接着剤業界の世界市場シェアと市場規模ついて分析をしています。ヘンケル、シーカ、日東電工、H.B.フーラー、3M、アルケマ、ダウといった世界大手接着剤メーカーの概要や動向も掲載しています。
【市場シェア】
接着剤・粘着剤メーカー各社の2021年度の売上高を分子に、また後述する市場規模を分母にして、2021年の接着剤メーカーの市場シェアを簡易に試算しますと、1位はヘンケル、2位はシーカ、3位はH.B.フーラーとなります。⇒参照したデータの詳細情報
接着剤メーカーの世界シェアと業界ランキング(2021年)
順位 | 会社名 | 市場シェア |
---|---|---|
1位 | ヘンケル | 17.33% |
2位 | シーカ | 16.11% |
3位 | H.B.フーラー | 5.24% |
4位 | 3M | 4.79% |
5位 | 日東電工 | 4.59% |
6位 | ダウ | 4.47% |
7位 | アルケマ | 4.12% |
8位 | バイヤスドルフ | 2.71% |
9位 | ハンツマン・コーポレーション | 1.92% |
接着剤メーカーの市場シェア1位は、ドイツのヘンケルです。Bonderiteといった世界的なブランドを有しています。
2位はスイスのシーカです。特に建築用の接着剤に強みを持っています。
3位はドイツの工業用接着剤に強いH.B.フーラーです。
4位は粘着テープ大手の米国3Mとなっています。
5位は産業用粘着テープに強い日東電工です。
【市場規模】
当サイトでは、2021年の接着剤の市場規模を626億ドルとしております。参照にしたデータは以下の通りです。
調査会社のフォーチュンビジネスインサイツによれば、2021年の接着剤と粘着テープ業界の市場規模は626億ドルとなります。2029年にかけて年平均成長率は5%を見込み、同年には923億ドルへと規模が拡大することを見込みます。
調査会社のグローバルマーケットインサイツによると、2020年の接着剤とシーリング剤の市場規模は437億ドル、103億ドルとなっています。2027年にかけて年平均5.3%、5.7%の成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報
年 | 想定市場規模 | 成長率見込み |
---|---|---|
2021年 | 626億ドル | 5% |
2020年 | 540億ドル | 5.3~5.7% |
2019年 | 473億ドル | 4.5% |
接着剤、粘着剤、シーリング剤の違い
日本工業規格(JIS)による定義によれば、接着剤とは「物質の間に介在することによって物質を結合することのできる物質、特徴として水、溶剤、熱などを使用せず、常温で短時間、わずかな圧力をくわえるだけで接着すること」です。粘着剤は「常温で接着性を有し、軽い圧力で被着材に接着する物質」、シーリング材は「構造体の目地、間げき(隙)部分に充てん(填)して防水性、気密性などの機能を発揮させる材料」と定義されています。
さらに業界に詳しくなるためのお薦め書籍と関連サイト
図解入門よくわかる最新接着の基本と仕組み
トコトンやさしい接着の本
化学業界の市場シェア・売上高ランキング・市場規模・再編の分析
【会社の概要】
Henkel(ヘンケル)
ヘンケルは、1876年に設立されたドイツに本拠を置く化学・トイレタリーメーカーです。接着剤、粘着剤、スキンケア、トイレタリー、洗剤、石鹸等のボディケア、シャンプー等ヘアケアの事業を展開しています。世界初の合成洗剤のPersilを開発しました。接着剤はBonderite、Technomelt、Loctiteといったブランドで展開をしています。さらに詳しく
3M
1902年に設立された米国に本拠を置く世界的な化学素材メーカーです。3MとはMinnesota Mining & Manufacturing Co.の略です。事業は大きく工業用品(研磨剤や接着剤、電気製品)、輸送機向け部品(テープやフィルム類)、ヘルスケア(呼吸器、聴診器)、消費財(文房具など)に分かれます。
個別製品では、セロハンテープを発明し、Scotchブランドで展開しています。付箋はポストイット(Post It)ブランドで展開しています。接着剤分野にも強みを持ちます。聴診器ではLittmannブランドに強みを持ちます。さらに詳しく
Huntsman Corporation(ハンツマン・コーポレーション)
1970年にAlonzo Blaine Huntsma氏によって設立された米国に本拠を置く化学素材大手です。接着剤の材料となるポリウレタン、顔料、添加剤、航空宇宙・工業用接着剤などの開発製造に強みを持ちます。ニューヨーク証券取引所に上場しています。
Dow Silicones(ダウ・シリコンズ)
米国に本拠を置くシリコーン技術に強みを持つ化学メーカーです。米国の化学大手ダウケミカルとガラス材メーカーのコーニング社による合弁企業でしたが、2016年にダウが合弁会社の持ち分をコーニングより買収し、現在はダウケミカルの完全子会社となりました。
ダウについて
ダウは、1897年にHerbert Henry Dow氏によって設立された米国に本拠を置く世界最大級の総合化学メーカーです。祖業は漂白剤と臭化カリウムです。その後、ユニオンカーバイド(Union Carbide)やローム・アンド・ハースの買収を通じて成長しました。2015年に米同業のデュポンと経営統合しましたが、2019年に素材事業を担う新生ダウ、特殊産業材のデュポン、農薬のコルテバアグリサイエンスへと分社化されました。シリコーンはダウシリコーンが展開しています。コーティング剤、プラスチック、アクリル樹脂原料・メチルメタクリレートにも強みを持ちます。さらに詳しく
Avery Dennison(エイブリィ・デニソン)
米国に本拠を置く粘着材料やラベル製品製造大手です。特にビールやワイン瓶等に使用する感圧粘着ラベルでは圧倒的な存在感を示します。
H.B.Fuller(H.B.フーラー)
1887年に設立された米国に本拠を置く接着剤大手です。工業用接着剤の分野では世界最大手級です。日本では積水化学と合弁事業を展開しています。
Sika(シーカ)
スイスに本拠を置く建設・産業向け接着剤大手です。特に建設向けのセメント添加剤、各種コーティング等には強みを持ち、建設向け化学品では世界トップクラスです。
日東電工
1918年に設立された日本の大手機能性化学メーカーです。偏光板、逆浸透膜や産業用の粘着テープ事業に強みを持ちます。
日本の大手接着剤メーカー
日本では、日東電工の他に、産業材粘着テープに強いリンテック、ボンドのコニシと接着剤の東亞合成やカネカ(セメダイン)が大手です。
参照したデータの詳細情報について
参照したデータは以下の通りです。リンク切れなどありましたら、お問い合わせのページからご連絡頂けますと大変有難く存じます。
接着剤メーカーの売上高ランキング
参照した市場規模の情報