エアライン・航空業界の世界市場シェアと市場規模の情報について分析をしております。デルタ、アメリカン、ユナイテッド、JAL、ANA、中国系3社(中国南方、東方、エアチャイナ)、LCC(ライアン、イージージェット)といった大手エアライン会社の概要も掲載しています。
【航空・エアライン・空運業界とは】
世界のエアライン・航空業界は、新型コロナの影響を受け、2020年から2021年における企業収益が低迷していました。2020年は南米最大手の航空会社であるLATAM航空会社、南米第2位のアビアンカ航空、タイ航空、フィリピン航空等の破綻が相次ぎましが、経済活動が復帰するにつれて、生き残った各航空会社の業績も向上しています。航空業界は旅客輸送と、貨物輸送における事業を行っていますが、旅客収益が向上するにつれて、全体収益のバランスも取れるようになります。
エアライン・航空業界の各社の再編
LCCの増加を受けて、下図の通り、直近でも2018年にAlaska Airlines(アラスカ航空)がVirgin America(ヴァージン・アメリカ)を約26億ドルで買収や2015年のアメリカン航空がUSエアウェイズとの経営統合等、再編が相次いでいます。

出所:アボロン
またコロナの影響をうけ。2020年は南米最大手の航空会社であるLATAM航空会社、南米第2位のアビアンカ航空、タイ航空、フィリピン航空等の破綻が相次ぎました。
さらに業界に詳しくなるためのお薦め書籍と関連サイト
航空会社 驚きのウラ事情
エアライン GUIDE BOOK 最新改訂版
ダウ・ジョーンズ輸送株平均
【エアライン・航空業界の世界市場シェア+ランキング】
エアライン・航空業界の2023年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2023年のエアライン業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はデルタ・エアラインズ、2位はユナイテッド・エアラインズ、3位はアメリカン・エアラインズとなります。
順位 | Company name(English) | 会社名 | 市場シェア |
---|---|---|---|
1位 | Delta Airlines | デルタ航空 | 9.73% |
2位 | United Airlines | ユナイテッド航空 | 9.55% |
3位 | American Airlines | アメリカン航空 | 9.39% |
4位 | Lufthansa | ルフトハンザ航空 | 6.68% |
5位 | Air France KLM | エールフランスKLM | 5.66% |
6位 | British Airways | ブリティッシュ・エアウェイズ、IAG | 5.55% |
7位 | Southwest Airlines | サウスウェスト航空 | 4.64% |
8位 | China Southern Airlines | 中国南方航空 | 3.97% |
9位 | Air China Limited | 中国国際空港 | 3.51% |
10位 | Singapore Airlines | シンガポール航空 | 3.38% |
11位 | China Eastern Airlines | 中国東方航空 | 2.83% |
12位 | ALL NIPPON AIRWAYS CO., LTD. | ANA、全日本空輸株式会社 | 2.54% |
13位 | Cathay Pacific | キャセイパシフィック航空 | 2.18% |
14位 | Japan Airlines. | JAL、日本航空株式会社 | 1.95% |
-1.png)
1位のデルタ航空、2位のユナイテッド航空、3位のアメリカン航空はいずれもアメリカの航空会社です。
4位のドイツ最大の航空会社であるルフトハンザ航空は近年規模を拡大しています。
5位のエールフランスKLMはフランスとオランダの航空会社が経営統合して誕生しました。
日本の航空会社であるANAは12位、JALは14位となりました。
【エアライン・航空業界の世界市場規模】
当データベースでは、エアライン・航空業界の2023年の世界市場規模を5624億ドルとしております。参考した各種調査データは以下の通りです。
調査会社スフェリカル・インサイツによると、2023年のエアライン・航空業界の市場規模は5624億ドルです。2023年から2033年にかけて年平均3.23%で成長し、同年には7727億ドルへと拡大すると予想しています。⇒参照したデータの詳細情報
年 | 市場規模 | 成長率見込み |
---|---|---|
2023年 | 5624億ドル | – |
2033年 | 7727億ドル | 3.23% |

エアライン会社の前年比売上高減少ランキング(2019年度と2020年度の比較)
世界市場シェア上位エアライン各社の売上高減少率を2020年度と2019年度の売上高で比較すると、1位はシンガポール航空、2位はブリティッシュ・エアウェイズ、3位はJALとなります。シンガポール、イギリスともに国際便のハブ空港なので、海外移動が制限されている影響を最も強く受けた形になります。

【M&Aの動向】
2016年 ルフトハンザ航空がブリュッセル航空を買収
2021年 キャセイパシフィック航空が香港エクスプレス航空の買収を完了
2024年 サウスウエスト航空がSAFFire Renewablesを買収
【会社の概要】
Delta Air Line (デルタ・エアラインズ)
デルタ航空は、1924年に設立された米国大手航空会社です。アトランタを拠点とし、自社便および提携便を含め世界中へのネットワークで定期旅客便の運航と貨物輸送サービスを展開しています。同社はスカイチームの創立メンバーです。2008年に当時同じくチャプター11を申請していたノースウェスト航空と経営統合をして、現在のデルタが誕生しています。 アジアでは中国東方航空と大韓航空と提携しています。さらに詳しく
United Airlines (ユナイテッド・エアラインズ)
United Airlines Holdings(ユナイテッドエアラインズホールディングス)は、2010年にユナイテッドエアラインズとコンチネンタルエアラインズが経営統合を行い誕生しました。ハブ空港はシカゴ・オヘア国際空港です。旧ユナイテッド・エアライアンズは、元々は航空機製造大手のボーイングの輸送部門が分社化して誕生したボーイング・エアー・トランスポートが発祥です。スターアライアンスメンバーです。さらに詳しく
American Airlines (アメリカン・エアラインズ)
アメリカン航空は1930に設立された航空会社です。ハブ空港はダラス/フォートワースです。2011年にチャプター11を申請し経営破たん、2012年に北米大手のUSエアウェイズと経営統合を果たし再上場しました。ワンワールドに属しています。さらに詳しく
Lufthansa (ルフトハンザ)
ルフトハンザ航空は、1926年に設立されたドイツ最大の航空会社です。大戦を経て東西ドイツへ分割された時期もありますが、東西ドイツ統一時に東ドイツの事業を引き継ぎました。1994の民営化後は、スイス航空やオーストリア航空を買収して規模を拡大させています。さらに詳しく
Air France KLM (エールフランスKLM)
2004年にフランスのエールフランスとオランダのKLMが経営統合して誕生しました。シャルル・ド・ゴール空港とスキポール空港をハブ空港としています。マイレージプログラムは、Flying Blue(フライング・ブルー)です。スカイチームの中核の航空会社です。
British Airways(ブリティッシュ・エアウェイズ)
イギリスを代表する航空会社。ロンドンのヒースロー空港を拠点とします。スペインのイベリア航空と経営統合を行い、持ち株会社であるインターナショナル・エアラインズ・グループを設立しました。ワンワールドの中核の1社です。
Southwest Airlines(サウスウェスト航空)
サウスウェスト航空はテキサス州のダラスを本拠地とする米国の大手格安航空会社です。
China Southern Airlines (中国南方航空)
中国南方航空は中国最大の航空会社です。スカイチームに属しています。ハブ空港は北京首都国際空港や広州白雲国際空港です。
Air China Limited (エアチャイナ、中国国際空港)
1988年 に中国民航の北京管理局と中華人民共和国と海外を結ぶ国際線を引き継いで誕生しました。中国3大エアライン会社の1角です。スターアライアンス内では、第2位の搭乗者数を誇ります。
China Eastern Airlines(中国東方航空)
中華人民共和国の航空会社です。1988年に分割解体された中国民用航空総局(CAAC)の上海管理局を引き継いで誕生しました。東方航空、南方航空ともに、スカイチームに所属し、搭乗者数で競っています。
Cathay Pacific Airways Ltd. (キャセイパシフィック航空)
ジャーディン・マセソンと並び清朝時代から香港への投資を行っていたスワイヤー(Swire)家が支配する航空会社です。香港国際空港をハブとします。スワイヤーグループは、現在でも不動産(スワイヤプロパティーズ(太古地産))や運輸で多くの事業をアジアで展開しています。スワイヤー家は香港上海銀行の大株主でもあります。ワンワールドに属しています。
Singapore Airlines(シンガポール航空)
シンガポール航空はシンガポールのチャンギ国際空港を拠点とする航空会社です。シルクエアーやスクートなどの航空会社と提携しています。
JALとANA
日本を代表するナショナルフラッグです。歴史的にお互いライバル意識が強いのが特徴です。JALは経営破たん後、新生JALとして勢いを盛り返しつつあります。
Ryanair (ライアンエアー)
1985年に設立されたアイルランドに本拠を置く格安航空会社。中・近距離を得意として欧州各地の地方空港に航空便を格安で運航する。アイルランドのダブリン空港がハブ。
LATAM Airlines(ラタン航空)
2012年に、チリのナショナルフラッグであったラン航空とブラジルのTAM航空が経営統合をして誕生した、南米最大の航空会社です。ラタン・ブラジルとラタン・チリが、傘下の二大エアラインです。2020年に経営破たんしました。デルタ航空とカタール航空が大株主です。
Turkish Airlines (ターキッシュ エアラインズ、トルコ航空)
トルコのナショナルフラッグ。イスタンブール・アタテュルク国際空港をハブ空港にします。中東の路線ネットワークに強みを持ちます。
Easy Jet (イージー・ジェット)
1995年にキプロス島のステリオス・ハジ=イオアヌ氏によって設立されたLCCです。ロンドン・ガトウィック空港を拠点に事業を展開しています。2007年には、ブリティッシュ・エアウェイズ傘下のGB Airwaysを買収しました。LCC業界における搭乗者数では、ライアンエアーについで2位となっています。