日本を代表する自動車照明メーカーです。1915年に小糸源六郎商店を創業し、鉄道信号用フレネルレンズの生産から事業を開始しました。1930年に商号を「小糸製作所」に変更。自動車用照明器の製造に進出して、鉄道や自動車関連のインフラ拡大に伴い、会社も成長していきます。1936年に自動車用前照灯をトヨタ自動車の前身である豊田自動織機製作所に納入。これを機に、自動車産業向け照明器具市場に本格的に参入しました。この動きが、現在の同社の主力事業の基盤となり、現在に至ります。
2019年度
売上高は前年度比3%減の800,928百万円になりました。営業利益は前年度比19%減の82,411百万円になりました。営業利益率は10%となりました。売上高は、主力の自動車照明関連事業において新規受注の拡大や自動車ランプのLED化進展等があったものの、世界自動車生産台数が減少したことから、減収となりました。営業利益については、自動車減産に伴う売上の減少や研究開発の強化、及び新規受注対応の設備投資に伴う償却費負担の増等により減益となりました。
2020年度
売上高は前年度比12%減の706,376百万円になりました。営業利益は前年度比31%減の56,707百万円になりました。営業利益率は8%となりました。売上に関しては、新規受注の拡大や自動車ランプのLED化進展がありました が、自動車生産台数の減少により日本・北米・アジア等で前期比減収となったことから減収となりました。営業利益については、減収のなか新規受注対応の投資、将来に向けた研究開発投資もあり、減益となりました。
2021年度
売上高は前年度比8%増の760,719百万円になりました。営業利益は前年度比6%減の53,434百万円になりました。営業利益率は7%となりました。国内売上は、自動車減産により減収となりましたが、海外では、北米やアジアにおける新規受注や、自動車ランプのLED化進展、為替換算の影響等により増収となったことから、全体としては増収となりました。営業利益については、増収のなか、急激な生産変動による固定費負担の増加や、原材料・電子部品等の価格高騰、新規受注対応や将来に向けた研究開発投資等により減益となりました。
2022年度
売上高は前年度比14%増の864,719百万円になりました。営業利益は前年度比12%減の46,847百万円になりました。営業利益率は5%となりました。日本事業の売上は若干の増収に留まり、中国事業の売上は日本車の減産により減収となりましたが、北米・アジアを中心に各地域とも自動車生産台数の回復に加え、新規受注やLED化の進展、為替換算の影響等により大幅増収となりました。営業利益については、世界的な原材料費・物流費・光熱費など諸費用の高騰、北米・欧州を中心とした雇用情勢ひっ迫による人件費の増加、日本・中国での急激な生産変動による固定費負担の増加等、経営環境が悪化する中、各地域で改善合理化を推進したものの、減益となりました。
2023年度
売上高は前年度比10%増の950,295百万円になりました。営業利益は前年度比20%増の55,995百万円になりました。営業利益率は6%となりました。中国事業においては日本車の減産により減収となりましたが、自動車生産台数の回復、日本や北米を中心とした新規受注、為替換算の影響等により、売上は2期連続の過去最高となりました。営業利益についてては、得意先に起因する生産・出荷停止の影響に加え、各国でのインフレ、北米を中心とした雇用情勢ひっ迫による人件費高騰の影響等がありましたが、日本・北米等での増収効果に加え、生産性改善などの合理化活動の推進等により、増益となりました。
小糸製作所の業績推移
2023年第1四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比17%増の225,995百万円になりました。営業利益は14,741百万円、営業利益率は7%となりました。中国での売上高は日系車の販売不振・シェア低下に伴い減収(前年同期比14.1%減)となりましたが、日本(同26.4%増)、北米(同21.6%増)、欧州(同15.8%増)、アジア(同10.9%増)と、各地域とも自動車生産の増産等から堅調に推移しました。 営業利益についても、売上の増加に加え、グループ各社において改善合理化活動を推進したことから、前年同期比131.1%増となりました。
2023年第2四半期(7ー9月)
売上高は前年同期比9%増の242,158百万円になりました。営業利益は17,772百万円、営業利益率は7%となりました。第2四半期連結累計期間における売上高は、中国は減収(前年同期比21.9%減)となりましたが、日本(同21.1%増)、北米(同15.3%増)、欧州(同21.3%増)、アジア(同11.1%増)と、各地域とも自動車生産の増産等から堅調に推移しました。 営業利益については、売上の増加に加え、グループ各社において改善合理化活動を推進したことから、前年同期比64.3%増となりました。
2023年第3四半期(10ー12月)
売上高は前年同期比12%増の246,808百万円になりました。営業利益は16,028百万円、営業利益率は6%となりました。第3四半期連結累計期間における売上高は、中国は日系車の販売不振に伴い減収(前年同期比15.5%減)となりましたが、日本(同20.5%増)、北米(同15.3%増)、欧州(同19.8%増)、アジア(同6.7% 増)と、各地域とも堅調に推移しました。営業利益についても、生産の回復に加え、グループ各社において改善合理化活動を推進したことから、前年同期比51.0%増となりました。
2023年第4四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比3%増の235,334百万円になりました。営業利益は7,454百万円、営業利益率は3%となりました。
2024年第1四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比2%増の229,772百万円になりました。営業利益は9,045百万円、営業利益率は4%となりました。売上高は、日本(前年同期比6.3%減)や中国(同 14.2%減)で減収となりましたが、新規受注による北米での増収(同14.3%増)や円安の影響等により、連結売上高は前年同期比で増加しました。 営業利益については、国内での生産・出荷停止や中国での減産等による固定費負担の増加等から前年同期比38.6%減となりました。
小糸製作所の四半期業績推移
希薄化後EPSは前年度比42%増の130.9円になりました。1株当たりの配当は前年度比5%減の53円になりました。配当性向は40%になりました。
小糸製作所のEPS・1株配当・配当性向の推移
2024年7月
2024年度第一四半期の決算短信に、2024年度通期の売上高は928,500百万円、営業利益は49,000百万円を予定していると掲載されています。
セグメントは、日本、北米、中国、アジア、欧州、その他に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。
小糸製作所の売上構成(2023年度)
日本
期後半に自動車メーカーの不正問題による生産・出荷停止の影響等がありましたが、半導体不足の緩和や円安による輸出向けの回復により自動車生産台数は増産となったことから、売上高は前期比12.7%増となりました。
北米
UAWによるストライキや寒波の影響はありましたが、自動車生産台数の回復や新規受注に加え、為替換算の影響により、売上高は前期比14.5%増となりました。
アジア
2023年度の売上は、中国の顧客の生産台数減少はあるものの、インドの生産台数増加等により、3.1%増となりました。営業利益については、インドの増販効果等により36.3%増となりました。
中国
自動車生産台数は、EV化進展によりローカル自動車メーカーの販売が伸び、前期に対し増産となりましたが、 日本車の販売不振が継続したことから、売上高は前期比11.5%減となりました。
アジア
タイやインドネシアでは、金利上昇等に伴う販売不振により減産となりましたが、インドでは経済成長に伴い 需要が増加したこと等から、全体では自動車生産台数は増産となったことや、為替換算の影響等により、売上高 は前期比5.3%増となりました。
欧州
自動車生産台数の回復や為替換算の影響等により、売上高は前期比19.8%増となりました。
その他
自動車生産台数の回復に加え、新規受注や為替換算の影響等により、売上高は前期比26.5%増となりました。
2024年
自動運転時の状況把握に使う高精度センサー「LiDAR」の開発などで有名なCeptonを買収