香料業界の世界市場シェアの分析

香料メーカーの世界ランキング、市場シェア、業界再編や市場規模について分析しています。ジボダン、IFF、フィルメニック、シムライズ、高砂香料、マンフィス、フルタロム、長谷川香料等の世界大手香料会社の動向も掲載しています。IFFによるフルトロム買収等業界再編が続いています。

2019年市場シェア

「香料(フレーバー&フレグランス)メーカーの世界売上高ランキング(2020年版)」の売上高の情報を分子に、香料の2018年の市場規模として採用した265億ドルを分母にして、簡易的に香料業界の市場シェアを算出すると、1位はスイスのジボダンの24.9%、2位は米国のIFFの19.2%、3位はスイスのフィルメニックの15.8%となります

2019年香料業界世界シェア

  • 1位 ジボダン 24.9%
  • 2位 IFF 19.2%
  • 3位 フィルメニック 15.8%
  • 4位 シムライズ 15.1%
  • 5位 ADM/Wild Flavor 10.2%
  • 6位 マン 5.6%
  • 7位 高砂香料 5.5%
  • 8位 センシエント・テクノロジー 2.6%
  • 9位 ロベルトSA 2.2%
  • 10位 フアバオ 2.1%
  • 11位 長谷川香料 1.7%

2019年は、IFFが2018年のフルタロムに続き、デュポンから食品成分・原料の製造を手掛けるニュートリション事業を262億ドルで買収しました。同事業の売上高は約61億ドルで、香料と食品成分を合算した売上高では世界最大級の会社となりました。
香料業界単体では、ジボダンが引き続き1位の市場シェアを維持しています。2019年はアクティブ コスメティックス事業を手掛けるAMSilk社、フランスの自然成分に強みを持つAlbert Vieille社、ベトナムの香料大手であるGolden Frog社を買収して更なる規模拡大を図っています。
3位のフィルメニックも、フランスの植物ベースの化学原料メーカーであるLes Dérivés Résiniqueset Terpéniquesを買収しIFFとジボダンを追いかけています。4位はドイツのシムライズ、5位はADM(ワイルドフレーバーズ)、6位はマンとなっており、2018年と比べて大きな変動はありません。

香料業界の世界市場シェア(2018年)

2019年2月時点における市場シェアの世界1位はジボダン、2位はフルタロムを買収したIFF、3位はフィルメニックとなっています。フルタロムとIFFという業界大手同士の経営統合で順位が変動しています。4位はシムライズ、5位はワイルドフレーバーズを買収した穀物メジャーのADMとなっています。ジボダンの地位は不動ですが、積極買収を仕掛けるシムライズや穀物メジャーが今後の業界再編の台風の目となる可能性があります。

出所:香料(フレーバー&フレグランス)メーカーの世界市場シェアの分析

香料とは?

香料は、主に食品香料(フレーバー)と香粧品香料(フレグランス)に分かれます。前者は飲料、冷菓、菓子、即席麺等の加工食品に、後者は化粧品やトイレタリー等に使われます。フレーバーとフレグランスの世界市場規模はほぼ同程度と言われています。各社ともに育成に時間のかかる熟練した香りを調合するフレーバーリスト(フレーバー)やパフューマー(フレグランス)を抱え、香料生産への設備投資が必要であるため、新規参入の障壁が高い業界です。香料の原料は、ラベンダーやシナモン等の天然由来成分と化学合成成分の2種類があり、日本の香料会社は香料の原料をほぼ輸入に頼っている状況です。

業界のバリューチェーン

香料業界のバリューチェーンは、香料原料のサプライヤー(天然由来、化学由来の原材料供給会社)、香料会社(フレグランスとフレーバーの調合会社)、消費財メーカー(日用品メーカー、食品・飲料メーカー)、小売(スーパー、オンラインショップ等)という構図になっています。下図では、同業界のバリューチェーンをまとめています。

出所:イベルケム会社資料

市場規模

本サイトでは、以下の情報を参考にし、2019年の香料業界の市場シェア算出の市場規模として265億ドルを採用しています。

調査会社のフォーチュンビジネスインサイツによると、世界の同業界(主に飲料、菓子、製パン、乳製品等の食品、洗剤等の日用品、パーソナルケア製品、化粧品向けの香料成分)の2018年の推定市場規模は、265億ドルです。調査会社のグランドビューリサーチによれば2018年の同市場の規模は207.5億ドルとなっています。また調査会社マーケットデータフォーキャストによると、2020年の同市場規模は200億ドルです。2025年にかけて年平均2.65%での成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報

業界の再編

香料業界の大手プレーヤーであるジボダン、IFF、フィルメニック、シムライズによる規模拡大が続いています。食品成分機能の強化の一環として、穀物メジャーのADMも近年香料分野へ参入しました。また、2019年にはIFFがデュポンのニュートリション事業を買収し、香料と食品成分の両分野で成長を目指しています。

1958年 ジュースメーカーのオランダPolak & Schwarz社と香料メーカーのAmeringen-Haebler社の経営統合でIFFが誕生
2000年 IFFがBush Boake Allenを買収
2000年 ジボダンがロシュから分社化
2002年 ジボダンがネスレの香料部門であるFood Ingredients Specialitiesを買収
2002年 ドイツの化学大手バイエルの香料子会社であるHaamann & Reimer社とDragocoの経営統合でシムライズが誕生
2006年 ジボダンが英国の化学大手ICIよりオランダの香料メーカーのクエスト・インターナショナルを買収
2007年 フィルメニッヒが食品成分大手のオランダDaniscoから香料事業を買収
2014年 シムライズがフランスの香料成分会社であるDianaを買収
2014年 IFFがイスラエルの香料会社であるAromor Flavors & Fragrancesを買収
2014年 ADMがワイルド・フレーバーズを買収
2015年 シムライズが米国のアロマ成分メーカーPinova社とRenessenz社を買収
2015年 フルタロムがドイツの香料メーカーのWibergとオーストリアの食品香料のSAGEMAを買収
2015年 IFFが米国の香料会社であるHenry H. Ottens社を買収
2015年 IFFがカナダの化粧品向け成分会社であるLucas Meyer Cosmetics社を買収
2017年 ジボダンが仏Naturexを買収
2018年 IFFがフルタロムを買収
2019年 IFFによるデュポンからのニュートリション事業の買収
2020年 長谷川香料によるミッションフレーバーズ&フレグランスの買収

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