LED業界の世界市場シェアの分析

LED業界の世界市場シェアや市場規模について分析を行っています。日亜化学、オスラム、 シグニファイ 、ルミレッズといった世界大手LEDメーカーの概要や動向も掲載しています。

市場シェア

LED業界各社の2021年度の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2021年のLED業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はシグニファイ、2位は日亜化学、3位はオスラムとなります。⇒参照したデータの詳細情報

LEDメーカーの世界市場シェアと業界ランキング(2021年)

順位会社名市場シェア
1位シグニファイ5.43%
2位日亜化学5.00%
3位オスラム3.66%
4位ルミレッズ2.35%
5位ソウルセミコンダクター0.85%
6位SGH0.71%
LEDメーカーの世界市場シェアと業界ランキング(2021年)©ディールラボ

LED業界の世界シェア(2021年)
LED業界の世界シェア(2021年)

シグニファイ(旧フィリップスライティング)がオスラムと日亜化学を抜き、1位となりました。なお、サムスンも大手と言われておりますが、LED事業の売上高の開示がないため、今回のランキングからは除外しております。

市場規模

当サイトでは、各調査会社等の公表データを参考にし、LED業界の2021年の世界市場規模を555億ドルとして市場シェアを計算しております。参照にしたデータは以下の通りです。

調査会社のグランドビューリサーチによると、2021年、2020年と2019年の同業界の市場規模は、555億ドル、509億ドルと670億ドルです。2030年にかけて10.5%での成長を見込みます。

調査会社のWFMJによれば、2018年の同市場規模は518億ドルです。2024年にかけて約13.8%での成長を見込みます。

調査会社のプレサイエントストラテジックインテリジェンスによると、2019年の同市場規模は676億ドルです。2030年にかけて12.9%での成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報

ハロゲンライト、CFLライト、白熱灯と比較したときの省エネや耐久性の高さから、LEDへの需要は今後も堅調に推移すると考えられます。

市場規模と成長率をまとめると次のようになります。

推定市場規模成長率
2021年555億ドル10.5%
2020年509億ドル12.5%
2019年670億ドル~676億ドル12.9%
2018年518億ドル13.8%
LED業界の推定市場規模の推移 ©ディールラボ
成長率は予想発表時点

業界構造

LED業界は、電気を流すと白、赤や青といった光を出す化合物半導体であるLED素子メーカー、LED素子に電極等をつなぐLEDパッケージメーカー、LEDパッケージを照明やランプとして販売するLED照明メーカーが主要なプレイヤーとなります。

低い消費電力や長い寿命が特徴で、産業用照明、自動車用照明、家庭向けランプ、液晶バックライトといった用途で使用されています。

さらに業界に詳しくなるためのお薦め書籍と関連サイト

天野先生の「青色LEDの世界」 光る原理から最先端応用技術まで
図解入門 よくわかる 最新LED照明の基本と仕組み
照明・ランプ業界の世界市場シェアの分析

LED大手メーカーの動向

日亜化学

日亜化学は、徳島県に本拠を置く非上場会社です。LEDの大手メーカーです。窒化ガリウム (GaN)を用いた青色発光ダイオードの開発を世界に先駆けて実現しました。LEDパッケージ及び白色LEDでも存在感を示します。蛍光体製造で培った粉体合成技術を利用することで、正極材分野でも世界最大級です。

Osram(オスラム)

オスラムは、ドイツに本拠を置く照明・ランプ・LED素子の大手メーカーです。ドイツ大手電機メーカーのシーメンス傘下から分社化して独立しました。一般照明や産業用・自動車用LEDを展開しています。LEDについては特にLED素子に強く、他にパッケージ、照明器具の販売とLEDの全領域をカバーしています。自動車用照明(インテリジェンスライト)ではドイツのコンチネンタルと2018年に合弁会社を設立しましたが、2020年に解消しています。日本では三菱電機と提携しています。カーライル、ベインキャピタル、アドベント等を巻き込んだ2019年以降のオスラムに対する公開買付合戦の末に、現在はオーストリアに本拠を置きアナログ集積回路を手がけるamsが筆頭株主となっています。

Signify(シグニファイ)

シグニファイは、オランダに本拠を置く世界大手の家電メーカーであるPhilipsより2016年に分社化設立された照明会社です。家庭用照明・ランプの分野では世界最大手級です。フィリップは、医療機器の分野、特に画像診断領域などのヘルスケアに集中する戦略をとっています。フィリップスは、2015年にLEDチップ事業のLumileds(ルミレッズ)を中国の投資ファンドに売却を企図しましたが、失敗し、その後照明・ランプ事業をフィリップスライティング(現シグニファイ)として分社化しております。分社化後、ルミレッズを投資ファンドのアポロマネジメントへ売却しております。

Lumileds(ルミレッズ)

オランダのフィリップスとアジレント・テクノロジーの合弁会社として誕生しました。黄色、オレンジ、赤色のLED素子に強みを持ちます。2015年にフィリップスが中国の投資ファンドに売却を試みるも規制当局の承認を得られず、2016年にフィリップスはルミレッズを含む照明事業をフィリップスライティングとして分社化しました。その後2017年に投資ファンドであるアポログローバルマネジメントへ売却しております。

Smart Global Holdings(スマートグローバルホールディングス)

米国に本拠を置く人工知能や機械学習向けのコンピューターやモバイル型のメモリの開発会社です。2021年にCree LEDを買収しました。

LG Innotek(LGイノテック)

韓国に本拠を置くLGグループのLEDメーカーです。LEDチップ及びパッケージングを手掛けていますが、2020年に撤退をしました。

Everlight (エバーライト、億光電子)

台湾を代表する独立系のLEDパッケージング会社です。

Epistar(エピスター)

台湾を代表するLEDチップメーカーです。

SanAn(三安光电)

中国に本拠を置くLEDチップメーカーです。

参照したデータの詳細情報について


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