MAHLEは1920年にドイツで設立され、ピストン製造から始まり、次第に自動車エンジン関連の技術を中心に事業を拡大してきました。近年、MAHLEは電動モビリティ市場にも注力し始めました。2014年には、電動駆動システムに強みを持つスロベニアのLetrika社を買収し、電気自動車やハイブリッド車向けの技術を強化しました​。この買収により、内燃機関関連製品から電動化技術へとシフトし、持続可能なモビリティソリューションに焦点を当てるようになりました。

業績推移（年次）

2019年度
売上高は前年度比4%減の12,049百万ユーロになりました。営業利益は前年度比78%減の83百万ユーロになりました。営業利益率は1%となりました。売上の減少は自動車市場の低迷によるものです。

2020年度
売上高は前年度比19%減の9,774百万ユーロになりました。営業利益は308百万ユーロの赤字になりました。売上の減少は主にCOVID-19パンデミックの経済的影響によるもので、為替レートのマイナス効果によってさらに悪化しました。

2021年度
売上高は前年度比14%増の12,434百万ユーロになりました。営業利益は92百万ユーロの赤字になりました。材料費、エネルギー費、輸送コスト、人件費、の値上げによる追加コストが収益状況に多大な影響を及ぼしました。

2022年度
売上高は前年度比3%増の14121百万ドルになりました。営業利益は前年度比31%減の184百万ドルになりました。営業利益率は1%となりました。売上高の増加は、アメリカ大陸における生産量の増加によるものです。営業利益の減少は、輸送費の上昇、全体的なコスト上昇、EMEAでの全体的な生産量の減少によるものです。

2023年度
売上高は前年度比3%増の12,818百万ユーロになりました。営業利益は50百万ユーロになりました。営業利益率はほぼ0%です。グループ全体の「DELIVER23」プログラムの一環として、収益性を向上させるための対策を継続的に実施しました。その結果、大幅な改善を見込んでいたEBITと営業利益の予測も達成することができました。しかし、人件費やエネルギー費の増加、原材料費の上昇、バッテリー電気自動車に対する顧客需要が予想を大幅に下回るなど、厳しい市場環境が収益状況を妨げました。eモビリティへの移行に関連する保証費用や高い立ち上げ費用も、収益状況に悪影響を及ぼしました。

業績推移（四半期）

2022年第上半期（1ー6月）
売上高は前年同期比4%増の5,892百万ユーロになりました。営業利益は225百万ユーロの赤字になりました。原材料、エネルギー、貨物、人件費の増加は当社に大きな打撃を与え、グループ業績に多大な影響を及ぼし、前年同期よりも310百万ユーロ多く支出する必要がありました。

2022年下半期（7ー12月）
売上高は前年同期比24%増の6,542百万ユーロになりました。営業利益は133百万ユーロ、営業利益率は2%となりました。

2023年上半期（1ー6月）
売上高は前年同期比12%増の6,589百万ユーロになりました。営業利益は53百万ユーロ、営業利益率は1%となりました。売上の増加は主に販売量の増加によるものです。

2023年下半期（7ー12月）
売上高は前年同期比5%減の6,229百万ユーロになりました。営業利益は3百万ユーロの赤字になりました。

2024年上半期（1ー6月）
売上高は前年同期比9%減の6,011百万ユーロになりました。営業利益は20百万ユーロ、営業利益率はほぼ0%でした。売上の減少は、販売量の減少、為替変動、一部事業の連結切り離しによるものです。売上は減少したものの、EBITIDAは89百万ユーロ増加しました。これは、生産性の向上、販売価格の上昇、合弁会社Behr-Hella Thermocontrol（BHTC）の株式売却によるものです。

EPS・１株配当・配当性向の推移

コーポレートサイトから情報を抽出することはできません。

売上構成

セグメントは、エンジン、フィルタ、サーマル、メカトロ、アフターサービス、その他に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

エンジン
主力セグメントです。スチールおよびアルミニウムピストン、ピストンリング、シリンダーライナー、スライディングベアリング、バルブトレインシステムなどがこのセグメントに含まれます。これらの製品は、乗用車、商用車、大型エンジン、二輪車で使用されています。

フィルタ
エンジン周辺機器用のフィルター システムとコンポーネントを製造しています。

サーマル
バッテリー、燃料電池、パワーエレクトロニクス、電動パワートレイン向けの熱管理製品及びソリューションを提供しています。

メカトロ
主に電気自動車関連製品を取り扱っており、電動ドライブ、アクチュエーター、制御関連、パワーエレクトロニクスなどがこのセグメントに含まれます。モバイルアプリケーション向けのソリューションも、このセグメントに含まれます。

アフターサービス
協力会社にアフターサービスパーツを提供しています。

その他
モータースポーツ関連、特注製品、自動車用温度管理製品などがこのセグメントに含まれます。

M&A情報

2014年 電気モーター、発電機、メカトロニック駆動システムを開発および製造するLetrikaを買収
2015年 自動車部品サプライヤーのDelphi Automotive PLCを買収
2015年 自動車用モーターなどを製造する国産電機を買収
2018年 自動車アフターマーケット向けワークショップを展開するBrainBeeを買収
2021年 自動車部品の設計・製造を行うケーヒンの空調事業を買収
2024年 サーモスタットのOEM事業をADMETOSへ売却