マグナの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

 

1957年に創業したカナダに本拠を置く自動車部品メーカーです。ボディ外装や構造、自動車シート、パワートレイン、自動車用電装品に強みを持ちます。自動車(完成車)製造受託の子会社も保有しています。2016年に変速機大手のドイツのゲトラグを買収しました。2023年に自動運転技術に強いスウェーデンのヴェオニアの買収を発表しました

業績推移

2019年度
売上高は39,431百万ドルで、前年度比3%減となりました。営業利益は2,367百万ドルになりました。営業利益率は6%になりました。売上の減少は、為替変動による悪影響と一部事業の売却によるものです。

2020年度
売上高は32,647百万ドルで、前年度比17%減となりました。営業利益は1,487百万ドルになりました。営業利益率は5%になりました。売上の減少は、世界的な小型自動車需要の低下やCOVID-19パンデミックの影響によるものです。

2021年度
売上高は36,242百万ドルで、前年度比11%増となりました。営業利益は1,916百万ドルになりました。営業利益率は5%になりました。売上の増加は、2020年度のCOVID-19パンデミックのショックからの回復や、世界的な小型自動車需要の増加によるものです。

2022年度
売上高は37,840百万ドルで、前年度比4%増となりました。営業利益は1,619百万ドルになりました。営業利益率は4%になりました。売上の増加は、世界的な小型自動車需要の増加と生産コストの増加を回収するための販売価格の値上げが要因ですが、為替変動の悪影響とロシアの工場の稼働休止などにより部分的に相殺されました。

2023年度
売上高は42,797百万ドルで、前年度比13%増となりました。営業利益は2,126百万ドルになりました。営業利益率は5%になりました。売上の増加は、世界的な小型自動車需要の増加と生産コストの増加を回収するための販売価格の値上げが要因ですが、UAW労働ストライキの結果としての車両生産の減少による悪影響と為替変動による悪影響により部分的に相殺されました。 

マグナインターナショナルの業績推移

マグナインターナショナルの業績推移

業績推移(四半期)

2023年第1四半期(1ー3月)
売上高は10,673百万ドルになりました。営業利益は404百万ドル、営業利益率は4%になりました。売上は前年同期比で11%増加しました。これは、世界的な小型自動車生産の増加、車両組立売上高の増加、販売価格の上昇によるものです。これらの売上高の増加は、為替変動による悪影響、ロシアの施設の休止などにより部分的に相殺されました。

2023年第2四半期(4ー6月)
売上高は10,982百万ドルになりました。営業利益は567百万ドル、営業利益率は5%になりました。売上は前年同期比で17%増加しました。これは、世界的な小型自動車生産の増加、車両組立売上高の増加、企業買収による影響、販売価格の上昇が要因です。これらの売上高の増加は、為替変動の悪影響により部分的に相殺されました。

2023年第3四半期(7ー9月)
売上高は10,688百万ドルになりました。営業利益は575百万ドル、営業利益率は5%になりました。売上は前年同期比で15%増加しました。これは、世界的な小型車生産の増加、企業買収による影響、為替変動による影響です。これらの売上の増加は、UAWの労働ストライキの結果として失われた車両生産による悪影響などによって部分的に相殺されました。

2023年第4四半期(10ー12月)
売上高は10,454百万ドルになりました。営業利益は580百万ドル、営業利益率は6%になりました。

2024年第1四半期(1ー3月)
売上高は10,970百万ドルになりました。営業利益は435百万ドル、営業利益率は4%になりました。売上は前年同期比で3%増加しました。これは、世界的な小型自動車生産の増加、企業の買収による影響、販売価格の上昇による影響です。これらの売上の増加は、完成車部門におけるBMW 5シリーズの組み立てを含む特定のプログラムの生産終了と為替変動によって部分的に相殺されました。

マグナインターナショナルの四半期業績推移

マグナインターナショナルの四半期業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比108%増の4.23ドルになりました。1株当たりの配当は前年度比2%増の1.84ドルになりました。配当性向は43%になりました。

マグナインターナショナルのEPS・配当額・配当性向の推移

マグナインターナショナルのEPS・配当額・配当性向の推移

事業構成

セグメントは、ボディ・エクステリア部門、パワー&ビジョン部門、シーティングシステム部門、完成車製造受託部門に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

マグナの売上構成(2023年度)

マグナの売上構成(2023年度)

ボディ・エクステリア部門
ボディ、シャシー、エクステリアシステム&モジュール、トリム&オートモーティブジュエリー、アクティブ エアロダイナミクス、エネルギー貯蔵システムを製造販売しています

パワー&ビジョン部門
電動化パワートレーン、従来のパワートレーン、パワートレイン・サブシステム・コンポーネント、ADAS・自動運転、制御モジュール、メカトロニクス、ミラー・オーバーヘッドコンソール、照明を製造販売しています

シーティングシステム部門
自動車、大型トラック、バス向けのシートを製造販売しています

完成車製造受託部門
マグナ子会社のマグナ・シュタイヤーでBMW、ダイムラー、ジャガー・ランドローバー、フィスカー(EVスタートアップ)向けに車両を生産しています。トヨタのGRスープラの生産受託も行なっています

M&A情報

2016年 変速機大手のゲトラグを買収
2016年 車載通信大手のテレモーティブを買収
2019年 液圧コントロールシステム事業をHanon Systemsへ売却
2019年 北京汽車と完成車生産受託の合弁会社を設立
2021年 LG電子とEV車載部品のJVの設立
2023年 自動車の安全技術および自動運転システムに特化した企業であるVeoneerの一部サービス(Veoneer Active Safety)を買収

買収マルチプルでは、売上高の概ね1〜2倍超で買収もしくは売却を行なっています。

マグナのM&A案件の売上高マルチプル推移

マグナのM&A案件の売上高マルチプル推移

株価推移


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