旅行代理店の世界市場シェアの分析

旅行代理店の世界シェアと市場規模の情報について分析をしています。エクスペディア、ブッキングドットコム、アメリカン・エクスプレス、BCDトラベル、CWT、トゥイ、JTBなどの世界大手旅行代理店の動向も掲載しています。

世界市場シェア

最新業界別売上高世界ランキング第5巻に記載の旅行代理店各社の取扱高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2019年の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はエクスペディア、2位はブッキング、3位はアメックスとなります。

1位 エクスペディア 22%
2位 ブッキング 19%
3位 アメックス 9%
4位 BCDトラベル 6%
5位 CWT 5%
6位 TUI 4%
7位 フライトセントレ 3%
8位 JTB 2%
9位 中国旅遊集団 1%

世界1位は、エクスペディアです。もともとはマイクロソフトの旅行代理店事業でしたが、分社化独立され、現在はジョン・マローン率いるケーブル大手のリバティ傘下となっています。世界2位は、ブッキングです。オンライン・トラベル・エージェントとして、傘下のブッキング・ドットコムは欧州を中心に展開しています。アゴダは、東南アジアを中心に展開しています。レストラン予約サイトオープン・テーブルやレンタカー予約のレンタルカー・ドットコムなどのサービスも展開しています。3位はアメリカン・エクスプレスです。同社は、クレジットカード会社として有名ですが、旅行の取り扱い高でも世界上位です。4位は、BCDトラベル、5位はフランスのカールソン・ワゴンリー、6位はドイツのトゥイとなっています。トゥイは、旅行代理店以外にも、航空会社、クルーズ船、ホテルなども保有しています。日本のJTBは8位です。1963年に日本交通公社から、分社化して誕生しました。

市場規模

調査会社のリサーチアンドマーケッツによれば、2019年のオンライン旅行代理店業界の市場規模は7447億ドルです。一方調査会社のスタティスタによれば、2020年の旅行代理店業界の市場規模は3150億ドルです。当サイトでは、旅行代理店業界の市場シェアを算定するにあたり、同業界の市場規模は5000億ドルとしております。

世界の主要旅行代理店の動向

エクスペディア(Expedia)
米国に本拠を置くマイクロソフトから2004年に分社化したオンライン・トラベル・エージェントです。子会社のHotels.com、Hotwire、Orbitz、 trivago 、Venere.comなどを通じて、ホテルに加えて航空、レンタカー、ツアーなどを総合的に取り扱っています。

Booking Holdings(ブッキングホールディングス)
米国に本拠を置くオンライン・トラベル・エージェント(OTA)です。2018年にプライスラインドットコムから社名を変更しております。欧州のBooking.com、アジアのAgodaと、地域ごとに異なるブランドで事業を展開しています。レンタカーのTravelJigsaw、レストラン予約のOpenTable、航空券比較サイトのWoomooを相次いで買収し、業容を拡大しています。

アメリカン・エクスプレス
米国を代表するクレジットカード会社です。1850年にウェルズ・ファーゴの創設者によって設立されました。もともとは運輸業です。クレジットカード会員向けの旅行の手配や、法人向けのアメリカンエキスプレス・グローバルビジネストラベルを展開しています。

BCDトラベル
1975年にJohn Fentener van Vlissingen氏によって設立されたオランダに本拠を置く旅行代理店です。BCDグループ傘下の非公開会社です。法人向けの旅行代理店に業務に強みを持ちます。BCDグループは法人向けのカンファレンスの取扱い、航空券価格比較、空港内送迎サービスも行っています。

カールソン・ワゴンリー・トラベル(Carlson Wagonlit Travel、CWT)
フランスに本拠を置く法人向けの旅行代理店です。1938年にCurt Carlson氏によって設立されたCarlson Group傘下にあります。Carlson Groupはラディソンホテル、パークプラザホテルを海航集団(海南航空、HNA Group)に売却しております。

海航集団(海南航空、HNA Group)

海航集団(海南航空、HNA Group)は2000年に中国の海南省に設立された非公開のコングロマリットです。コングロマリットの中核の企業は前身が海南省航空公司である1993年に陳峰(Chen Feng、チェン・フェン)氏によって設立された海南航空(ハイナン・エアライン)となります。2000年に経営難となった長安航空を買収し、中国トップ5の規模の航空会社となりました。ホテル、不動産、航空機リース等の分野で積極的な投資を行う一方で、2017年末の時点で負債が12兆円となり、今後は負債圧縮を加速させています。2018年には、共同創業者である王健氏が死亡しました。
航空機リース分野では、2015年にアボロン(Avolon)、2016年に業界大手のCIT Aerospaceを子会社の渤海租賃(Bohai Leasing)が買収し、存在感を増しております。
機内食領域では、2016年に機内食大手のGate Group(ゲートグループ)を買収して、世界トップ3の一角を占めております。機内食事業は2019年にテマセク等へ売却しております。
ホテル分野では、世界最大手の一角であるヒルトングループの株式を25%を65億ドル取得してます(その後2018年4月に41億ドルで市場で売却しました)。2016年にCarlson Groupよりラディソンホテル、パークプラザホテルを買収しております。
空港グランドハンドリングでは、2015年にSwissportを買収し、世界上位となっております・
物流分野では、シンガポールのCWTインターナショナルを買収しています。
海上コンテナリースでは、Bohai Sea Leaseが世界大手です。

Hainan Traffic Administration Holding(海南交管控股有限公司)とHainan Province Cihang Foundation(海南省慈航公益基金会)が株主となっていると言われていますが、詳細は非開示となっています。陳峰氏や同グループの取締役の王健(Wang Jian)氏が海南交管控股有限公司を通じて間接的な株主と言われています。

事業再編・買収
2012年 海上コンテナリース大手のSeaCoを買収
2015年 グランドハンドリング大手のSwissportを買収
2015年 航空機リースのアボロン(Avolon)を買収
2016年 機内食大手のGate Groupを買収
2016年 ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングスの株式の25%を65億ドルで買収
2016年 航空機リースのCIT Aerospaceを買収
2016年 ラディソンホテル、パークプラザホテルを買収
2017年 ドイツ銀行に9.9%出資
2017年 シンガポールのロジスティクス大手のCWTに買収提案
2017年 スイスのグレンコアから物流事業を買収
2017年 スイスの免税店のデュフリーの筆頭株主となる
2018年 ヒルトン株式を売却
2019年 ゲートグループ売却

HRG(ホッグ・ロビンソン・グループ)
1845年に設立された英国に本拠を置く法人向け旅行代理店大手です。中小・中堅企業向けのサービスを得意とします。

TUI(トゥイ)
ドイツに本拠を置く旅行代理店大手。前進は1923年に設立されたプロイスザーク社。旅行代理店事業以外にも、クルーズ船運航企業のトムソン、LCCのTUI航空、トムソン航空などを展開。コンテナ大手のはハパックロイド社を所有していた時期もあり、現在も主要株主の1社でもある。

JTB
日本の交通公社が全身の総合旅行代理店。国内やアジアでは圧倒的な存在感を示す。アウトバウンドの取り込みが課題と言われています。

China National Travel Service(中国旅游集团)
中国の政府系の旅行代理店です。1928年にChen Guangpu氏によって設立されました。

トーマス・クック・グループ(Thomas Cook Group )
英国に本拠を置く老舗旅行代理店です。旅行代理店以外にもトーマス・クック航空等を展開しています。2019年に破産し、中国の復星(Fosun)グループ傘下でオンライン旅行代理店として事業を継続しております。

業界関連図書
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