軟包装(フレキシブル・パッケージ)業界の世界市場シェアの分析
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軟包装(フレキシブル・パッケージ)業界の世界市場シェアの分析

軟包装(フレキシブル・パッケージ)業界の市場規模と市場シェアを分析しています。アムコア、シールド・エア、モンディ等の業界大手企業の動向も掲載しています。

【市場規模】

調査会社のアイマーク社によれば、2019年の世界の軟包装材業界市場の規模は、約1128億ドルと推計されています。

また、調査会社のウッドマッキンジーによれば、2018年は約900億ドルと推計されています。内訳は、食向けが約4割、飲料向けが約3割弱、医薬品向けが約1割強、化粧品・日用品が約1割となっております。

地域別では、アジア太平洋が最大の約35%、北米が約23%、欧州、中東、南米と続きます。

人口増、都市化、イーコマースの浸透などによって、包装業界は今後も成長が見込まれます。

包装の素材は、プラスチック、ホイル、金属、ガラス、紙などが挙げられます。

特にプラスチックは、食品・飲料包装の約50%超を占めるにもかかわらず、約14%しかリサイクルされていない。これは、紙包装のリサイクル率の70%、ガラスの50〜80%、金属の30〜90%と比較すると著しく低い比率となっています。

業界の主要企業は以下の通りとなります。各会社の世界市場シェアの計算における分母の市場規模は、900億ドルとし、分子は、軟包装(フレキシブル・パッケージ)企業の最新売上高ランキングの分析「2019年版」に記載されている2018年もしくは2019年の各会社の売上高をベースに計算を行っています。

【会社の概要】

フレキシブル・パッケージ世界シェア1位は豪州のAmcor(アムコア)7.2%

豪州に本拠を置く柔軟包装材会社です。2019年に米国に本拠を置く同業のBemis(ビーマス)と経営統合を行いました。食品、飲料、医薬品などの包装の企画、開発、制作、ソリューションサービスを提供しています。軟包装、カプセル、パウチ、プラスチック容器、ボトル、フィルム、特殊強化ダンボールなどを取り扱います。同社の2019年度の推計市場シェアは7.2%です。

2位は米国のSealed Air (シールド・エア)の3.2%

ニューヨークに上場する柔軟包装材メーカーです。食品包装事業と梱包緩衝材事業が主力です。2018年度の食品包装事業の売上高は29億ドルです。梱包緩衝材事業の売上高は18億ドルです。推計市場シェアは3.2%です。

3位は英国のMondi(モンディ)の1.5%

英国に本拠をおく包装材・製紙会社。元々は鉱山資源会社であるアングロ・アメリカンの事業部門を祖業とします。梱包用段ボール、軟包装材、カラーレーザープリンター用紙の3事業を展開しています。2018年の売上高から推計する市場シェアは1.5%です。

4位はオーストリアのConstantia Flexibles(コンスタンティア・フレキシブルズ)の1.4%

1912年創業のオーストリアに本拠を置く包装材メーカーです。食品飲料及び医薬品向けの包装材に強みを持ちます。
株主はフランスの投資会社であるWendel Groupが株式の過半を保有しています。2018年度の売上高は15億ユーロです。

5位はフィンランドのHuhtamaki(フッタマキ)の1.2%

1920年創業のフィンランドに本拠を置く食品容器・包装大手です。世界30ヵ国以上で事業を展開しています。事業は、食品容器、軟包装材、紙包装材が3本柱となっています。

その他大手のフレキシブルパッケージメーカー

ProAmpac(プロアムパック)

米国に本拠を置く軟包装材大手メーカーです。現在は米国の中堅企業への投資を得意とするPritzker Private Capitalが参画しています。

WIPAK/WINPAK(ウィパック/ウィンパック)

フィンランドに本拠を置くWihuri Group(ウィフリ・グループ)傘下の包装会社です。欧州及びアジアはWIPAKで、北米はWINPAKの社名で事業を展開しています。ウィフリ・グループは包装事業以外にも、ドイツのメトロと組んで流通・小売事業フィンランドで展開しています。航空機リースも行っています。ファミリーによる同族会社です。
WINPAKの軟包装材事業の2018年度の売上高は約434百万ユーロ、WIPAKの軟包装材事業の2018年度の売上は450百万ユーロとなっており、グループ合計で884百万ユーロとなっています。

Transcontinental(トランスコンチネンタル)


1976年に設立された北米に本拠を置く印刷・包装事業会社です。祖業は印刷ですが、近年軟包装材事業を拡大しています。紙媒体への印刷ノウハウを活かしたマーケティングサポートも行なっています。
軟包装事業の売上高は977百万ドルです。

なお、大日本印刷や凸版印刷も軟包装材事業を手掛けており、大手と推測されますが、軟包装材事業のみの情報開示が行われていないため、今回の市場シェアの計算からは外しております。

参照したデータの詳細情報について


参照したデータは以下の通りです。リンク切れなどありましたら、お問い合わせのページからご連絡頂けますと大変有難く存じます。

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