LED業界の世界市場シェアの分析

LED業界の世界市場シェアや市場規模について分析を行っています。日亜化学、オスラム、 シグニファイ 、ルミレッズといった世界大手LEDメーカーの概要や動向も掲載しています。

【LED業界とは】

LED(Light Emitting Diode)は、半導体を使用して発光する発光ダイオードです。LEDは、高い効率と長寿命を持つため、照明、ディスプレイ、計測、通信などの幅広い分野で使用されています。LED業界は、主にLED照明、LEDディスプレイ、LEDセンサー、LED通信などの分野に分かれています。LED照明は、家庭用照明、商業用照明、屋外照明などに使用されています。LEDディスプレイは、テレビ、モニター、プロジェクターなどに使用されています。LEDセンサーは、自動車、家電、医療などの分野で使用されています。LED通信は、無線通信、光ファイバー通信などに使用されています。

【市場シェア】

LED業界各社の2022年度の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2021年のLED業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はアキュイティー・ブランズ、2位は昨年1位だったシグニファイ、3位は日亜化学となります。

LEDメーカーの世界市場シェアと業界ランキング(2022年)

順位企業名(日本語)市場シェア
1アキュイティー・ブランズ5.37%
2シグニファイ3.69%
3日亜化学工業株式会社3.23%
4ams オスラム2.47%
5ルミレッズ1.69%
6ソウルセミコンダクター1.23%
7ウィプロ・エンタープライズ1.22%
8SGH0.57%
9ダイアライト0.29%
10LSIインダストリーズ0.27%

昨年1位だったシグニファイ(旧フィリップスライティング)は2位へ、2022年アキュイティー・ブランズが1位になりました。なお、サムスンやパナソニックも大手と言われておりますが、LED事業の売上高の開示がないため、今回のランキングからは除外しております。

【市場規模】

当サイトでは、各調査会社等の公表データを参考にし、LED業界の2022年の世界市場規模を709億4000万米ドルとして市場シェアを計算しております。参照にしたデータは以下の通りです。

調査会社のグランドビューリサーチによると、2022年の同業界の市場規模は、709.4億米ドルです。2023年〜2030年にかけて11%での成長を見込んでいます。

調査会社のフォーチューンビジネスインサイトによれば、2021年の同市場規模は777.9億米ドルです。2029年にかけて2640.8億米ドルに成長すると予測されています。

年平均成長率は17.6%との見込みです。

調査会社のプレサイエントストラテジックインテリジェンスによると、2022年の同市場規模は689.5億ドルです。2022年〜2030年にかけて10.5%での成長を見込みます。

LEDメーカーはWifi搭載やスマートホームでの使用などが製品の売上増加、市場の成長を促進しています。

市場規模成長率
2021555億米ドル
2022709.4億米ドル27.82%
2023787.4億米ドル11.00%
20248744億米ドル11.00%
2025970.1億米ドル11.00%
20261076.9億米ドル11.00%
20271195.3億米ドル11.00%
20281326.8億米ドル11.00%
20291472.8億米ドル11.00%
20301634.8億米ドル11.00%

【M&Aの動向】

2016年 Royal Philipsはルミレッズの株式80.1%をApollo Global Management, LLC 売却

2019年 SignifyはWiZ Connectedを買収

2019年 Signifyはアメリカ、ミネソタに拠点を置くOnce Inc.とドイツ・ベヒタに拠点を置くiLOXを買収

2019年 Signifyが中国のプロバイダー「Klite Lighting」の株式51%を取得

2020年 SignifyがCooper Lighting Solutionsを買収

2020年 amsがOSRAMと合併し、会社名をams OSRAMに改名

2021年 Signifyが英国の会社Telensa Holdings Ltd,の買収に成功

2021年 LSI Industries IncがJSI Store Fixturesを買収

2022年 SignifyがFluenceを買収

2022年 SGHがStratus Technologiesを買収

2023年 アキュイティー・ブランズはKE2 Therm Solutions, Inc.の買収に合意

【会社の概要】

日亜化学

日亜化学は、徳島県に本拠を置く非上場会社です。LEDの大手メーカーです。窒化ガリウム (GaN)を用いた青色発光ダイオードの開発を世界に先駆けて実現しました。LEDパッケージ及び白色LEDでも存在感を示します。蛍光体製造で培った粉体合成技術を利用することで、正極材分野でも世界最大級です。

Osram(オスラム)

オスラムは、ドイツに本拠を置く照明・ランプ・LED素子の大手メーカーです。ドイツ大手電機メーカーのシーメンス傘下から分社化して独立しました。一般照明や産業用・自動車用LEDを展開しています。LEDについては特にLED素子に強く、他にパッケージ、照明器具の販売とLEDの全領域をカバーしています。自動車用照明(インテリジェンスライト)ではドイツのコンチネンタルと2018年に合弁会社を設立しましたが、2020年に解消しています。日本では三菱電機と提携しています。カーライル、ベインキャピタル、アドベント等を巻き込んだ2019年以降のオスラムに対する公開買付合戦の末に、現在はオーストリアに本拠を置きアナログ集積回路を手がけるamsが筆頭株主となっています。

Signify(シグニファイ)

シグニファイは、オランダに本拠を置く世界大手の家電メーカーであるPhilipsより2016年に分社化され設立された照明会社です。家庭用照明・ランプの分野では世界最大手です。フィリップは、医療機器の分野、特に画像診断領域などのヘルスケアに集中する戦略をとっています。フィリップスは、2015年にLEDチップ事業のLumileds(ルミレッズ)を中国の投資ファンドに売却を企図しましたが、失敗し、その後照明・ランプ事業をフィリップスライティング(現シグニファイ)として分社化しております。分社化後、ルミレッズを投資ファンドのアポロマネジメントへ売却しております。

Lumileds(ルミレッズ)

オランダのフィリップスとアジレント・テクノロジーの合弁会社として誕生しました。黄色、オレンジ、赤色のLED素子に強みを持ちます。2015年にフィリップスが中国の投資ファンドに売却を試みるも規制当局の承認を得られず、2016年にフィリップスはルミレッズを含む照明事業をフィリップスライティングとして分社化しました。その後2017年に投資ファンドであるアポログローバルマネジメントへ売却しております。

Smart Global Holdings(スマートグローバルホールディングス)

米国に本拠を置く人工知能や機械学習向けのコンピューターやモバイル型のメモリの開発会社です。2021年にCree LEDを買収しました。

LG Innotek(LGイノテック)

韓国に本拠を置くLGグループのLEDメーカーです。LEDチップ及びパッケージングを手掛けていますが、2020年に撤退をしました。

Everlight (エバーライト、億光電子)

台湾を代表する独立系のLEDパッケージング会社です。

Epistar(エピスター)

台湾を代表するLEDチップメーカーです。

SanAn(三安光电)

中国に本拠を置くLEDチップメーカーです。

ACUITY BRANDS, INC(アキュイティー・ブランズ)

アメリカを拠点とする産業技術企業であり、テクノロジーを使用して空間と光のサービスを提供している会社です。

Dialight PLC(ダイアライト)

産業用アプリケーション向けのLED照明ソリューションを提供する英国会社である。

LSI Industries Inc(LSIインダストリーズ)

アメリカに本拠を置く小売店や駐車場など企業向けにサービスを提供する会社です。
照明器具やサイネージ等を取り扱っています。

Wipro Enterprises (P) Limited(ウィプロ・エンタープライズ)

インドに本拠を置く日用品や照明器具を製造販売している会社です。

参照したデータの詳細情報について


参照したデータは以下の通りです。リンク切れなどありましたら、お問い合わせのページからご連絡頂けますと大変有難く存じます。

LEDメーカーの売上高ランキング

参照した市場規模

GRAND VIEW RESEARCH

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