インフライトエンターテイメント(航空機内エンターテイメント)業界の世界市場シェアと市場規模を分析しています。業界大手企業であるパナソニックアビオニクス、タレス、グローバルイーグルエンターテイメント、ゴーゴー、サフラン、ハネウェルの動向も掲載しております。
【インフライトエンターテイメントシステムとは】
インフライトエンターテイメントは、英語では、In-flight entertainmentとなります。飛行機の機内で、座席前方に設置されたディスプレイを通じて、インターネットへの接続、オンデマンドの動画、音楽、ゲーム、ニュース、フライト情報等を提供する会社の総称です。インフライトエンターテイメント業界に属する会社は、ディスプレイ、電子機器、接続アンテナの製造やシステム構築、衛星通信への接続サポート等を行っています。類義業界にアビオニクスがありますが、アビオニクスは飛行機の電子機器やシステム構築全般となり、インフライトエンターテイメントも含むより広義の業界となります。
【市場シェア】
インフライトエンターテイメント各社の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2021年の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はタレス、2位はパナソニックアビオニクス、3位はハネウェルとなります。(⇒参照したデータの詳細情報)
インフライトエンターテイメント会社の世界市場シェアと業界ランキング(2021年)
順位 | 会社名 | 市場シェア |
---|---|---|
1位 | タレス | 40.0% |
2位 | パナソニックアビオニクス | 17.5% |
3位 | ハネウェル | 16.3% |
4位 | サフラン | 8.7% |
5位 | ゴーゴー | 5.0% |
【市場規模】
当データベースでは、各調査会社等の公表データを参考にし、インフライトエンターテイメント業界の2021年の世界市場規模を52億ドルとしております。
調査会社のグランドビューリサーチによると、2021年、2020年と2019年の同市場規模は、52億ドル、66億ドルと59億ドルとなります。2030年にかけて9%で成長することを見込みます。
調査会社のフォーチュンビジネスインサイツによると、2019年のインフライトエンターテイメント業界の市場規模は57.1億ドルです。2027年までに年平均9.76%の成長を見込みます。
調査会社のマーケッツアンドマーケッツによると、2018年の同市場規模は50.3億ドルです。2023年までに8.72%の成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報
年 | 市場規模 | 成長率見込み |
---|---|---|
2021年 | 52億ドル | 9% |
2020年 | 66億ドル | 9.5% |
2019年 | 57~59億ドル | 9.76% |
2018年 | 50.3億ドル | 8.72% |
成長率は、各都市の市場規模の推定時点の見込み
さらに業界に詳しくなるためのお薦め書籍と関連書籍
いちから始めるAvionics lesson
航空機部品業界の世界市場シェアの分析
旅客機・航空機・リージョナルジェットメーカーの世界市場シェアの分析
輸送機器業界でM&Aや再編対象となる会社の分析
【会社の概要】
Global Eagle Entertainment (グローバルイーグルエンターテイメント)
米国に本拠をおく飛行機や船等向けに、衛星通信を通じて、インターネット接続、エンターテイメントやデータを等のコンテンツを配信する機器やサービスを提供しています。2020年にチャプター11を申請し、2021年にアポログローバルマネジメント等がスポンサーとなりました。
Gogo(ゴーゴー)
米国に本拠をおく航空機向けにブロードバンド接続によって、機内エンターテイメントやデータ通信を可能とする製品とサービスを提供する会社です。ターボプロップから大型機まで対応できるシステムに強みがあります。
Lufthansa Systems(ルフトハンザシステムズ)
ルフトハンザは欧州を代表するエアライン会社です。子会社のルフトハンザシステムズが機内エンターテイメントを提供しています。
ルフトハンザ航空
ルフトハンザ航空は、1926年に設立されたドイツ最大の航空会社です。大戦を経て東西ドイツへ分割された時期もありますが、東西ドイツ統一時に東ドイツの事業を引き継ぎました。1994の民営化後は、スイス航空やオーストリア航空を買収して規模を拡大させています。さらに詳しく
サフラン
Safran S.A (サフラン)はフランスに本拠を置く防衛・通信大手企業です。傘下のSnecma(スネクマ)にて民間及び軍用の航空機エンジンの製造を行っています。ナローボディー機ではGEと手を組んでいます。2018年に機内エンターテイメント、シート、機内食機器に強いゾディアックを買収しました。
ハネウェル
ハネウェル(Honeywell)は1886年に設立された米国に本拠を置く複合企業です。航空機エンジンや電子制御機器、自動化機器、特殊素材分野、自動車部品等幅広く展開しています。ビルディング・オートメーションやターボチャージャーの分野では世界大手の1社です。2017年にターボチャージャー事業と住宅向け空調機器、火災報知器事業を分社化しました。さらに詳しく
タレス
タレス(Thales )は、フランスに本拠を置く防衛・重電メーカーです。前身はThomson-CSF社で、現在は航空関連の電子サービス(Flight avionics)、衛星、鉄道信号、マイクロ波、防衛セキュリティ、本人認証サービス等の分野を手掛けています。航空機部品は、ハネウェルやコリンズエアロスペースが競合会社です。エアバス、ATR、ベル、ボーイング、ボンバルディア、ダッソーアビエーション、エンブラエル、ガルフストリーム、レオナルド等へ販売をしています。機内エンターテイメント事業にも強く、グローバルイーグルエンターテイメント、ゴーゴー、パナソニック アビオニクスやゾディアック インフライト イノベーションズ(サフラングループ)と競合しています。マイクロ波およびイメージングサブシステムでは、Varian Medical Systems、CPIやL3Harrisと競合しています。2021年に日立に鉄道信号事業を売却しました。さらに詳しく
パナソニック
パナソニックは、1917年に松下幸之助氏によって設立された日本を代表する電機メーカーです。松下電工や三洋電機と統合し、総合電機メーカーとして世界的なプレゼンスを有します。アプライアンス(家電、空調、AV機器、累計2000億個を売り上げた約90年の歴史を持つ電池等)、オートモーティブ(蓄電池、音響機器等)、インダストリアル(電池やモーター等)、ライフソリューション(照明や水まわり等)、コネクティッドソリューションズ(フライトエンターテイメント、航空機向け電子機器、監視カメラ等)といった事業部制に特徴がありましたが、2022年にパナソニックホールディングスを設立し、事業部はホールディング傘下の独立した子会社となりました。さらに詳しく
参照したデータの詳細情報について
コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。既に会員の方はログインすると閲覧できます。まだ会員登録がお済みでない方は、こちらから会員登録ができます。