出版業界の世界市場シェアや市場規模について分析をしています。ベルテルスマン、ラガルデール、アシェット・リーブル等の出版社大手の動向も掲載しています。
【出版業界について】
出版業界の基本的なビジネスのフローは、作者→出版社→取次店→ 小売り(書店・コンビニ等)→ 消費者という流れです。日本の場合、取次店はトーハンと日販が2大取次店で、取次店の影響力が大きいとされています。楽天は楽天ブックス強化のために取次店準大手の大阪屋を買収しました。一方アマゾンのKindle booksを通じた電子書籍の配信によって、流通の中抜きも始まっています。
出版の流通経路
出版業界の基本的なビジネスのフローは、作者→出版社→取次店→ 小売り(書店・コンビニ等)→ 消費者という流れです。日本の場合、取次店はトーハンと日販が2大取次店で、取次店の影響力が大きいとされています。楽天は楽天ブックス強化ために取次店準大手の大阪屋を買収しました。一方アマゾンのKindle booksを通じた電子書籍の配信によって、流通の中抜きも始まっています。
さらに出版業界に詳しくなるためのおすすめ書籍と関連サイト
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日本の出版物流通システム — 取次と書店の関係から読み解く
新聞社の世界市場シェアの分析
Webメディア(検索サイト・SNS)の市場シェアと市場規模の分析
【市場シェア】
出版会社の2023年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2023年の出版業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はベルテルスマン、2位はラガルデール、3位はアシェット・リーブルとなります。
⇒参照したデータの詳細情報
出版会社の世界市場シェア(2023年)
順位 | 会社名 | 市場シェア |
---|---|---|
1位 | Bertelsmann(ベルテルスマン) | 5.84% |
2位 | Lagardère(ラガルデール) | 3.21% |
3位 | News Corporation(ニューズ・コーポレーション) | 2.13% |
4位 | John Wiley & Sons(ジョン・ワイリー・アンド・サンズ) | 1.74% |
5位 | Pearson(ピアソン) | 1.64% |
6位 | Thomson Reuters(トムソン・ロイター) | 0.65% |
7位 | RELX Group(レレックス・グループ) | 0.61% |
業界シェア1位はベルテルスマンです。ベルテルスマンの出版部門であるペンギンランダムハウスは、2023年に売上が7%増加しました。ペンギンランダムハウスは、出版社Callisto Mediaの一部事業を買収して出版ポートフォリオを拡大させ、売上が増加しました。
業界シェア2位はラガルデールです。出版物の流通を強化するために、デジタルおよびモバイルの読書形式の革新に注力しています。129,000 タイトル以上がデジタル形式で出版されており、毎年 15,000 タイトル以上の新刊がデジタル形式でリリースされています。
業界シェア3位はニューズ・コーポレーションです。調査会社Statistaのデータによると、書籍出版売上高は前年比で 10% 減少しました。年次報告書には、2023 年度の業績に影響を与えた要因として「厳しいコスト サプライ チェーンの圧力と通貨の逆風」があげられています。インフレや金利などの要因を含むより広範な経済環境も、出版事業の収益の変化に影響を与えた可能性があります。
【市場規模】
当データベースでは、出版業界の2023年の世界市場規模を929.7億ドルとしております。参考にした各種統計データは以下の通りです。
調査会社のリサーチアンドマーケッツによれば、2023年の同業界の市場規模は929.7億ドルです。2024年には959.1億ドルに達し、2024年から2028年にかけて年平均2.9%で成長し、同年には1073.3億ドルに成長すると予想しています。⇒参照したデータの詳細情報
年 | 出版業界の推定市場規模 | 成長率見込み |
---|---|---|
2023年 | 929.7億ドル | – |
2024年 | 959.1億ドル | 3.2% |
2028年 | 1073.3億ドル | 2.9% |
【M&Aの動向】
2017年 さまざまなメディアおよび事業分野にわたって事業を展開するHubert Burdaが、マルチプラットフォームメディア企業のImmediate Mediaを買収
2020年 メディアコングロマリットBertelsmannが、出版社Penguin Random Houseを買収
2021年 さまざまな業界の企業の合併、買収、および運営を専門とするPlatinum Equityが、専門教育市場向けの教育コンテンツを提供するMcGraw Hillを買収
2022年 各分野向けに専門的な情報、ソフトウェアソリューション、サービスを提供するWolters Kluwerが、不動産業界向けのコンプライアンスおよび文書生成ソフトウェア ソリューションを提供するInternational Document Servicesの買収に合意
2022年 技術系出版社のJohn Wiley & Sonsが、専門分野のビデオコンテンツを制作するXYZ Mediaを買収
2023年 出版社Penguin Random Houseが、出版社Callisto Mediaの一部事業を買収
2023年 メディアコンテンツ会社Vivendiが、出版社Editisを売却
2023年 教育分野のコンテンツを制作するPearsonが、従業員育成コンサルティングなどを手掛けるPersonnel Decisions Research Institutesを買収
2024年 さまざまな分野の専門家にビジネス情報サービスとソリューションを提供するThomson Reuters Corporationが、企業間のドキュメント手続きやドキュメントのデジタル化などのソリューションを提供するPageroを買収
2024年 出版社である講談社が、同じく出版社であるワニブックスを買収
【会社の概要】
ベルテルスマン(Bertelsmann)
Bertelsmann(ベルテルスマン)は、1835年にカール・ベルテルスマン氏によって設立されたドイツに本拠をおくメディアコングロマリットです。ベルテルスマン財団と中興の祖であるヨハネス・モーン氏系のモーン家が支配する未上場です。テレビ事業はRTL Group、出版事業はランダムハウス(Random House)とグルナー・ヤール(Gruner + Jahr)、音楽レーベルのBMG、印刷のBertelsmann Printing、オンライン教育を手掛けています。2020年にグルナー・ヤール傘下のPrisma Media(プリズマ・メディア)をビベンディへ売却しました。さらに詳しく
ラガルデール (Lagardère)
フランスに本拠をおく出版とデューティーフリーショップ事業を展開する会社です。元々はラジオ、テレビ等のメディアやスポーツクラブの運営も行っていましたが、事業の選択と集中を図っています。出版の中核はアシェット・リーブル(Hachette Livre)です。
ニューズ・コーポレーション
ニュース、デジタル不動産、書籍出版、サブスクリプション ビデオ サービスに重点を置いた、多角的なグローバル メディアおよび情報サービス企業として事業を展開しています。
ジョン・ワイリー・アンド・サンズ
印刷形式とデジタル形式の両方で研究出版、教育出版、専門能力開発ソリューションに重点を置いたグローバル ナレッジ カンパニーとして事業を展開しています。
ピアソン(Pearson)
英国に本拠を置く世界最大級の出版会社でしたが、紙媒体である出版関連事業については順次売却しており、現在はデジタル教育やアセスメント(オンライン試験)に注力しております。取扱いメディアの中にはエコノミスト(economist)は、イタリアの投資会社であるエクソールへ売却、またM&A情報で有名なMergermarketを投資会社のBC Partnersへ、Penguin Random Houseの持分も独ベルテルスマンへ、世界最大級の経済新聞であるFinancial Times(フィナンシャルタイムズ)は日経新聞へ売却をしました。辞書で有名なロングマンは引き続き保有しております。
トムソン・ロイター(Thomson Reuters)
2008年にカナダに本拠を置くトムソンと英国に本拠を置くロイターが経営統合をして誕生しました。カナダのトムソン一族の持ち株会社The Woodbridge Companyが主要株主です。金融情報端末分野でも世界大手です。
レックス・グループ(RELX Group)
1993年に蘭エルゼビア(Elsevier)と英リード・ビジネス(Reed Business)が合併して誕生しました。ビジネス・法律・科学・医学の分野でデータベースや出版事業を展開しています。傘下に法令関連のサービスを提供するレクシスネクシス(LexisNexis)があります。リード・エルゼビア(Reed Elsevier)からレックス・グループへ社名変更しております。
ヴォルタース・クルーワー(Wolters Kluwer)
オランダに本拠を置く大手メディア・出版会社です。ヘルス、税務・会計、ファイナンス、コンプライアンス、法務に関するメディアや書籍を提供しています。
グルーポ・プラネタ(Grupo Planeta)
スペイン・バルセロナに本拠を置くメディア大手です。子会社に大手出版社のEditorial Planetaを有しております。非上場会社です。
パラマウントグループ(旧バイアコム(Viacom))
ViacomCBS(バイアコムCBS)は米国に本拠をおくメディア大手です。米国のキー局であるCBSテレビ、ケーブルテレビ、映画制作大手のParamount Pictures(パラマウント・ピクチャーズ)、出版のSimon & Schuster(サイモン&シュスター)が主要な事業となります。2020年にベルテルスマン傘下のペンギンランダムハウスへのサイモン&シュスターの売却を発表しました。さらに詳しく
マグロウヒル・エデュケーション(McGraw-Hill Education)
格付け会社のStandard & Poor’s や株主指標のS&P Dow Jones Indicesを保有する McGraw-Hill から分社化された出版大手です。創業は1888年となります。投資会社のApollo Global Management傘下に入った後、アダプティブラーニングのALEKSを買収する等してデジタルシフトを図っています。2021年にプラチナエクイティが買収をしました。なお、McGraw-Hillは金融サービスに特化しS&Pグローバルとして上場しました。
鳳凰出版(Phoenix Publishing & Media Group)
1953年に設立された中国を代表する出版会社です。ブックストア及び印刷事業も展開しております。上海証券取引所に上場しています。
中南出版(China South Publishing & Media)
中国湖南省に本拠を置く出版会社です。湖南省政府系です。上海証券取引所に上場しています。
KADOKAWA
1945年に設立された角川書店を源流とする出版・映像会社です。2003年にホールディング化しメディア事業を強化していく中で、2014年に動画配信サービスのドワンゴと経営統合をしました。現在は、出版・映像・ゲーム事業などを主軸にしています。
集英社
1926年に相賀武夫氏によって設立された出版会社です。出自が小学館の娯楽誌ということもあり、現在でも小学館グループに属しています。
講談社
1909年に野間清治氏によって設立された出版会社です。書籍、雑誌やコミックなどを幅広く取り扱います。
参照したデータの詳細情報について
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