タイヤ業界の市場シェア・売上高ランキング・市場規模の分析
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タイヤ業界の市場シェア・売上高ランキング・市場規模の分析

タイヤメーカーの世界市場シェアと市場規模について分析しています。
ブリヂストン、ミシュラン、グッドイヤーといった大手タイヤメーカーの概要や動向も掲載しています。

【タイヤ業界とは】

タイヤは用途によって大きく自動車用タイヤ、産業車用タイヤ、農業機械用タイヤ、航空機用タイヤ、二輪自動車用タイヤに分類されます。産業車用タイヤ、農業機械用タイヤは建設や採鉱を行う厳しい天候や困難な地形に耐えられるように設計されたタイヤで、オフザロード(OTR)タイヤと総称されています。

タイヤの構造
外側から見ると単なる黒いゴムで単純そうに見えるタイヤですが、内側は高度な設計になっています。タイヤの構造は、一番外側のトレッドゴム(黒いゴムの部分)に始まり、カーカス(骨格構造)、インナーライナー、ビードワイヤー等が組み合わさって構成されています。原材料は、ゴム(天然・合成)、配合剤(シリカ、カーボンブラック等)、タイヤコード(ナイロン等)、ワイヤー(ピアノ線のようなもの)となります。

【タイヤ業界の世界市場シェア+ランキング】

タイヤ業界の2024年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2024年のタイヤ業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はミシュラン、2位はブリヂストン、3位はグッドイヤーとなります。

タイヤ業界の世界市場シェアと業界ランキング(2024年)

順位 Company name
(English)
企業名(日本語) 市場シェア
1位 Michelin ミシュラン 17.11%
2位 Bridgestone ブリヂストン 16.62%
3位 The Goodyear Tire And Rubber Company グッドイヤー 10.05%
4位 Continental コンチネンタル 8.72%
5位 Pirelli ピレリ 4.26%
6位 Sumitomo Rubber 住友ゴム工業 4.20%
7位 Hankook tire ハンコック 4.15%
8位 The Yokohama Rubber 横浜ゴム 3.94%
9位 Toyo Tires トーヨータイヤ 2.09%
10位 Kumho Tire クムホタイヤ 2.00%
11位 Apollo アポロ 1.76%
12位 MRF Tyres MRFタイヤ 1.71%
13位 Titan タイタン 0.34%
タイヤ業界の世界市場シェアと業界ランキング(2024年)©2025 Deallab

タイヤ業界の市場シェア(2024年) ©2025 Deallab

首位はフランスのミシュランです。レストランガイドのミシュランガイド事業も展開していることで有名です。2023年のデータと比較すると2位のブリヂストンと順位を入れ替えて首位になりました。

2位は日本を代表するタイヤメーカーであるブリヂストンです。幅広い輸送機のタイヤを取り扱っています。

3位はアメリカのグッドイヤーです。ここまでの上位3社がタイヤ業界のBig3と呼ばれます。しかし、グッドイヤーは上位2社には大きく差をつけられてしまっています。

4位はブレーキなどの自動車部品事業とタイヤ事業を取り扱うドイツのコンチネンタルです。これらの上位4社でタイヤ業界の市場シェアの約半分を占めます。

ブリヂストン以外にも日系企業が多くランクインしているのが特徴です。6位の住友ゴム工業は、2015年にグッドイヤーとの包括提携を解消しました。また、住友ゴム工業はスポーツ用品事業を展開していることでも知られています。

その他の日本企業では、8位に横浜ゴム、10位にトーヨータイヤが入っています。

さらに韓国・インド企業がそれぞれ2社ランクインしており、アジア勢の勢いが目立ちます。中国の杭州中策や正新ゴム工業、リンロンも広くシェアを獲得していますが、2024年の売上高データが公表されていないため、ランキングから除外しています。

業界上位3社の成長率と収益力比較

業界トップ3のポジションにいるミシュラン、ブリヂストン、グッドイヤーの3社について、売上高成長率(過去5年平均)、ROE(直前期)について比較をしました。

長らく業界トップ3のポジションにいる3社は、売上高成長率が5%以下で配当性向も50%程度(配当を出していないグッドイヤーを除く)であることから、成熟した安定企業であることが見てとれます。

タイヤ大手3社の指標比較 ©2025 Deallab
*リフィニティブのデータを加工して作成しています。
**売上高は直前期を基準に過去5年間の年平均成長率(CAGR)を計算しています。
***ROEは直前期の当期利益と期初と期末の自己資本額の平均値から計算をしています。

【タイヤ業界の売上高ランキング(四半期ベース)】

2025年度1〜3月四半期売上高をベースとしたタイヤメーカーの売上高ランキングでは、1位はミシュラン、2位はブリヂストン、3位はグッドイヤーとなっています。これは2024年度通年のランキングと同じです。

四半期の売上高が公表されていないピレリはランキングから除外しています。

タイヤ業界の売上高ランキング(四半期ベース) ©2025 Deallab

【タイヤ業界の世界市場規模】

当データベースでは、2024年のタイヤ業界の市場規模を1735.3億ドルとしております。

参照した各種調査データは次の通りとなります。
調査会社のStellar Market Research によれば自動車用タイヤ業界の2024年の市場規模は1507.6億ドルで2025年から2032年にかけて年平均成長率が6.32%で同年に約2462億ドルに達すると予想しています。

市場規模 年平均成長率
2024 1507.6億ドル
2032 2462億ドル 6.32%
自動車用タイヤ業界の市場規模の成長率見込み ©2025 Deallab

自動車用タイヤ業界の市場規模の成長予想 ©2025 Deallab

調査会社のGMInsights によればOTRタイヤ業界の2024年の市場規模は約48億ドルで2025年から2034年にかけて年平均成長率が6.1%で同年に約84億ドルに達すると予想しています。

市場規模 年平均成長率
2024 48億ドル
2034 84億ドル 6.1%
OTRタイヤ業界の市場規模の成長率見込み ©2025 Deallab

OTRタイヤ業界の市場規模の成長予想 ©2025 Deallab

調査会社のMarket Research Future によれば航空機用タイヤ業界の2024年の市場規模は約26.3億ドルで2025年から2035年にかけて年平均成長率が3.44%で同年に約37億ドルに達すると予想しています。

市場規模 年平均成長率
2024 26.3億ドル
2035 37億ドル 3.44%
航空機用タイヤ業界の市場規模の成長率見込み ©2025 Deallab

航空機用タイヤ業界の市場規模の成長予想 ©2025 Deallab

調査会社のProfshare Market Research によれば二輪自動車用タイヤ業界の2024年の市場規模は約153.4億ドルで2025年から2032年にかけて年平均成長率が3.8%で同年に約199.2億ドルに達すると予想しています。

市場規模 年平均成長率
2024 153.4億ドル
2032 199.2億ドル 3.8%
二輪自動車用タイヤ業界の市場規模の成長率見込み ©2025 Deallab

二輪自動車用タイヤ業界の市場規模の成長予想 ©2025 Deallab

タイヤの分類と市場規模 ©2025 Deallab

タイヤの分類と市場規模 ©2025 Deallab

自動車用タイヤの需要が増加する要因として自動車販売台数の増加が挙げられます。

また、OTRタイヤの需要の増加要因としては、先進国や新興国の急速なインフラ開発による建設機械などの需要が増加していることが挙げられます。

航空機用のタイヤの需要は、商用と軍用の飛行機の需要と共に増加しています。

【M&Aの動向】

近年では電動自動車が増加しているため、電気自動車専用のタイヤの開発が今後増加すると予測されます。また、その他にも新しい種類のタイヤの開発も今後増えるとされています。

  • 2016年 グッドイヤーがラーベンタイヤを買収
  • 2016年 横浜ゴムがアライアンスタイヤグループを買収
  • 2017年 グッドイヤーが自動タイヤ検査技術を持つベンテック・システムズを買収
  • 2017年 住友ゴム工業がDUNLOPブランドのスポーツ用品事業とライセンス事業を買収
  • 2017年 住友ゴム工業はイギリスのタイヤ販売会社Micheldeverを買収
  • 2018年 ミシュランがOTRタイヤの製造・販売を行うカムソを買収
  • 2018年 コンチネンタルがカトラインの自動車部門を買収
  • 2018年 ハンコックがモデルソリューションを買収
  • 2019年 ミシュランがマスターノートを買収
  • 2019年 ミシュランがインドネシアのマルチストラーダーを買収
  • 2021年 ブリヂストンがオーストラリアでOTR事業を行うOtracoを買収
  • 2021年 ブリヂストンがAzugaを428億円で買収
  • 2021年 グッドイヤーがクーパーを買収
  • 2021年 アポロが三菱ケミカルの結晶質アルミナ繊維事業を買収
  • 2023年 ミシュランがフレックス・コンポジットを買収
  • 2023年 ピレリがブラジルの天然ゴム加工会社であるヘベアテックを買収
  • 2023年 横浜ゴムがトレルボルグのWheel Systems事業を買収
  • 2024年 ハンコックがハノンシステムズを買収
  • 2024年 横浜ゴムがグッドイヤーの鉱山・建設用車両向けタイヤ事業を1400億円で買収
  • 2025年 住友ゴム工業がグッドイヤーから欧州・北米・オセアニアの四輪タイヤDUNLOP商標権を826億円で買い戻し

【会社の概要】

Michelin(ミシュラン)

ミシュランは、ミシュラン兄弟によって1889年に設立されたフランスに本拠を置く世界的なタイヤメーカーです。タイヤ業界のビッグ3の一角を占めます。世界で初めてラジアルタイヤを開発したことでも有名です。レストランガイドのミシュランガイド(レッドガイドブック)事業も展開しています。さらに詳しく

BRIDGESTONE CORPORATION(株式会社ブリヂストン)

ブリヂストンは、1930年に石橋氏が福岡にて創業した日本を代表するタイヤメーカーです。世界ビッグ3の一角です。幅広い輸送機(乗用車用、トラック・バス用、二輪車用、航空機用、建設・鉱山車両用、農業機械用)の新車及び補修用タイヤを手掛けています。米ファイアストンを傘下に保有しています。
テニス(2020年に撤退を発表)・ゴルフ・自転車等の分野でも事業を展開しています。2019年にオランダの地図大手TomTomからテレマティックス事業を約10億ドルで買収し、タイヤを通じたビッグデータの解析の強化を図っています。従来のタイヤ製造販売事業から、TaaS(タイヤアズアサービス)とよばれる事業モデルへの変革をすすめています。ゴルフボールは、1935年に国産ボールを販売して以降、現在はTOURSTAGE、Newing、Reygrande、ツアーB等のブランドで展開しています。さらに詳しく

The Goodyear Tire And Rubber Company(グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー)

グッドイヤーは、1898年に創業をした米国に本拠を置く世界的なタイヤメーカーです。世界ビッグ3の一角で、日本の住友ゴム工業と提携をしていましたが、解消しています。GOODYEAR、DUNLOP、FULDAなどのブランドで展開しています。商用トラックタイヤにも強みを持ちます。2021年にクーパー・タイヤ・アンド・ラバーを買収しました。さらに詳しく

Continental(コンチネンタル)

Continental(コンチネンタル)は、1871年に創業されたドイツのハノーヴァーに本拠を置くタイヤ・ブレーキ等の自動車部品メーカーです。シーメンスやモトローラより自動車制御関連の事業も積極的に買収しています。2008年にドイツのベアリング大手のシェフラ―を傘下にもつシェフラー家が支配株主となりました。大きくタイヤ事業と自動車部品事業に分かれます。タイヤ事業の世界シェアではミシュラン、ブリジストン、グッドイヤーのトップ3に次ぐ規模を誇っています。自動車部品メーカーにおける規模でも、ボッシュやデンソー等に匹敵する世界最大級の自動車部品メーカーです。自動車部品の中でも、ブレーキ、パワートレイン、シャーシ、インパネ、カーオーディオ、ディスプレイといった分野の世界シェアでは上位に位置しています。さらに詳しく

Sumitomo Rubber Industries, Ltd.(住友ゴム工業株式会社)

住友ゴム工業株式会社は、1909年に創業されたタイヤメーカーの世界大手です。ダンロップ、ファルケンブランドで世界展開しています。グッドイヤーとの包括提携を2015年に解消しました。テニスやゴルフといったスポーツ用品事業もダンロップブランドで展開しています。テニスボールの公式球であるダンロップFORTは有名です。ゴルフでは、ゼクシオやスリクソンブランドで事業を展開しています。2016年にスポーツ用品のダンロップブランドの商標権を英スポーツダイレクト社から買収して、更なる海外展開を図っています。さらに詳しく

Pirelli(ピレリ)

ピレリは1872年にイタリアのミラノで設立された大手タイヤメーカーです。特に、高級車向けのタイヤに強みを持ちます。また、自動車用タイヤとオートバイや自転車を含む2輪自動車用タイヤの販売を消費者のみに向けて販売するのは世界でピレリだけです。2015年には中国の中国化工集団(ケムチャイナ)が買収しました。さらに詳しく

Hankook tire(ハンコック)

ハンコックは1941年に設立された韓国の大手タイヤメーカーです。タイヤの中でも電気自動車タイヤ、乗用車タイヤ、SUVタイヤ、軽トラック用タイヤの製造、販売を行っています。ヨーロッパと北アメリカでの販売が全体の半分以上を占めています。さらに詳しく

Hankook tire(ハンコック)

ハンコックは1941年に設立された韓国の大手タイヤメーカーです。タイヤの中でも電気自動車タイヤ、乗用車タイヤ、SUVタイヤ、軽トラック用タイヤの製造、販売を行っています。ヨーロッパと北アメリカでの販売が全体の半分以上を占めています。さらに詳しく

横浜ゴムは1917年に創立されました。事業内容には乗用車用タイヤや建設車両用等のOTRタイヤの製造・販売を行うタイヤ事業があります。他にも、MB(Multiple Business)事業で工業用ホースや航空機部品やその他事業でゴルフ用品など幅広い製品を取り扱っています。さらに詳しく

Toyo Tire Corporation (トーヨータイヤ株式会社)

トーヨータイヤは1945年に設立された、兵庫県に本社を置くタイヤメーカーです。タイヤ事業にはTOYO TIRESとNITTOの2種類のブランドがあり、乗用車用、ライトトラック用、バス用などのタイヤを取り扱っています。他にも、自動車部品事業では自動車用の防振ゴム製品を取り扱っています。タイヤ事業が売上の9割以上を占めています。また、2018年には三菱商事と資本業務提携を締結しました。さらに詳しく

クムホタイヤは1946年に韓国でタクシー事業会社として誕生しました。その後1960年代にバス事業に参入しましたが、タイヤの確保が困難だったことをきっかけにタイヤ事業も行うようになりました。2014年には横浜ゴムと技術提携を締結しました。
また、クムホタイヤジャパンは1977年に設立されました。日本専用のスタッドレスタイヤの開発を行うなど、日本に合ったタイヤを開発・販売しています。さらに詳しく

APOLLO TYRES LTD(アポロ)

アポロは1972年にインドで設立されたタイヤメーカーです。現在、インドに5か所、オランダとハンガリーに1か所ずつ製造拠点を持っています。また、乗用車用、トラック・バス用、二輪車用などのタイヤを製造しています。その中でもトラック・バス用のタイヤの売上が最も大きく全体の約4割を占めています。さらに詳しく

MRF Tyres(MRFタイヤ)

MRFタイヤは1946年に設立されたインドのタイヤメーカーです。設立当初はおもちゃの風船の製造を行っていて、1952年からトレッドと呼ばれるタイヤの路面と接するゴム層の販売を開始しました。現在はタイヤ事業の他にクリケット製品の販売やおもちゃ事業、塗料の販売など様々な事業を行っています。さらに詳しく

TITAN INTERNATIONAL, INC.(タイタン)

タイタンは1993年に設立されたアメリカのオフザロードタイヤメーカーです。さらに詳しく

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