正極材業界の世界市場シェアの分析

正極材業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。正極材大手メーカーである日亜化学、杉杉集団、住友金属鉱山、L&F、アモイタングステン、ユミコアといった会社の動向についても掲載をしています。

正極材の世界市場シェア(2020年)

「最新業界別売上高世界ランキング第10巻」に記載の正極材メーカー各社の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2020年の正極材の市場シェアを簡易に試算しますと、以下の順位となります。

1位 ユミコア 17.6%
2位 住友金属鉱山 6.6%
3位 日亜化学 6.5%
4位 アモイタングステン 5.5%
5位 エコプロBM 2.84%
6位 杉杉集団 2.8%
7位 L&F 2.6%

市場規模

当サイトでは、各調査会社等の公表データを参考にし、正極材業界の2020年の世界市場規模を180億ドルとして市場シェアを計算しております。参照にしたデータは以下の通りです。調査会社の富士経済によると、2019年の同業界の規模は1兆3452億円と見込まれます。調査会社のレポーツアンドデータによると、2019年の同市場規模は174億ドルです。2027年にかけて6.3%での成長を見込みます。調査会社のマーケッツアンドマーケッツによると、2018年の同市場規模は164億ドルです。2023年にかけて年平均6.3%での成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報

正極材とは

リチウムイオン電池の性能を決めるのは正極材とも言われています。コバルト系、マンガン系、ニッケル系、リン系、鉄系、三元系といった種類の正極材があります。コバルト系は、コバルト酸リチウム(LiCoO2)がもっとも使われている正極材ですが、コバルトの調達は不安定といった問題があります。リン系はリン酸鉄系(LiFePO4)を正極材に使っています。中国系の正極材メーカーが多く採用しています。

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世界の大手正極材メーカー

日亜化学
徳島県に本拠を置く非上場会社です。LEDの大手メーカーです。窒化ガリウム (GaN)を用いた青色発光ダイオードの開発を世界に先駆けて実現しました。LEDパッケージ及び白色LEDでも存在感を示します。正極材分野でも世界最大級です。

杉杉集団(シャンシャン)

杉杉集団(シャンシャン)は、1989年に設立された繊維を発祥とする中国のコングロマリットです。2009年に伊藤忠商事が出資を行い、正極材については戸田工業との合弁事業で展開しています。電池材料分野では、正極材以外にも負極材、電解液を手掛けています。2020年にLGから偏光板事業を買収しました。アウトレット、太陽光や病院事業も展開しています。

Umicore(ユミコア)
ベルギーに本拠を置く素材メーカー大手です。元々は亜鉛鉱山等の金属資源の開発会社として19世紀初頭に設立され、コンゴ共和国に強い影響力を持っています。希少資源であるコバルト資源へのアクセスがあり、正極材や触媒に強みを持ちます。

L&F
2000年に設立された韓国に本拠を置く正極材に強みを持つ素材メーカーです。非上場会社です。

Xiamen Tungsten(厦門タングステン)
中国の福建省に本拠を置く正極材メーカーです。タングステン、モリブデン、レアアース、正極材、負極材といった事業を手掛けています。

住友金属鉱山
日本を代表する銅、ニッケル、金鉱山開発運営会社です。別子銅山での銅開発が祖業です。菱刈鉱山は国内有数の金鉱山です。ニッケルの精錬を行い、正極材にも強みがあります。

Ecopro BM(エコプロBM)
韓国の正極材メーカーです。ニッケル系正極材に強みを持ちます。2016年に吸着剤やフィルター等を開発するエコプロから分社化しました。