蓄電池業界の世界市場シェアと市場規模について分析しています。クラリオス、エキサイド、GSユアサ、エネシス、イーストペン、ティエンノン・パワー、チャオウェイ・パワーといった鉛畜電池メーカーの一覧も掲載しています。
【鉛蓄電池業界とは】
鉛蓄電池業界は、主に自動車や産業用途、非常用電源などに使用される鉛蓄電池の製造と販売を行っています。鉛蓄電池は、その高い信頼性とコストパフォーマンスから幅広い分野で利用されており、その市場は非常に大きいです。
鉛蓄電池業界の世界市場シェアは成長しており、自動車産業やUPSなどの需要増加が主な要因となっています。一方で、リチウムイオン電池の価格低下と採用の増加が市場の成長に一定の制約を与えています。
【鉛蓄電池業界の市場シェア+ランキング】
鉛蓄電池業界の2025年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2025年の鉛蓄電池業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はクラリオス、2位はティエンノン・パワー、3位はチャオウェイ・パワーとなります。
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*2025年数値未公開のため、2024年数値
| 順位 | Company name (English) |
企業名(日本語) | 市場シェア |
| 1位 | Clarios | クラリオス | 20.83% |
| 2位 | Tianneng Power | ティエンノン・パワー | 11.44% |
| 3位 | Chaowei Power | チャオウェイ・パワー | 8.29% |
| 4位 | GS Yuasa | GSユアサ | 7.51% |
| 5位 | East Penn Manufacturing* | イーストペン* | 7.07% |
| 6位 | Exide Industries | エキサイドインダストリーズ | 3.82% |
| 7位 | Camel Group | キャメルグループ | 3.66% |
| 8位 | EnerSys | エナシス | 3.24% |
| 9位 | Amara Raja Batteries Ltd | アマララジャバッテリー | 2.59% |
| 10位 | C&D Technologies Inc. | C&Dテクノロジーズ | 1.77% |
| 11位 | Energywith | エナジーウィズ | 0.75% |
*2025年数値未公開のため、2024年数値
耐久性や費用対効果といった鉛蓄電池の利点にもかかわらず、業界は大きな課題に直面しています。成長を制限する主な要因には、鉛電池が環境に及ぼす悪影響や、コスト低下と技術進歩によるリチウムイオン電池の採用増加などがあります。
鉛蓄電池市場は非常にダイナミックで競争が激しく、クラリオス、ティエンノン・パワー、GSユアサ、エナシス、エキサイド・インダストリーズ、イースト・ペン・マニュファクチャリングなどの主要企業が市場シェアを争っています。
首位は、米国のクラリオス (Clarios) です。
グローバル市場を牽引する圧倒的なマーケットリーダーであり、自動車用低圧バッテリー(SLIおよびスタート・ストップ車向け)で世界シェアの大部分を握っています。
環境規制の強化やサステナビリティ要求の高まりを背景に、業界最高水準を誇る完全循環型の鉛電池リサイクルシステムの強化を推進しています。EV普及が進む中でも、車両の電装化や自動運転化に伴う低圧電源の安定供給ニーズを取り込み、強固な収益基盤を維持しています。
2位は、中国のティエンノン・パワー (Tianneng Power / 天能動力) です。
中国を拠点とする電動自転車や軽電気自動車向けの動力用鉛蓄電池で世界トップクラスのシェアを誇る巨大メーカーです。
主力の鉛蓄電池事業で圧倒的なコスト競争力と量産体制を維持しつつ、リチウムイオン電池や新エネルギー蓄電システムへの多角化をバランスよく推進しています。環境負荷低減に対応したスマート製造ラインの導入や、海外市場への供給網拡大に注力しています。
3位は、中国のチャオウェイ・パワー (Chaowei Power / 超威動力)です。
ティエンノンと並び、中国の二輪・三輪EVおよび軽モビリティ向け鉛蓄電池市場を二分する主要プレイヤーです。
長寿命かつ高信頼性を実現した新世代の鉛蓄電池技術(グラフェン技術を応用した鉛蓄電池など)の市場投入を加速しています。コストパフォーマンスの高さと高い耐環境性を武器に、アジアおよび新興国市場でのシェアを堅実に死守しています。
【鉛蓄電池業界の世界市場規模】
当データベースでは、2025年の鉛蓄電池業界の市場規模を403億ドルとしております。参照した各種調査データは次の通りとなります。
調査会社フォーチュンビジネスインサイツによると、2025年の同業界の市場規模は509億ドルです。2026年から2034年にかけて年平均4.93%で成長し、規模は536億ドルから787億ドルへと拡大することを見込んでいます。
調査会社グランドビューリサーチによると、2025年の同業界の市場規模は449億ドルです。2026年から2033年にかけて年平均4.0%で成長し、規模は472億ドルから621億ドルへと拡大することを見込んでいます。
| 年 | 市場規模 | 成長率見込み |
| 2025 | 509億ドル | – |
| 2026 | 536億ドル | – |
| 2034 | 787億ドル | 4.93% |

【M&Aの動向】
2023年 クラリオス、パラゴンのバッテリー部門を買収
2024年 エナーシス、ブレントロニクスの買収を完了し、重要な防衛アプリケーションでのプレゼンスを拡大
2024年 Exide Technologies が BE-Power GmbH を買収し、リチウムイオン技術とエネルギー貯蔵ソリューションの革新をさらに推進
2025年 旭化成、鉛蓄電池用セポレーター(ダラミック)事業を米投資会社キングズウッド・キャピタル・マネージメントへ譲渡
【会社の概要】
Clarios(クラオリス)
米国ウィスコンシン州ミルウォーキーに本社を置き、モビリティ向け先端低圧バッテリー技術の世界的リーダーとして年間1億5000万個以上のバッテリーを生産しています。
ジョンソン・コントロールズのパワーソリューション事業を前身とし、世界に流通する自動車用バッテリーの約3分の1を供給しています。AGMやリチウムイオン、スーパーキャパシタなどの技術を活用し、持続可能性と倫理的なビジネス慣行を重視した事業展開を行っています。
「補足:ジョンソンコントロールズについて」
Johnson Controls(ジョンソンコントロールズ)は、1885年に設立された米国に本社を置く業務用空調制御システム、セキュリティシステム、火災検知システム、ビル管理サービスを提供する会社です。電気式サーモスタットを発明した歴史を持ちます。2016年に火災警報分野に強いTyco(タイコ・インターナショナル)と経営統合をしました。世界150ヵ国で展開し、エネルギー効率ソリューションや各種オートメーション事業を展開しています。自動車用のバッテリー等の分野に強みがありましたが2018年に売却しました。さらに詳しく
天能動力(Tianneng Power、ティエンノン・パワー)
1986年に設立された中国・浙江省湖州を本拠地とする新エネルギー動力電池のリーディングカンパニーです。
軽電気自動車用モティブバッテリーの製造・販売を中心に、自動車用スタート・ストップバッテリーや蓄電池の研究開発・製造を行い、廃バッテリーの総合的なリサイクルや資源循環システムも手掛けています。香港証券取引所および上海証券取引所(科創板)に上場しています。
超威動力(Chaowei Power、チャオウェイ・パワー)
中国に本拠を置く大手蓄電池メーカーであり、電動自転車や軽モビリティ向けの動力用鉛蓄電池をはじめ、新エネルギー車用バッテリーやエネルギー貯蔵用バッテリーなどの研究開発・製造・販売を行っています。
長寿命かつ高信頼性のグラフェン技術などを応用した鉛蓄電池の展開や、国内外への供給網拡大に注力しています。
GSユアサ
2004年に日本電池(GS)とユアサコーポレーションが合併して誕生した、京都府京都市に本社を置く日本の代表的な蓄電池メーカーです。
自動車用(SLI)および産業用の各種電池や電源装置の開発・製造を行い、リチウムイオン電池分野でも自動車メーカーとの合弁会社等を通じてハイブリッド車や電気自動車向けに製品を供給するなど、グローバルにエネルギー貯蔵ソリューションを展開しています。
GSユアサ以外の日本勢では旧日立化成(2016年にイタリアの自動車部品会社フィアム社から自動車・産業用の鉛蓄電池買収を発表)、古河電池が大手です。
East Penn(イースト・ペン)
1946年に米国ペンシルバニア州で創業された、高品質な鉛電池およびアクセサリーの主要なプライベート製造メーカーです。
世界最大級の単一敷地におけるバッテリー製造施設を運営し、「Deka」ブランドを筆頭に、自動車、産業用、予備電源、ワイヤー&ケーブルなど多様な市場に向けたエネルギー貯蔵ソリューションを設計・製造しています。
エキサイド・インダストリーズ (Exide Industries Limited)
インドを拠点とする同国最大のエネルギー貯蔵ソリューションプロバイダーです。
自動車用(二輪車・四輪車・商用車など)、産業用(電力・通信・鉄道・太陽光発電など)、および家庭用(インバーターやUPSなど)の広範なバッテリー製品の製造・販売を手掛け、国内市場での強いブランド力と多様な顧客基盤を持っています。
キャメルグループ (Camel Group / 駱駝集團)
中国市場における大手自動車用低圧鉛蓄電池メーカーであり、上海証券取引所に上場しています。
主力の低圧鉛酸電池事業をコア収益源としつつ、リチウムイオン電池の展開や、使用済みバッテリーの回収・再生鉛事業を組み合わせた垂直統合型のビジネスモデルと高いコスト競争力を強みに事業を展開しています。
エナシス (EnerSys)
1999年に設立された米国に本拠を置く産業用バッテリーのグローバルリーダーです。
フォークリフトなどのマテリアルハンドリング向け(Motive Power)、通信・データセンター向け(Energy Systems)、および防衛・特殊用途向け(Specialty)の3つのセグメントを主軸とし、高信頼な鉛蓄電池(薄板純鉛等)からリチウムイオン技術に至るまで、包括的なエネルギー貯蔵・電源ソリューションを提供しています。
Amara Raja Energy & Mobility (アマララジャ・エナジー&モビリティ)
インドを拠点とする同国最大の自動車用バッテリーおよび関連製品の製造業者であり、従来のアマララジャ・バッテリーから社名を変更しました。
インド国内の自動車アフターマーケットや主要OEM(マルチ・スズキ、ヒュンダイ、フォード、タタ・モーターズなど)に「Amaron」などのブランドで広く製品を供給しているほか、通信やUPS向けの産業用鉛蓄電池でも高い実績を持っています。
近年ではインド政府のPLI(生産連動型インセンティブ)スキームの対象企業に選ばれており、リチウムイオン電池のセルの自社生産やギガファクトリーの建設、EV用充電器・バッテリーパック事業への多角化を積極的に推進しています。
C&D Technologies (C&Dテクノロジーズ)
1906年に設立された米国ペンシルバニア州に本社を置く、産業用電源システムおよびバッテリーの大手メーカーです。
データセンター、通信網、電力インフラ、鉄道、再生可能エネルギー市場などのミッションクリティカルな分野に向けて、高信頼なAGM鉛蓄電池やバックアップ電源システムを提供しています。
2019年にディープサイクルバッテリーの世界的メーカーである「Trojan Battery Company(トロジャン・バッテリー)」を買収したことで、産業用からモビリティ向けに至るまでの総合的なエネルギー貯蔵ソリューションプロバイダーとして、世界的なプレゼンスをさらに強化しています。
エナジーウィズ (Energywith)
旧・日立化成や昭和電工マテリアルズ(現・レゾナック)、新神戸電機の時代から100年以上にわたり培われてきた鉛蓄電池事業を継承し、2021年に設立された日本のバッテリー製造メーカーです。自動車用始動用バッテリーの「Tuflong(タフロング)」をはじめ、産業車両用バッテリー、通信基地局・データセンター向けの産業用鉛蓄電池、電源装置やUPS(無停電電源装置)の製造・販売から保守点検まで一貫したソリューションを提供しています。また、台湾のCSB Batteryやタイの製造拠点などをグループ会社に持ち、グローバルな供給網を展開しています。
