化粧品・香水メーカーの世界シェア・売上高ランキング・市場規模・業界再編について分析をしています。ロレアル、P&G、エスティ・ローダー、ユニリーバ、コティ、資生堂、ナチュラ・コスメティクスといった世界の主要な化粧品・香水メーカーの概要も掲載しています。
【化粧品・香水業界とは】
化粧品とは一般的に、スキンケア、ヘアケア、ネイルケア、メイクアップ製品、香水などの「パーソナルケア製品」を指します。これらの製品は、見た目を整えたり自信を高めたりするために使用されます。スキンケアやヘアケア製品は「広義の化粧品」に分類されることが一般的で、香水もその一部とみなされることが多いです。
本記事では、化粧品・香水業界の市場規模を包括的に分析し、主要企業の市場シェアやブランド戦略を考察します。この業界は、性別や年齢層、販売チャネル(百貨店・専門店・ドラッグストア・EC、免税店など)によってターゲット層が大きく異なる点が特徴です。また、企業はラグジュアリーからマス(プチプラ)まで多層的なブランドポートフォリオを展開し、幅広い価格帯のニーズに対応しています。
例えば、業界トップのロレアルは、ランコムやイヴ・サンローランといったラグジュアリーブランドから、キールズやヘレナルビンスタインといったミッドレンジブランド、さらにメイベリンやロレアル・パリといったマス市場向けブランドの「プチプラコスメ(ドラッグストアなどで購入可能な低価格化粧品)」まで、複数の価格帯をカバーしています。この多層的なブランド戦略により、世界中の消費者ニーズに応える体制を整え、安定した成長を実現しています。
【化粧品・香水業界の世界市場シェア+ランキング】
化粧品メーカーの2025年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、後述する化粧品市場の規模を分母に、2025年の化粧品業界の世界市場シェアを計算すると、1位はロレアル、2位はP&G、3位はユニリーバとなります。
化粧品・香水業界の市場シェア(2025年)
*P&G, エスティ・ローダー, コティは2025年会計年度(2024年7月~2025年6月)のデータを使用
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| 順位 | Company name (English) |
企業名(日本語) | 市場シェア |
| 1位 | L’Oréal S.A. | ロレアル | 14.25% |
| 2位 | The Procter & Gamble Company* | P&G* | 4.20% |
| 3位 | Unilever plc | ユニリーバ | 4.14% |
| 4位 | The Estée Lauder Companies Inc.* | エスティ・ローダー* | 3.97% |
| 5位 | Beiersdorf AG | バイヤスドルフ | 2.65% |
| 6位 | LVMH | LVMH | 2.64% |
| 7位 | Shiseido Co., Limited | 資生堂 | 1.69% |
| 8位 | Coty Inc.* | コティ* | 1.63% |
| 9位 | Natura&Co. | ナチュラ | 1.23% |
| 10位 | Kenvue | ケンビュー | 1.14% |
| 11位 | Henkel AG&Co. | ヘンケル | 1.06% |
| 12位 | Amore Pacific | アモーレパシフィック | 0.86% |
| 13位 | Kao Corporation | 花王 | 0.45% |
| 14位 | LG H&H Co., Ltd. | LG生活 | 0.44% |
2023〜2025年にかけて化粧品・香水業界は大きな構造変化を迎えました。
エスティローダーは北米市場の回復が遅れた一方、バイヤスドルフはダーマ領域の成長を背景に順位を上げています。LVMHは高級フレグランス需要の拡大により存在感を強め、NaturaはAesop・The Body Shopの売却によって事業規模がスリム化しました。また、KenvueはJ&Jからの分社化によりランキングに新規参入しています。
2025年の化粧品・香水業界は、依然としてグローバルブランドを多数抱える大手企業が中心となって市場を牽引しています。なかでもロレアルは、スキンケアからメイク、ヘアケア、高級フレグランスまで幅広いカテゴリーを網羅し、世界最大のビューティ企業としての地位を確固たるものにしています。
2位以下にはP&G、ユニリーバ、エスティローダーといった多国籍企業が続き、いずれも複数ブランドをグローバルに展開しながら、プレミアムからマス市場まで幅広い層をカバーするブランド戦略を採用しています。強固なサプライチェーンとマーケティング投資力が、これら企業の競争優位を支えています。
中位には、バイヤスドルフやLVMHなど、スキンケアや高級フレグランスに強みを持つ企業が位置しています。特にLVMHは、ラグジュアリー領域で培ったブランド価値を化粧品にも応用し、高価格帯市場で存在感を高めています。
アジア勢では、資生堂、アモーレパシフィック、LG生活健康、花王などがランクインしており、アジア市場の成長性とデジタル施策の巧みさが競争力の源泉となっています。特に韓国企業は、SNS・ECを活用したスピード感のある商品開発で若年層から強い支持を得ています。
全体として、2025年の化粧品・香水市場は、
・高級スキンケアの拡大
・EC・デジタル化の加速
・アジア市場の存在感上昇
・ブランド価値と研究開発力の重要性
といった構造変化が進んでおり、企業ごとに異なる強みを生かした競争が続いています。
【化粧品・香水業界の世界市場規模】
当サイトでは、2025年の化粧品・香水業界の市場規模を3,612億ドルとしております。参照した各種調査データは次の通りとなります。
調査会社エクスパートマーケットリサーチによると、2025年の同業界の市場規模は3,612億ドルです。2035年にかけて年平均5.2%で成長し、規模は5,997億ドルへと拡大することを見込んでいます。
| 年 | 市場規模 | 年平均成長率 |
| 2025 | 3,612億ドル | – |
| 2026 | 3,801億ドル | – |
| 2035 | 5,997億ドル | 5.2% |

【M&Aの動向】
2013年 ナチュラがオーストラリアのスキンケアブランド「Aesop」の65%の株式を取得。
2016年 ロレアルが米国の「IT Cosmetics」を買収。
2017年 ユニリーバが韓国の化粧品ブランド「Carver Korea」を買収。
2017年 ナチュラがロレアルから「The Body Shop」を買収。
2019年 投資会社JABホールディングスがコティの株式を追加取得し、計60%の株式を保有。
2020年 ロレアルがクラランスのフレグランス部門(ミュグレー・アザロを含む)を買収。
2020年 コティがプライベートエクイティ会社KKRにヘアケアブランド「Wella」やネイルブラン
ド「OPI」を含むプロフェッショナルビューティー事業の株の一部を売却。
2020年 ブラジルの化粧品大手ナチュラ・コスメティコスがエイボンを買収。
2021年 資生堂がパーソナルヘルスケア事業を欧州系大手投資ファンドCVCへ売却。
2021年 資生堂が「ベアミネラル」「ローラメルシエ」「バクサム」の3ブランドをアメリカの
プライベートエクイティファンドAdvent International Corporationに譲渡。
2022年 資生堂がヘンケルに業務用ヘアケア剤事業を売却。
2022年 米化粧品会社レブロンが米連邦破産法11条(チャプター11)の適用を申請。
2023年 ナチュラ社、ブランド「Orveda」を買収。
2023年 ロレアルがナチュラより「Aesop」を買収。
2023年 J&J、Consumer Health 部門を Kenvue として分離
2024年 ナチュラ社、ザ・ボディショップをアウレリウスに売却
2024年 ロレアルがスイスのスキンケア企業「ガルデルマ(Galderma)」の10%の株式を
取得。
2024年 ロレアルがスイスの小売業者ミグロスから韓国のスキンケアブランド「Dr.G」を
展開する「Gowoonsesang Cosmetics」を買収。
【会社の概要】
ロレアル(L’Oréal S.A.)
フランスに本社を置く世界最大の化粧品メーカーで、スキンケア、ヘアケア、メイクアップ、香水など幅広い製品を展開しています。ランコム、キールズ、メイベリンなど多彩なブランドを傘下に持ち、グローバル市場で強固な地位を築いています。さらに詳しく
エスティ・ローダー(The Estée Lauder Companies Inc.)
アメリカ発の高級化粧品メーカーで、エスティ ローダー、クリニーク、マックなどのブランドを展開しています。スキンケア、メイクアップ、香水、ヘアケア製品を中心に、世界中の百貨店や専門店で販売されています。さらに詳しく
P&G(The Procter & Gamble Company)
アメリカの多国籍日用品メーカーで、パンテーン、オレイ、SK-IIなどの美容・パーソナルケアブランドを展開しています。洗剤や紙製品など幅広い製品ラインを持ち、世界中で高い知名度と信頼を得ています。さらに詳しく
ユニリーバ(Unilever plc)
イギリスとオランダに本拠を置く多国籍企業で、ダヴ、ラックス、ポンズなどのパーソナルケアブランドを展開しています。食品や清掃用品など多岐にわたる製品群を持ち、グローバルな市場で幅広い消費者層にアプローチしています。さらに詳しく
LVMH(LVMH Moët Hennessy – Louis Vuitton SE)
フランスの高級ブランドグループで、ディオール、ゲラン、フェンディなどのブランドを傘下に持ちます。ファッション、香水、化粧品、時計、宝飾品など多様な高級品市場で存在感を示しています。さらに詳しく
バイヤスドルフ(Beiersdorf AG)
ドイツの化粧品メーカーで、ニベア、ラボシリーズ、ユースキンなどのブランドを展開しています。スキンケア製品を中心に、世界中で愛用される製品を提供しています。さらに詳しく
資生堂(Shiseido Co., Limited)
日本を代表する化粧品メーカーで、資生堂、クレ・ド・ポー ボーテ、マキアージュなどのブランドを展開しています。スキンケア、メイクアップ、香水など多岐にわたる製品ラインを持ち、アジアを中心にグローバル展開を進めています。さらに詳しく
コティ(Coty Inc.)
アメリカの化粧品メーカーで、カバーガール、リメル、サリー・ハンセンなどを展開。特に香水市場で強い存在感を持ち、グッチ、バーバリーなどのライセンス香水を多数手掛けています。近年は Wella/OPI の売却(2020年) や JAB・KKR との資本再編 を経て、香水とカラーコスメに集中する戦略を進めています。さらに詳しく
ナチュラ(Natura & Co)
ブラジル発の化粧品メーカーで、ナチュラ、アヴォン、ザ・ボディショップなどのブランドを傘下に持ちます。自然派志向の製品を中心に展開し、南米をはじめとするグローバル市場で成長を続けています。さらに詳しく
花王(Kao Corporation)
日本の総合化学メーカーで、ビオレ、ソフィーナ、キュレルなどの化粧品ブランドを展開しています。日用品や化学製品も手掛け、高い研究開発力と品質で国内外の市場で信頼を得ています。さらに詳しく
ケンビュー(Kenvue)
ジョンソン・エンド・ジョンソンのコンシューマーヘルス部門が独立して設立された企業で、ニュートロジーナ、アヴィーノなどのブランドを展開しています。スキンケアやパーソナルケア製品を中心に、世界中で販売されています。さらに詳しく
ヘンケル(Henkel AG & Co.)
ドイツの化学・消費財メーカーで、シュワルツコフ、サイオスなどのヘアケアブランドを展開しています。接着剤や洗剤など多岐にわたる製品ラインを持ち、グローバル市場で幅広い事業を展開しています。さらに詳しく
アモーレパシフィック(Amore Pacific)
韓国の化粧品メーカーで、ソルファス(雪花秀)、ラネージュ、イニスフリーなどのブランドを展開しています。アジアを中心に、スキンケアやメイクアップ製品で高い人気を誇り、近年はグローバル展開も加速しています。さらに詳しく
LG生活健康(LG Household & Health Care)
韓国の総合消費財メーカーで、ザ・フェイスショップ、オフレ(O HUI)などの化粧品ブランドを展開しています。化粧品だけでなく、飲料や家庭用品も手掛け、多角的な事業展開を行っています。さらに詳しく
ケンビュー(Kenvue)
2023年にジョンソン・エンド・ジョンソンのコンシューマーヘルス部門が独立して誕生した企業で、ニュートロジーナ、アヴィーノ、クリーン&クリアなどのスキンケアブランドを展開しています。化粧品(スキンケア)とパーソナルケアを中心とした事業構造を持ち、独立後はブランドポートフォリオの再編とグローバル展開の強化を進めています。さらに詳しく
