読みは「マーズ」ではなく、「マース」です。2008年に買収したガムメーカーのWM Wrigley Jr(ウィリアム・リグレー・ジュニア)のブランド、Snickers(スニッカーズ)やM&M'sといったチョコレート菓子に強みを持っています。2014年にP&Gからペットフード事業を買収し、事業の多角化を推進しています。Pedigree、ROYAL CANIN等の有力ブランドを有しています。

Nestlé(ネスレ)

ネスレは、1866年に薬剤師のアンリ・ネスレ氏によって設立されたスイスに本拠を置く世界最大級の総合食品・飲料メーカーです。食品ではパスタのブイトーニやコンソメのマギー等、飲料ではネスカフェやミロ、乳製品、菓子類ではKitKatやCrunch等のチョコレートのブランドにて世界展開しています。2018年以降、アクティビストファンドであるサードポイントからの要請で、事業ポートフォリオの再構築を急いでいます。2019年には、投資ファンドのEQTパートナーズ、アブダビ投資庁およびPSPインベストメントに、同社のスキンヘルスケア事業を売却しました。スキンヘルスケア事業は、Proactive(プロアクティブ)やCetaphil(セタフィル)などのにきび防止用の洗顔料、保湿剤などのスキンケア用品などを展開しています。2021年にはKKRから栄養補助食品大手ザ・バウンティフル・カンパニーの主要ブランドであるネイチャーズバウンティ、ソルガー、オステオバイフレックスを買収しました。さらに詳しく

Colgate-Palmolive(コルゲート・パーモリーブ)

コルゲート・パルモリーブは、1806年に設立された米国に本拠を置くトイレタリー用品大手です。コルゲートブランドは歯磨き粉の代名詞となっています。オーラルケアの歯ブラシ、マウスウォッシュに加え、パーソナルケア、ホームケア、ペットニュートリションの分野でも強いです。パーソナルケアの分野では液体石鹸、石鹸、ボディウォッシュが、ホームケアの分野では柔軟剤、食器用洗剤は世界トップクラスです。ペットニュートリションはヒルズ(Hill’s)ブランドで展開し、主に動物病院で販売されています。さらに詳しく

Big Heart Pet Brands(ビッグ・ハート・ペット・ブランズ)

米国のペットフード大手です。Del Monte Foods(デルモンテ・フーズ)がフィリピンのSan Miguel (サンミゲル)グループのDel Monte Pacificに売却された際に独立しました。現在はバターやジャム大手のJ. M. Smucker(J.M.スマッカー)社傘下にあります。

J. M. Smucker(J.M.スマッカー)について

J. M. Smucker Company(JMスマッカー)は、1897年に設立された米国に本拠を置く食品メーカーです。コーヒー、ペットフード、ジャム、アイスクリーム、マーガリン、ジュース、ピーナツバターを製造しています。Smucker’s のジャム、フォルジャーズ (Folgers)のコーヒー、Milk-BoneやRachael Ray Nutrishのドッグフードが有名です。 2018年にペットフードのAinsworth Pet Nutritionを買収する一方で、ベーキング事業をBrynwood Partnersへ売却しています。さらに詳しく

General Mills(ゼネラルミルズ)

General Mills(ゼネラルミルズ)は米国に拠点を置く1866年創業の食品メーカーです。発祥は小麦粉等を扱う製粉会社です。1928年に株式を上場しました。シリアル、缶詰スープ、インスタント食品、冷凍食品、スナック、クッキー、アイスクリーム、栄養バー等の事業を展開し、なかでもハーゲンダッツやチェリトス等のブランドが有名です。スープはProgressoブランドで展開しています。米国内でも売上比率が高く、国際展開を模索しております。ペットフード事業には2018年に自然食系ペットフードで有名なブルーバッファローを買収して参入しています。さらに詳しく

スペクトラム・ブランズ

Spectrum Brands(スペクトラム ブランズ)は、2005年に設立された米国に本拠を置くブランド管理会社です。出自は電池メーカー世界大手のRayovac(レイオバック)です。2009年にチャプター11を申請後、2010年に家電や建材を手掛けるラッセルホブズ(Russell Hobbs)と経営統合を行いました。ブランド力のある商品を調理家電、美容家電、ペットフードや殺虫・防虫剤等の分野で幅広く展開しています。2021年に鍵やロック、蛇口配管、ヒンジや引き戸事業をアッサアブロイに売却しました。さらに詳しく

Agrolimen(アグロリメン)

スペインに本拠を置くペットフード大手です。非公開会社です。Affinity(アフィニティ)ブランドのペットフードを展開しています。英国に本拠を置くNature’s Variety (ネーチャーズ・バラエティ)と合弁事業を行っています。

Uni-Charm(ユニチャーム)

日本に本拠を置く衛生用品の大手です。おむつに加え、ペットフードでも世界大手の一角です。

ADM

アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)は、1902年に米国のミネソタ州で設立された穀物商社・穀物メジャーです。設立当初は、リネン(亜麻)の圧搾加工に注力するなど、カーギル等と異なり穀物の加工事業から、現在の穀物メジャーの守備範囲である、穀物の集荷・流通・貯蔵・販売事業へと展開していきました。特に、大豆やトウモロコシ、油糧種子加工、食品成分や香料事業に強みを持ちます。続きを読む

参照したデータの詳細情報について


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