市場調査業界の世界市場シェアの分析

市場調査業界の世界シェアと市場規模の情報を分析しています。ニールセン、アイキュービア、カンター、ガートナー、イプソス、GfKといった市場調査大手の概要と動向も掲載しています。

市場調査業界の世界市場シェア

市場調査会社各社の2020年の売上高(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、後述する市場規模の情報を分母にして、2020年の市場調査業界の世界市場シェアを計算しています。市場調査会社の世界シェア1位はニールセンの8.38%、2位はアイキュービアの6.62%、3位はカンターの4.92%となります。

  • 1位 ニールセン 8.38%
  • 2位 アイキュービア 6.62%
  • 3位 カンター 4.92%
  • 4位 ガートナー 4.86%
  • 5位 イプソス 2.92%
  • 6位 GfK 2.16%
  • 7位 IRI 1.08%
  • 8位 インテージ 0.85%

市場調査業界では、個人データ保護に関する法律の強化やメディアのデジタル化の流れもあり、近年再編が相次いでいます。ニールセンは、小売データ調査を得意とするニールセンIQをアドベントに売却し、ベインキャピタルは市場調査大手のカンターをWPPから買収しました。GfKも2016年以降KKR傘下でデジタル事業を強化させています。アイキュービアはQuintilesIMSから社名を変更し、よりヘルスケア関連の調査へ事業を集中させています。投資ファンド傘下にある企業は、今後の業界再編の雷管とも言えます。なお、売上高については、一部の会社について入手できる情報が限定的であり、別年度のものを用いています。

市場規模

当サイトでは、以下の各種統計データを参考にし、2020年の市場調査業界の市場規模を740億ドルとしています。調査会社のリサーチアンドマーケットによると、2020年の同業界の市場規模は740億ドルです。2019年は758億ドルです。2023年にかけて年平均4%の成長を見込みます。

参照したデータの詳細情報

市場規模
(億ドル)
前年成長率
2020740-2.37%
2019758n/a
市場調査業界の市場規模推移©ディールラボ

業界のM&A

2016年 KKRがGfK買収
2018年 イプソスがGfKの一部事業を買収
2019年 ベインキャピタルがカンターの60%をWPPから買収
2020年 アドベントがニールセンIQを買収

市場調査業界のM&Aに関する売上高マルチプル(企業価値を買収の直近の売上高で割った値)は概ね1倍前後です。

市場調査業界の企業価値/売上高マルチプル
市場調査業界の企業価値/売上高マルチプル©ディールラボ

市場調査会社の概要と動向

Nielsen(ニールセン)

米国に本拠を置く市場調査会社です。テレビなどのマスメディアでの視聴率調査に強みがあります。近年はデジタルメディアでの消費者動向の調査に力を入れていますが、この分野はグーグルアナリティクスなどとも競合します。2020年に小売データ調査のNielsenIQをアドベントへ売却しました。

Kantar(カンター)

イギリスに本拠をおく市場調査会社です。広告代理店大手であるWPPによって1992年に設立されました。100カ国以上で消費者向けの各種調査を行っています。WPPの負債削減やEUが制定したGDPR(データ保護法)といった個人データへの規制強化に対応するために、2019年にベインキャピタルに持分の60%を売却しました。
WPPについて

WPPは世界最大級の広告代理店会社です。2020年度の売上高は120億ポンドとなっています。広告代理店業界の売上高市場シェアでは、世界最大となっています。

7事業本部体制によって、クライアントである企業のマーケティング領域のカバーを行なっています。ただし、近年、グーグルやフェイスブックなどの、広告代理店を介在させないオンラインにおける巨大メディア・媒体が誕生し、従来得意としていた新聞やテレビなどの媒体の比率が低下してきています。さらに、コンサルティング会社が、デジタル技術を用いて、広告における上流工程であるコミュニケーション戦略やデジタルマーケティングなどに進出しており、データの分析からマーケティングを構築する手法で、広告代理店との競合が増しています。

事実上の創業は、Martin Sorrell(マーティン・ソレル)卿が、Wire and Plastic Products(WPP)を1985年に買収してからとなります。以降急速に広告業界で頭角を示し、総従業員数13万人、世界112カ国にまたがる広告帝国を1代で作り上げています。

グループ会社には、ジェイ・ウォルター・トンプソン(JWT)、GREY(グレイ)、ヤング・アンド・ルビカム、およびPR会社のヒル・アンド・ノウルトン、バーソン・コーン&ウルフ、企業ブランディング・デザインのランドーアソシエイツ、またメディアプランニング会社Mindshare、Mediacom等の持ち株会社であるGroupMがあります。
グループ内再編を積極的に行っており、2018年には、ヤング・アンド・ルビカムとデジタルエージェンシーのVMLを合併させて、VMLY&Rを設立しています。
同じく、2018年にOgilvy & Mather(オグルヴィ・アンド・メイザー)がオグルヴィへと社名変更しています。
ジェイ・ウォルター・トンプソンとワンダーマンが経営統合して、ワンダーマン・トンプソンが誕生しています。
PR会社の分野では、バーソン・マーステラとコーン&ウルフが合併し、世界3位のPR会社である「バーソン・コーン&ウルフ」が誕生しています。
売上のうちVMLY&R、ワンダーマントンプソン、カンタールで収益全体の4割を占めていますWPPのグループのグループ会社一覧は下記の通りとなりますが、グループ会社は多岐にわたります。マーケティングリサーチのKantar Group(カンタール・グループ)は2020年ベインキャピタルへ売却しました。

WPPグループ会社

WPPグループ会社
出所:同社

グローバルインテグレーテッドエージェンシーが最大の売上となっています。

20202019
売上合計9,76210,847
Global Integrated Agencies7,3198,108
Public Relations854898
Specialist Agencies1,5891,841
WPPパススルー経費控除後の売上高推移(百万ポンド)©ディールラボ
Harris Associates LP 5.95%
Massachusetts Financial Services Co. 3.98%
Miller Value Partners LLC 3.62%
Schroder Investment Management Ltd. 2.58%
Norges Bank Investment Management 2.48%
The Vanguard Group, Inc. 2.41%
Jupiter Asset Management Ltd. 1.93%
BlackRock Investment Management (UK) Ltd. 1.89%
First Eagle Investment Management LLC 1.62%
BlackRock Advisors (UK) Ltd. 1.30%

筆頭株主であるハリス・アソシエイツはアクティビスト・ファンドで、デジタル広告の取り込みなどWPPの経営陣へのプレッシャーをかけています。

IQVIA(アイキュービア)

1982年に設立されたヘルスケア関連の調査に強みを持つQuintilesを前身とする会社です。2017年にQuintilesIMSから社名変更をしました。臨床施設と連携しながら製薬企業などに患者の同意を得たうえで、新薬の臨床試験データの調査などを行っています。

Ipsos(イプソス)

1975年に設立されたフランスに本拠を置く市場調査会社です。マーケティング調査、製品、ブランド、顧客満足度、世論調査などの調査サービスを提供しています。2018年にGfKよりカスタマーエクスペリエンや世論調査などの事業を買収しました。

GfK

1934年に設立されたドイツに本拠を置く市場調査会社です。デジタル事業への強化を図るために2016年にKKRが買収しました。

Gartner(ガートナー)

1979年に設立されたIT分野に強い市場調査会社です。調査をベースとしたアドバイザリやコンサルティング業務も展開しています。

インテージ

1960年に株式会社社会調査研究所として設立された日本を代表する市場調査会社です。

参照したデータの詳細情報について


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