ポンプ業界の世界市場シェアの分析

ポンプ業界の世界シェア、業界ランキングと市場規模について分析をしています。グルンドフォス、ITT 、フローサーブ、ウィロ、KSB、スズラー、荏原製作所、ウィアー・グループ、日機装といった世界的ポンプメーカーの概略も掲載しています。

【ポンプとは】

入口から入ってきた液体に対して、速度や圧力を調整して出口へ送る機器の総称です。例えば、火事の際に使われる消火栓にもポンプが使用されていて、水の圧力を調整して消火活動を効果的に行えるようにしています。ポンプの分類は大きく、容積式ポンプと非容積式ポンプに分かれます。また圧力を伝達方法によって油圧ポンプ、空圧ポンプ、電動ポンプに分かれます。

【市場シェア】

ポンプ会社各社の2020年度の売上高を分子に、後述する市場規模を分母にして、ポンプ業界の2020年の世界市場シェアを簡易に計算すると、1位はデンマークのグランドフォス、2位は米国のフローサーブ、3位はイギリスのウィアー・グループとなります。⇒参照したデータの詳細情報

ポンプ会社の2021年市場シェアと業界ランキング

順位会社名市場シェア
1位グルンドフォス6.99%
2位フローサーブ4.06%
3位ウィアー・グループ3.07%
4位ウィロ2.94%
5位荏原製作所2.79%
6位KSB2.70%
7位川崎重工2.44%
8位上海凱泉泵業1.62%
9位IDEX1.46%
10位ITT1.36%
11位日機装1.30%
12位インガソールランド1.28%
13位スルザー1.05%
14位ローパーテクノロジーズ0.81%
15位不二越0.80%
16位ゴーマンラップ0.60%
ポンプ会社の2021年市場シェアと業界ランキング ©ディールラボ
ポンプ会社の市場シェアランキング(2021年)
ポンプ会社の市場シェアランキング(2021年)

1位はデンマークのグランドフォス社となりました。2000年代からポンプ周辺の買収を行い業界首位となりました。

2位は北米のフローサーブ社となっています。流体コントロールの視点からポンプ事業を拡大しています。

3位はイギリスの排気ポンプに強いウィアー・グループです。

4位はドイツのウィロです。

5位は日本の荏原製作所となっています。

15位にはロシアの投資会社であるRenova Groupが大株主のスイスの老舗ポンプメーカーであるスルザーが入っています。

中国系のポンプメーカーは上海凱泉泵業(Shanghai Kaiquan Pump)がトップ10入りです。

【市場規模】

当サイトでは、産業用ポンプ業界の2021年の世界市場規模を616億ドルとして市場シェアを計算しております。参照にしたデータは以下の通りです。

調査会社のグランビューリサーチによれば、2021年と2020年の同業界の世界の市場規模は、616億ドルと602億ドルです。2030年にかけて年平均4.9%での成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報

ポンプ市場規模成長率見込み
2021年616億ドル4.9%
2020年602億ドル3.9%
産業用ポンプ市場の推定市場規模 ©ディールラボ
※成長率見込みはデータ発表時点


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【会社の概要】

ITT

1920年にInternational Telephone & Telegraphとして誕生した通信会社が祖業です。途中シェラトンホテルやハートフォード生命などを買収し、その後分社化を行い、現在はブレーキパッド、シム、ショックアブソーバー、ポンプ、コネクタなどの産業機器メーカーとなりました。ポンプはGoulds Pumpsブランドで展開しています。水処理機器のXylemもITTより分社化した会社です。NY証券取引所に上場しています。

Flowserve(フローサーブ)

源流が1790年にまで遡ることができる米国のテキサスに本拠を置く大手流体制御機器メーカーです。同社は1997年に有力な流体機器メーカーであったBW/IP社と Durco International社が合併し設立されました。2000年にポンプ大手のIDP、2014年にイタリアの真空・流体ポンプに強いSIHI Groupを買収し同事業を強化しています。さらに詳しく

KSB

1871年に創業のドイツに本拠を置く老舗総合ポンプメーカーです。同族会社のため株式は公開されておりません。

Sulzer(スルザー)

1834年創業のスイスの老舗機械メーカーです。スルザーポンプ (Sulzer Pumps)がポンプ事業を展開しています。ロシアの投資会社であるRenovaグループが筆頭株主です。

Grundfos(グルンドフォス)

デンマークに本拠を置く大手産業用ポンプメーカーです。水処理向けのポンプに強みを持ちます。暖房、空調、給水、産業用、薬注、減菌、雑排といった用途のうず巻ポンプ、片吸込みポンプ、クーラントポンプ、水中ポンプ、定量ポンプ、循環ポンプを提供しています。2000年フィンランドの産業用ポンプメーカーのSarlin Pumps社、2004年にドイツのポンプメーカーHilge GmbH社、2005年にスイスのAlldos International AG社、イタリアのTesla, Srl社、2006年にスルザー社から北米のHVAC向けポンプメーカーのPACO Pumps社、2007年に北米のSterling Fluid Systems社、2012年に北米のEnaqua社を買収する一方で、2015年に飲料食品向けポンプのHilge GmbH社を独GEA社に売却しました。

Gardner Denver(ガードナー・デンバー)/インガソール・ランド

Ingersoll-Rand(インガソール・ランド)は、1871年に創業された米国に本拠を置く産業機器メーカーです。2020年に真空ポンプ、コンプレッサー等の産業機械メーカーであるGardner Denver(ガードナーデンバー)と経営統合を行いました。統合に先立ち、空調事業はトレーン・テクノロジーズとして分社化しています。インガソール・ランドからは、過去、鍵のアレジオン、冷凍ショーケースのハスマン(2015年にパナソニックへ売却)等各分野でトップクラスの企業が巣立っております。コンプレッサー・エアツールや輸送用冷凍装置の分野でも強いです。ゴルフカートでは、クラブカーブランドを展開し、世界最大級の規模ですが、2021年にプラチナムエクイティへ売却をしました。さらに詳しく

Roper Technologies(ローパーテクノロジーズ)

米国の制御機器メーカーです。入退室の管理のアプリ、火災保険向けのSaaSサービス、建設見積りソフト、トラックの空き容量と貨物の積載量の仲介サービス、制御機器、流量管理、ラジオ周波数製品の製造、精密なゴム・ポリマー検査機器とデータ解析ソフトウェア、特殊なポンプなどの製造を行っています。

Gorman-Rupp(ゴーマンラップ)

1934年に設立された北米に本拠を置くポンプメーカーです。上水、下水、建設、脱水、工業、石油、オリジナル機器、農業、防火、暖房、換気、空調、軍事、その他の液体処理用途に使用されるポンプを製造しています。

Ebara(荏原製作所)

1912年に設立された日本を代表する総合ポンプメーカーです。日本の蛇口をひねると3個に1個は同社のポンプが使われていると言われているほど、国内における地位は盤石です。2020年に欧州・中東・アフリカ地域への事業拡大を目指し、トルコの深井戸モータポンプ大手であるバンサン(Vansan)社を買収しました。コンプレッサー事業は子会社のエリオット(Elliott)が世界展開をしています。さらに詳しく

日機装

日本に本拠を置く大手ポンプメーカーです。無漏洩ポンプ、定量注入ポンプ、高速遠心ポンプ、人工透析装置、人工膵臓装などの製造を行います。

Wilo Group(ウィログループ)

祖業は1872年に設立された銅・真鍮製造事業です。現在は水管理、工業分野のポンプおよびポンプシステムを提供しています。ドイツに本拠を置き、Wilo-Foundationが約90%の株式を保有しています。

Weir(ウィアー)

1871年にWeir兄弟によって設立された英国スコットランドに本拠を置く大手老舗ポンプメーカーです。鉱山やオイルサンド市場で使用されるスラリーポンプや排気ポンプ、研磨ロールなどに強みを持ちます。ロンドン証券取引所に上場しています。

Baker Hughes(ベーカー・ヒューズ)

米国に本拠を置く資源開発大手です。子会社のBJ Services Companyにて圧力ポンプを手掛けています。2014年に米同業のHalliburton(ハリバートン)が買収を発表するものの断念しました。

Schlumberger(シュルンベルジェ)

米仏に本拠を置く資源開発大手です。横軸ポンプに強みを持ちます。2016年に掘削器具大手のキャメロン・インターナショナル・コーポレーションと経営統合しました。

参照したデータの詳細情報について


参照したデータは以下の通りです。リンク切れなどありましたら、お問い合わせのページからご連絡頂けますと大変有難く存じます。

ポンプメーカーの世界売上高ランキング

市場規模の情報

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