金やゴールド採掘業界の世界市場シェアの分析

金やゴールド採掘生産会社の生産量ベースの世界市場シェアや市場規模について分析をしております。バリックゴールド 、ニューモント・マイニング、アングロゴールド・アシャンティ、ポリュス・ゴールド、紫金鉱業といった金採掘生産会社の世界大手の動向も掲載しております。

市場シェア

金鉱山開発運営会社の2021年度の生産量を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2021年のゴールド・金業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位 はニューモント・マイニング、2位はバリックゴールド、3位はポリュス・ゴールドとなります。⇒参照したデータの詳細情報

金ゴールド会社の世界シェア(2021年)

順位会社名市場シェア
1位ニューモント・マイニング5.10%
2位バリックゴールド3.76%
3位ポリュス・ゴールド2.32%
4位ゴールド・フィールズ2.00%
5位アグニコイーグル1.79%
6位キンロス・ゴールド1.77%
7位ポリメタル・インターナショナル1.43%
8位フリーポート・マクモラン1.18%
9位アングロゴールド・アシャンティ1.09%
10位紫金鉱業1.03%
(参考)住友金属鉱山0.50%
金ゴールド会社の世界シェア(2021年) ©ディールラボ
金・ゴールド業界の世界シェア(2021年)
金・ゴールド業界の世界シェア(2021年)

2021年の世界シェア1位はニューモント・マイニングとなりました。ゴールドコープの買収が大きく寄与しました。2位はカナダに本拠を置くバリックゴールドです。3位にはノリリスク・ニッケル傘下のポリュスゴールドです。前年3位だった、アングロアメリカを源流とする南アフリカのアングロゴールド・アシャンティは9位となっています。日本の金最大手で菱刈鉱山を保有する住友金属鉱山は市場シェアでは0.5%程度です。

【市場規模】

当サイトでは、2021年の金業界の市場規模を年間の採掘生産量である117百万オンス(3304トン)としております。参照した情報は以下の通りです。

ワールドゴールドカウンシルによると2021年の金の採掘量は3304トンです。
金鉱山開発大手のポリメタルによると2019年の金の採掘量は3464トン、2020年は3401トンです。国別では中国、ロシア、オーストラリア、米国の順となっております。⇒参照したデータの詳細情報

採掘量前年成長率
20213304トン-2.86%
20203401トン– 4%
20193464トンN/A
金の採掘量推移©ディールラボ


ワールドゴールドカウンシルによれば、2008年から2017年の年間平均の金の需要量は4282トンです。約52%が宝石や装飾品として利用されます。27%が金の延べ棒として取引されます。その他は、産業用途(基板のメッキなど)9%、中央銀行8%、ETF3%となります。

金の用途
金の用途 出所 ワールドゴールドカウンシル

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金の価格の動向

金は、古来より貨幣もしくは貨幣の代替として利用されてきた経緯があり、インフレへのヘッジという金融商品としての側面も併せ持ちます。たとえば、下記金/ドルのチャートでは、2019年後半から2020年中盤までの上昇は、コロナ禍による資産価格下落や金融緩和政策によるインフレ誘導政策へのヘッジから金が買われていったことが伺えます。

2022年に入るとインフレヘッジとしての金に脚光があたり、強含んでいます。

【会社の概要】

Barrick Gold(バリックゴールド)

カナダに本拠を置く金の生産世界大手会社です。過去買収を通じて成長しています。2019年に同業のRandgold Resources(ランドゴールドリソーシーズ)を買収しました。ニューヨーク証券取引所に上場しています。

Newmont Mining(ニューモント・マイニング)

米国に本拠を置く世界最大級の金鉱山の運営会社です。他の金属資源は売却し、金に集中投資しています。2019年に同業のゴールドコープを100億ドルで買収しました。世界最大の金鉱山であるNevada Gold Mines(ネバダゴールド金山)をバリックゴールドと共同運営しています。2019年の金生産量は195.7トンです。ニューヨーク証券取引所に上場しています。2019年にカナダのGoldcorp(ゴールドコープ)を買収しました。

AngloGold Ashanti(アングロゴールド・アシャンティ)

南アフリカの本拠を置く金の産金企業大手です。2004年にアングロゴールドとアシャンティ社の合併により誕生しました。Anglo American(アングロ・アメリカン)のグループからは独立しています。世界9か国で17の金鉱山を運営しています。

Kinross Gold(キンロス・ゴールド)

カナダに本拠を置く金生産大手です。カナダ、北米以外にもブラジル、チリ、ガーナ、モーリタニア、ロシアで鉱山を運営しています・

Navoi(ナヴォイ)

ウズベキスタンの国営企業です。ウランと金の生産量ではトップクラスです。

Newcrest Mining(ニュークレスト・マイニング)

豪州最大級の金の生産会社です。BHPグループとニューモントの豪州金事業が統合して誕生しました。4か国で金鉱山を運営します。金の埋蔵量では世界最大級です。

Gold Fields(ゴールド・フィールズ)

南アフリカに本拠を置く産金大手です。オーストラリア、ガーナ、ペルー、南アフリカで8か所の金鉱山を運営します。

Polyus Gold(ポリュス・ゴールド)

ロシアに本拠を置く産金大手です。ニッケル大手のNorilsk Nickel(ノリリスク・ニッケル)傘下です。東シベリア等の鉱山を運営し、ロシアでは最大の金産出量を誇ります。

Agnico Eagle(アグニコイーグル)

カナダに本拠をおく金鉱山開発会社です。カナダ、フィンランド、メキシコの金鉱山を保有し開発を行っています。2022年に同業のKirkland Lake Goldと経営統合をしました。

Shandong Gold Mining(山東黄金鉱業)

中国の山東省傘下の金生産会社です。カナダのTMACリソーシーズ買収ではカナダ政府からの承認が得られませんでした。2025年までに金生産企業で世界トップ5入りを目指すことを表明しています。

紫金鉱業

Zijin Mining Group(ツージンマイニング、紫金鉱業)は中国に本拠を置く産金・鉱山開発大手です。金などの鉱物資源の探査、採掘、精製、販売を手掛けています。金以外には銅、鉛、亜鉛、タングステン、鉄等の採掘を行っています。

その他中国には、国営の黄金集団(China National Gold Group)傘下の中金黄金(Zhongjin Gold Corp)や招金鉱業(Zhaojin Mining Industry)が大手です。

参照したデータの詳細情報について


参照したデータは以下の通りです。リンク切れなどありましたら、お問い合わせのページからご連絡頂けますと大変有難く存じます。

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参照した市場規模の情報

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