SPAC(特別買収会社)業界の世界市場シェアの分析

SPAC(特別買収会社)業界の世界市場シェア、市場規模及びSPACの仕組みについて分析しています。2020年に設立されて、上場された主要なSPACについて、SPAC設立企業、調達金額、買収対象としている業種についても掲載しています。

SPAC(特別買収会社)とは?

企業もしくは事業を買収することのみを目的として設立され、証券取引所に上場しているペーパーカンパニーです。上場時点では、売上や利益は全く計上していないので、ブランクチェック(白地手形)会社とも言われます。上場時に、将来の買収に期待している投資家から資金調達をし、上場後は通常通り証券市場で株式を売買する事が可能です。投資家から調達した資金は、買収が行われるまで信託口座で管理されます。

投資家は、SPACが事業を買収するまでに、SPACの株式を購入しても信託口座の現金以上の価値を得ることはありません。あくまで、いつかの時点でSPACが、有望な会社、例えばユニコーンといわれる成長性のあるスタートアップ等を買収し、その上場会社の株主となることを期待して、SPACの株式を購入することになります。SPACは通常、上場後2年以内に買収することを前提としており、買収できない場合は信託口座を投資家に返却することになります。SPACの場合は、IPO(上場)時の1株当りの株価は10ドルに設定する場合が多いようです。
参照:SPACに関する米国証券取引委員会(SEC)の公式記事

SPACは、大手投資ファンドの創業者や著名な元企業経営者がスポンサーとなっており、将来の買収への期待から人気が高まりつつあります。2021年に日本のソフトバンクもSPACであるSVFインベストメントの上場申請を行いました。調達額は5億ドル超を見込みます。

SPAC業界の世界市場シェア(2020年)

「最新業界別売上高世界ランキング第10巻」に記載の2020年に上場したSPAC各社の調達金額を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2020年のSPAC業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はパーシングスクエア・トンタインホールディングス、2位はチャーチル・キャピタル・コープIV、3位はフォーリィ・トラジメネ・アクイジション・コーポレーション IIとなります。

  • 1位 パーシングスクエア・トンタインホールディングス 4.8%
  • 2位 チャーチル・キャピタル・コープIV 2.5%
  • 3位 フォーリィ・トラジメネ・アクイジション・コーポレーション II 1.8%
  • 4位 ソーシャルキャピタル・ヘドソフィアホールディングスコーポレーション VI 1.4%
  • 5位 フォーリィ・トラジメネ・アクイジション・コーポレーション 1.2%
  • 6位 コーンロビンスホールディングス 1.0%
  • 7位 CCノイバーガー・プリンシパル・ホールディングスII 1.0%
  • 8位 アポロストラテジックグロースキャピタル 1.0%
  • 9位 ソーシャルキャピタル・ヘドソフィアホールディングスオーポレーション V 1.0%
  • 10位 エイジャックス 1.0%

市場規模

当サイトでは、各調査会社等の公表データを参考にし、SPAC業界の2020年の調達金額ベースの世界市場規模を830億ドルとして市場シェアを計算しております。参照にしたデータは以下の通りです。調査会社のスタティスタによると、2020年のSPAC上場による資金調達額は830億ドルです。調査会社のマーケットインサイダーによると、2020年の資金調達は730億ドル超です。⇒参照したデータの詳細情報

さらに業界に詳しくなるための書籍

主要なSPAC会社の一覧

Pershing Square Tontine(パーシングスクエアトンチン)
著名アクティビストであるBill Ackman(ビルアックマン氏)が設立したSPACです。40億ドル超の資金調達に成功しました。

Churchill Capital Corp IV(チャーチル・キャピタル・コープIV)
元シティグループ・マーケッツ&バンキング共同CEOであるMichael Klein(マイケル・クライン)氏が設立しました。電気自動車メーカーであるLucid Motors(ルーシッド・モータース)や衛星放送のDirectTV(ディレクTV)の買収が噂されています。

Foley Trasimene Acquisition Corp. II(フォーリィ・トラジメネ・アクイジション・コーポレーション II)
フィデリティ・ナショナル・ファイナンシャル会長であるBill Foley(ビル・フォーリー)氏が2020年8月に設立しました。2020年12月にプリペイド型のオンラインペイメントを展開するPaysafeとの合併を発表しました。

Social Capital Hedosophia Holdings Corp. VI(ソーシャルキャピタル・ヘドソフィアホールディングスコーポレーション VI)
ソーシャルキャピタル、マネージングパートナーのチャマット・パリハピティヤ氏やTwitterのCEOであるリチャード・コストロ氏によって2020年10月に設立されました。テック分野での買収を狙っています。

Foley Trasimene Acquisition Corp(フォーリィ・トラジメネ・アクイジション・コーポレーション)
フィデリティ・ナショナル・ファイナンシャル会長であるBill Foley(ビル・フォーリー)氏が2020年5月に設立しました。同氏はSPACのシリアルアントレプレナーです。2021年1月にブラックストーンが保有するBPOサービスプロバイダーであるAlight Solutionsとの合併を発表しました。

Cohn Robbins Holdings Corp.(コーンロビンスホールディングス)
元ゴールドマン・サックスCOO、米国家経済会議(NEC)の委員長であるゲイリー・コーン氏らが2020年9月に設立しました。

CC Neuberger Principal Holdings II(CCノイバーガー・プリンシパル・ホールディングスII)
元 Blackstone のマネージング・ディレクターであるChinh Chu氏が2020年7月に設立しました。

Apollo Strategic Growth Capital(アポロストラテジックグロースキャピタル)
投資ファンドのアポロマネジメントのSanjay Patel氏やScott Kleinman氏が2020年10月に設立しました。

Social Capital Hedosophia Holdings Corp. V (ソーシャルキャピタル・ヘドソフィアホールディングスコーポレーション V)
ソーシャルキャピタル、マネージングパートナーのチャマット・パリハピティヤ氏やTwitterのCEOであるリチャード・コストロ氏によって2020年10月に設立されました。ソーシャルレンディングのSoFiとの合併を2021年1月に発表しました。

Ajax I(エイジャックス I)
ソーシャルキャピタルのマネージングパートナーであるチャマット・パリハピティヤ氏やFacebookのエンジニアリング責任者らによって設立されました。