ガラス容器やガラス瓶業界の世界市場シェアの分析

ガラス容器やガラス瓶業界の市場シェアや市場規模について分析をしています。ガラス容器やガラス瓶大手メーカーであるオーエンズ・イリノイ、アルダー・グループ、ヴェラリア、ビドララ、日本山村硝子等についても最新の動向も記載しています。

ガラス容器業界の動向

ガラス容器・ガラス瓶会社の2020年度の売上高（⇒参照したデータの詳細情報）を分子に、後述する市場規模を分母にして、2020年のガラス容器業界の世界市場シェアを簡易に計算すると、1位はオーエンズ・イリノイ、2位はアルダー・グループ、3位はヴェラリア となります。

2020年の世界最大手は米国オーエンズ・イリノイです。但し、同社は過去アクティビスファンドから事業再編を要請された経緯もあり、今後業界の地殻変動につながる可能性があります。２位はルクセンブルクのアルダー・グループで、金属容器事業をカナダの年金ファンド傘下の企業と経営統合を行っています。３位はフランスのヴェラリア社です。同社はアポロやBPIフランスといった投資ファンドが大株主として残る上場企業であり、業界再編の要となる可能性があります。

市場規模の推計

当サイトでは2020年のガラス容器業界の世界市場規模を586億円としています。参照にした統計データ等は以下の通りです。
調査会社モード―インテリジェンスによれば、2020年の同業界の市場規模は586億ドルです。2026年にかけて年平均4.18％での成長を見込みます。またフォーチュンビジネスインサイトによると2019年は603億ドルです。2027年にかけて3.95％の成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報
なお、ガラス容器業界とは、主に飲料用、食品用、その他工業用のガラス容器を製造する業界です。

ガラス容器メーカーの概要と動向

オーエンズ・イリノイ

Owens Illinois （オーエンズ・イリノイ）は米国に本拠を置くガラス容器メーカーです。ビール、飲料、スピリッツ、ワイン、清涼飲料、医薬品のガラス容器を製造しています。2015年にガラス製造大手のVitroから食品飲料用ガラス容器事業を買収しました。2020年に豪州のガラス容器事業をVisy Packagingへ売却しました。2019年にかけて主要株主であるアクティビストファンドのAtlantic Investment Management (AIM)が欧州事業の売却を要請しました。

「2019年9月13日送付の書簡の通り、AIM社としては、貴社欧州事業の売却の検討を提案したい。当該事業の価値は32～38億ドルと見込まれ、売却資金をもって負債返済及び自己株取得を行うことが企業価値向上に資する。」（出所：同社ホームページ）

アルダー・グループ

Ardagh Group（アルダー・グループ）はルクセンブルクの容器メーカーです。ガラス容器と金属容器を手掛けています。年間約120億本の容器を製造しています。2019年に同社の金属容器事業をカナダのExal社と経営統合し、Trivium Packaging（トリヴィウム・パッケージング）社を設立しました。Exal社はカナダの年金運用会社であるオンタリオ・ティーチャーズ・ペンション・プラン傘下企業です。新会社のトリヴィウム・パッケージングは金属容器で大手会社となります。

ヴェラリア

Veralliaz（ヴェラリア）はフランスに本拠を置くガラス容器メーカーです。2018年の売上高24億ユーロです。2015年にサンゴバンから投資ファンドであるアポロ・マネジメントとBPIフランスが買収する形で独立しました。2019年に株式を公開しました。年間160億本の容器を製造しています。

ビドララ

Vidrala（ビドララ） はスペインの食品と飲料業に使用されるガラスボトルメーカーです。約83億本の容器を製造しています。2019年に投資ファンドのカーライル傘下のフランスSaverglassがビドララからベルギーのガラス容器事業であるMD Verreを買収しました。

ヴェトロパック

スイスに本拠を置くガラス容器メーカーです。同社グループはオーダーメイドのガラスの設計や製造を行っています。ラベリングも手掛けています。

Anchor Glass Container（アンカー・グラス・コンテイナー）

米国に本拠を置くガラス容器メーカーです。40億本を超える容器を安定的に販売しています。

BAグラス

ポルトガルに本拠を置くガラス容器メーカーです。

日本山村硝子

1955年に設立された兵庫県に本社を置くガラス瓶やプラスチックボトルなどの飲料用容器大手メーカーです。ガラス瓶では国内最大手です。

参照したデータの詳細情報について