FPSO(浮体式生産貯蔵積出設備)業界の世界市場シェア
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FPSO(浮体式生産貯蔵積出設備)業界の世界市場シェア

FPSO(浮体式生産貯蔵積出設備)設計・エンジニアリング業界の世界市場シェアと市場規模について分析しています。SBM Offshore、BW Offshore、三井海洋開発(MODEC)、Teekay Patrojarl(ティーケイ)といったFPSO設計会社の概要と動向も掲載しています。

【市場シェア】

FPSO設計会社の2020年度の売上高(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2020年のFPSO業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はSBMオフショア、2位は三井海洋開発、3位はBWオフショアとなります。

2020年FPSO業界の世界市場シェア

  • 1位 SBMオフショア 47.4%
  • 2位 三井海洋開発 39.5%
  • 3位 BWオフショア 11.8%
  • 4位 ティーケイ 1.4%
FPSO設計会社の世界市場シェア(2020年)
FPSO設計会社の世界市場シェア(2020年)

2020年のFPSO設計・エンジニアリング業界も、2019年に続き日本の三井海洋開発とオランダに本拠を置くSBMが激しく業界1位の座を争っています。

【市場規模】

当データベースでは、2020年のFPSOの市場規模を、上位4社の売上高の合計である74億ドルとしております。参照した公表統計データは次の通りです。調査会社のモードーインテリジェンスによれば、2018年時点で183隻のFPSOが稼働もしくは建造中です。調査会社のグローバルマーケットインサイツによれば、2018年の同業界の市場規模は250億ドルです。2019年〜2025年にかけて年平均16.3%での成長を見込みます。調査会社のフォーチュンビジネスインサイツによると、2019年の同市場規模は131億ドルです。2020年は新型コロナの影響もあり68億ドルまで減少しましたが、2027年にかけて年平均14.3%での成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報

市場規模成長率見込み
2020年68~74億ドル14.3%
2019年131億ドルn/a
2018年250億ドル16.3%
FPSO業界の市場規模推移
©ディールラボ

【FPSOとは】

FPSOとは、Floating Production,Storage and Offloading systemの略です。日本語ですと浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備となります。川崎汽船によれば、FPSOとは「洋上で原油・ガスを生産し、生産した原油をタンクに貯蔵し、直接タンカーへの積み出しを行い、生産したガスをFPSO自体のガスタービン発電プラントの燃料として使用または、パイプラインを通して陸上へ輸送する」設備です。

FPSOのイメージ
FPSOの仕組み

FPSO1隻の費用は、概ね機器費用、設計エンジニアリング費用、建造費用、係留設費用があり、大きさにもよりますが、約1000億円程度かかる巨大プロジェクトです。

さらに業界に詳しくなるためのお薦め書籍

Project Management in the Construction of Oil and Gas Facilities: A Case Study of Agbami & Akpo FPSO
FPSO Handbook

【会社の概要】

SBM Offshore

オランダに本拠を置く世界最大級のFPSOの設計エンジニアリング会社です。ブラジル、マレーシア、アンゴラなどの案件を手掛けています。ユーロネクスト市場に上場しています。

BW Offshore

1982年にBergensen(ベルゲッセン)社の事業部門として創設されたノルウェーに本拠を置くFPSO設計世界大手です。親会社のBWグループは海運大手ベルゲッセンと包玉剛率いるWorldwide Shipping Companyが合併して誕生しました。

三井海洋開発(MODEC)

日本を代表するFPSO設計会社です。三井E&S(旧三井造船)・三井物産が主要株主です。FPSOのプロジェクトは、ブラジル石油公社であるペトロブラス向けのブラジル深海沖が最も多くなっていますが、メキシコ、オーストラリア、ベトナムなどの案件も受注しております。

Teekay Patrojarl(ティーケイ)

1998年にノルウェーのPetroleum Geo-Services(PGS)の事業部門として発祥しました。海運大手のTeekay(ティーケイ)が主要株主です。北海を中心にサービスを提供しています。オスロ証券取引所に上場しています。

Yinson Holdings(インソンホールディングス)

マレーシアに本拠をおくアンカーハンドリング・タグサプライ船(AHTS)やプラットフォーム支給船(PSV)などのオフショア支援船オペレーターです。近年はFPSOの分野にも参入しています。

その他のFPSO設計会社

Blue Water(ブルー・ウォーター)
1978年創業のオランダに本拠を置く独立系FPSO設計会社です。

Rubicon Offshore(ルビコン・オフショア)
2005年に創業のシンガポールに本拠を置く独立系FPSO設計会社です。

Omni Offshore (オムニオフショア)
1990年に設立されたシンガポールに本拠をおくFSO設計会社です。FPSOも手掛けています。

参照したデータの詳細情報について


参照したデータは以下の通りです。リンク切れなどありましたら、お問い合わせのページからご連絡頂けますと大変有難く存じます。

FPSO業界の売上高ランキング

FPSOの売上高ランキング(2020年度)

参照した市場規模の情報

Mordor Intelligence
Fortune Business Insights
GM Insights

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