Deere and Company（ディア・アンド・カンパニー）は、1837年に創業された米国を代表する世界最大級の農機具メーカーです。グリーンのボディにイエローのホイールのトラクターとジョンディア (John Deere) の愛称で親しまれている老舗です。
現在では超高級車で知られているランボルギーニ社も、祖業はトラクターです。トラクターの他に、コンバイン、プランター、ベーダ―、フォークリフト、スキッダー、バックホーローダー、ブルドーザー、トランスミッション等も手掛けています。1000ヘクタール以上の農場向けの500馬力トラクターでは他社の追随を許しません。
2019年度
売上高は392.58億ドルになりました。営業利益は120.75%増の44.15億ドルになりました。営業利益率は11.25%になりました。
2020年度
売上高は前年度比9.47%減の355.40億ドルになりました。営業利益は2.49%減の43.05億ドルになりました。営業利益率は12.11%になりました。
2021年度
前年度比23.87%増の440.24億ドルになりました。営業利益は86.11%増の80.12億ドルになりました。営業利益率は18.20%になりました。
2022年度
売上高は前年度比19.43%増の525.77億ドルになりました。営業利益は18.67%増の95.08億ドルになりました。営業利益率は18.08%になりました。
2023年度
売上高は前年度比16.50%増の612.51億ドルになりました。営業利益は36.29%増の129.58億ドルになりました。営業利益率は21.16%になりました。
近年は穀物の物価高が顧客である農家への追い風となり大きく売上や営業利益を伸ばしています。
ディア・アンド・カンパニーの業績推移
2023年第1四半期（11ー1月）
売上高は前年同期比30.99%増の126.52億ドルになりました。営業利益は25億ドル、営業利益率は19.90%になりました。
2023年第2四半期（2ー4月）
売上高は前年同期比30.04%増の173.87億ドルになりました。営業利益は38億ドル、営業利益率は22.42%になりました。
2023年第3四半期（5ー7月）
売上高は前年同期比12.05%増の158.01億ドルになりました。営業利益は35億ドル、営業利益率は22.25%になりました。
2023年第4四半期（8ー10月）
売上高は前年同期比0.80%減の154.12億ドルになりました。営業利益は30億ドル、営業利益率は19.63%になりました。
2024年第1四半期（11ー1月）
売上高は前年同期比3.69%減の121.85億ドルになりました。営業利益は21億ドル、営業利益率は18.01%になりました。
ディア・アンド・カンパニーの四半期業績推移
希薄化後EPSは前年度比48.75%増の34.63円になりました。1株当たりの配当は前年度比12.85%増の4.83円になりました。配当性向は13.95%になりました。
ディア・アンド・カンパニーのEPS・１株配当・配当性向の推移
全体的に通期の需要は低下すると見込まれています。
大型農業機械の販売は、北米、ヨーロッパ、南米で減少すると予想されています。
小型農業機械の需要はヨーロッパで落ち着くとされており、芝生およびユーティリティ機器の製品販売は、全体的な米国の経済状況と高い金利のために低下すると見込まれています。
セグメントは、農機・小型農機&芝生、建機、芝生に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。
ディア・アンド・カンパニーの売上構成（2022年度）
ディアはCNH Industrial（シーエヌエイチ・グローバル）やAGCO（アグコ）と並ぶ、世界最大級の農機メーカーとなっています。建機業界でも、キャタピラーやコマツに次ぐ準大手の地位を確保しています。売上規模は1兆円超です。買収で、道路建設機械分野へも進出をしています。芝生・芝刈り機においても、Husqvarna（ハスクバーナ）、Toro Company（トロ）と御三家を形成しております。
農機
大粒穀物、小粒穀物、綿花、砂糖栽培向けの大型および一部の中型トラクター、コンバイン、コットンピッカー、サトウキビ収穫機およびローダー、土壌改良機、播種機、施肥機、作物管理機などを製造販売しています。
小型農機
酪農・家畜生産者、高価値作物向けの中型および小型トラクター、乾牧草用機器などを製造販売しています。
芝生
芝生機器、芝刈り機、ゴルフコース機器を製造販売しています。
建機
バックホーローダー、クローラードーザーおよびローダー、四輪駆動ローダー、掘削機、モーターグレーダー、アーティキュレートダンプ、スキッドステア、ランドスケープローダ、道路建設用のフライス盤、リサイクル機、スリップフォーム舗装機、サーフェスマイナー、アスファルト舗装機、コンパクター、タンデムおよびスタティックローラー、モバイルクラッシャーおよびスクリーン、モバイルおよび固定式アスファルトプラント、林業用のフェラーバンチャー、ログローダー、ログフォワーダー、ログハーベスターなどを製造販売しています。
2000年 フィンランドのTimberjackを買収
2007年 Lescoの買収
2007年 中国のNingbo Benye Tractor & Automobile Manufactureの買収
2008年 イスラエルのPlastro Irrigation Systemsの買収
2017年 道路建設を手掛けるWirtgen Groupを約5800億円で買収
2019年 芝刈り機のSABOをMutaresに売却
2019年 サトウキビ収穫機メーカーのブラジルのUnimilを買収
2020年 HarvestProfitを買収
2021年 シリコンバレーのロボット製造企業であるBEAR FLAGを買収
2023年 スプレー機器の製造を行うインドネシアのSmart Applyを買収
2023年 AIのスタートアップであるSpark AIを買収
バークシャーハサウェイが上位株主となっています。
