M&Aの対象となる産業用機器・部品メーカーの分析

建設用機器分野で今後M&Aが予想される会社

社名:Brownline
本社所在地:米国
現在の株主:メンタ・キャピタル
Brownlineは、1998年に設立されたインフラ・通信向け水平方向への掘削をする(指向性ボーリング)ための高精密なドリルの製造会社です。メンタ・キャピタルが買収しました。

社名:CQMS Razer
本社所在地:オーストラリア
買収した年:2018年
現在の株主:アメリカン・インダストリアル・パートナーズ
CQMS Razer(CQMSレーザー)は、豪州の本拠を置く鉱山オペレーターの生産効率向上のための各種装置やソフトウェアを提供する会社です。露天掘り(Surface mining)の効率化、ホイールローダーの運転効率化等に特化したサービスを展開しています。直近の売上高は約1億ドルです。アメリカン・インダストリアル・パートナーズが2018年に投資ファンドのQuadrant Private Equityから150百万豪ドルで買収しました。

社名:Moly-Cop
本社所在地:米国
買収した年:2017年
現在の株主:アメリカン・インダストリアル・パートナーズ
Molycop(モリ・コープ)は米国に本拠を置くgrinding media(粉砕媒体)メーカーです。北米、南米、豪州でサービスを提供しています。2010年に豪州の鉱山会社であるOneSteel Limited(その後Arriumへと社名変更)が、アングロ・アメリカンより買収しましたが、Arrium社が経営破たんしたため、アメリカン・インダストリアル・パートナーズが2017年に12.3億ドルで買収しました。鉄鉱石、銅、金等の粉砕工程で使用する鉱工業用粉砕媒ボール(SAG grinding balls)、ミルライナーボルト(mill liner bolts)、粉砕用棒鋼(grinding rod)、フロス浮選用化学薬品(Flotation Chemicals)のほか、豪州ではComsteelブランドで150 種を超える車輪のほか、鉄道車軸、輪軸を製造しています。カナダの電炉事業(AltaSteel)は日本の共栄製鋼に2020年4月売却を行っています。

社名:Tega Industries
本社所在地:インド
買収した年:2011年
現在の株主:TAアソシエイツ
Tega Industriesは鉱物鉱石の粉砕やサイジングに使用される耐摩耗性ミルライナーを製造販売しています。2011年にTAアソシエイツが投資しました。

農機分野で今後M&Aが予想される会社

社名:Ploeger Oxbo
本社所在地:オランダ、米国
買収した年:2018年
現在の株主:NPMキャピタル
Ploeger Oxbo Groupはトウモロコシ、エンドウ豆、豆、ジャガイモ、ニンジン、ほうれん草、ベリー、コーヒー、ブドウ、オリーブの収穫機を製造販売します。NPMキャピタルが買収しました。

保護パッケージや断熱材分野で今後M&Aが予想される会社

社名:Pelican Products(ペリカンプロダクツ)
本社所在地:米国
買収を発表した年:2021年10月
現在の株主:プラチナエクイティ
Pelican Products(ペリカンプロダクツ)は、高性能保護ケース、温度管理されたパッケージングソリューション、高度なポータブル照明システムなどの製造開発会社です。消防、航空宇宙やアウトドア分野で使用されています。

社名:BST
本社所在地:シンガポール
買収した年:2016年
現在の株主:プラチナエクイティ
Broadway Systems and Technology(ブロードウェイ・システムズ&テクノロジーズ)は、家庭用電化製品、自動車、医療向けの保護パッケージング、断熱材製品の大手サプライヤーです。プラチナエクイティが2016年にシンガポールの上場会社であるブロードウェイインダストリアルグループ社から買収しました。

メカニカルシール分野で今後M&Aが予想される会社

社名:AESSEAL
本社所在地:イギリス
現在の株主:3i
AESSEAL(エーイーエスシール)は、メカニカルシールを製造するイギリスの企業です。メカニカルシールとは各種のポンプやその他の回転機械の動力を伝える軸部分(シャフト)に設置されるパッキン部品の一種で、液体やガスなどが機械の外に漏れるのを防ぐための製品です。3iが買収しました。

防衛関連機器分野で今後M&Aが予想される会社

社名:Photonis
本社所在地:フランス
買収した年:2021年
現在の株主:HLD Europe
Photonis(フォトニス)は、フランスに本拠をおく防衛、および商業用途向けのイメージインテンシファイア(映像信号増幅装置)製造会社です。特に軍事向け暗視ゴーグル用に強みがあります。フランス、オランダ、アメリカ、メキシコで生産しています。アーディアンが買収しました。2021年にHLD Europeがアーディアンより買収をしました。

熱管理機器や排熱機器分野で今後M&Aが予想される会社

社名: Laird Thermal Systems(レアードサーマルシステムズ)
本社所在地: 米国
買収した年: 2021年8月
現在の株主: Bregalインベストメンツ
レアードサーマルシステムズは熱電冷却器、温度コントローラ、液冷システムなどの製造会社です。2021年にBregalインベストメンツがアドベントインターナショナルから買収をしました。
※熱の冷却には空冷、水冷や液冷などがありますが、レアードサーマルシステムズは液冷に強みを持ちます。地域の拡大と液冷以外の熱管理システムの開発が着眼点でしょう。

社名:Howden
本社所在地:イギリス
買収した年:2019年
現在の株主:KPSキャピタルパートナーズ
Howden(ハウデン)は、1854 年にスコットランドで創業された坑内通気や排水処理機器を製造しています。産業用のファン、熱交換器、コンプレッサー、送風機、蒸気タービンを提供しています。KPSキャピタルパートナーズが2019年に溶接・切断事業と医療機器事業大手であるColfax Corporation(コルファックス・コーポレーション)から18億ドルで買収しました。2021年に北アフリカ等でターボ機械の修理とオーバーホールを展開するMaintenance Partnersを買収しました。

社名:Kelvion
本社所在地:ドイツ
買収した年:2015年
現在の株主:Triton Partners
Kelvion(ケルビオン)は、ドイツに本拠を置くplate heat exchangers(プレート式熱交換器)、shell & tube heat exchangers(とう(套)管式熱交換器)、冷却塔、冷却器等の製造会社です。電力、石油・ガス、化学、食品・飲料等幅広い業種に対応しています。Triton Partnersが2015年に食品加 工業界向けの設備を提供するGEA Groupより買収しました。

社名:Arvos
本社所在地:フランス
買収した年:2014年
現在の株主:Triton Partners
Triton Partnersがフランスの大手重電メーカーであるアルストムの熱交換器事業を2014年に買収し、Arvos(アルヴォス)へと社名変更しました。アルヴォスの事業部門であるシュミッチェ・シャック(SCHMIDTSCHE SCHACK)は、高温排熱回収装置( レキュペレーター)をシャックレキュペレータとして展開しています。別部門であるユングストローム(LJUNGSTRÖM)は、空気予熱器(air preheaters)、ガスヒーター(gas-gas heaters)を発電所、化学プラント、紙パルププラント等に展開をしています。

シェアをする

  • facebook
  • hatebu
  • linkedin
  • line
EN