ハイアールの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

ハイアール・スマート・ホーム(海爾智家股分有限公司)は、主に家電製品の研究・開発・製造・販売に従事する中国の企業です。同社は1980年代に設立され、1993年に上海証券取引所(600690.SH)、2018年にフランクフルト取引所(690D)、2020年に香港取引所(6690.HK)にそれぞれ上場しました。海外市場においては、常に独自のブランド創造戦略を堅持し、継続的な育成と合併・買収にて、日本の三洋電機の白物家電事業、GEAの家電事業、ニュージーランドのFisher & Paykel社、イタリアのCandy社を相次いで買収し、MABE社の株式48.41%を保有しています。さらに、「研究開発、製造、マーケティング」の面で 3-in-1 レイアウトの現地市場競争力も構築しました。グローバルな戦略的シナジーの利点を発揮することで、7つの世界大手ブランドのレイアウトとグローバル運営を実現しました。世界の海外事業では、アジア、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、アフリカの 5 大陸をカバーしており、世界中の数億人のユーザーに総合的な家電製品と家庭向けシナリオ ソリューションを提供しています。

業績推移(年次)

2019年度
売上高は前年度比9.05%増の2,008億元になりました。営業利益は25.23%増の144億元になりました。営業利益率は7.20%になりました。

2020年度
売上高は前年度比4.46%増の2,097億元になりました。営業利益は5.89%減の136億円になりました。営業利益率は6.48%になりました。

2021年度
売上高は前年度比8.29%増の2,271億元になりました。営業利益は16.91%増の159億元になりました。営業利益率は7%になりました。

2022年度
売上高は前年度比7.22%増の2,435億元になりました。営業利益は12.24%増の
178億円になりました。営業利益率は7.33%になりました。

2023年度
売上高は前年度比7.36%増の2,614億元になりました。営業利益は11.41%増の199億円になりました。営業利益率は7.60%になりました。

ハイアールの業績推移

ハイアールの業績推移

業績推移(四半期)

2023年第1四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比8.02%増の651億円になりました。営業利益は48億円、営業利益率は7.42%になりました。

2023年第2四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比8.39%増の666億元になりました。営業利益は63億円、営業利益率は9.40%になりました。

2023年第3四半期(7ー9月)
売上高は前年同期比6.12%増の670億元になりました。営業利益は51億元、営業利益率は7.64%%になりました。

2023年第4四半期(10ー12月)
売上高は前年同期比6.92%増の628億元になりました。営業利益は37億元、営業利益率は5.85%になりました。

2024年第1四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比6.01%増の670億元になりました。営業利益は58億元、営業利益率は8.39%になりました。

ハイアールの業績推移

ハイアールの業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比13.38%増の1.78元になりました。1株当たりの配当は前年度比42.05%増の0.804元になりました。配当性向は45.17%になりました。

ハイアールのEPS・配当額・配当性向の推移

ハイアールのEPS・配当額・配当性向の推移

売上構成

セグメントは主に家電製品および関連製品の製造・販売を行っており5つに分類されています。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

ハイアールの売上構成(2023年)

ハイアールの売上構成(2023年)

冷蔵庫・冷凍庫
主に冷蔵庫・冷凍庫の製造・販売を行っております。

家庭用洗濯管理ソリューション
主に洗濯機の製造・販売を行っております。

エアソリューション
主に空調製品の製造・販売を行っております。

キチン
主にキッチン家電の製造・販売を行っております。

家庭用水ソリューション
主に家庭用水、給湯器や浄水器など家電製品の製造・販売を行っております。

その他
チャネル、機器コンポーネント、小型家電が含まれます。

M&A情報

2012年 東南アジアにおける三洋電機の白物家電事業を買収
2016年 General Electric社と世界的戦略パートナーを締結、GEのAppliances事業を買収
2019年 キャンディー社を買収し子会社化

GEの家電部門の買収ハイライト:
2016年に中国のハイアールがGEの家電部門を買収。
買収金額は56億ドル。GEの家電事業の直近のEBITDAは4億ドルであり、買収マルチプルは約14倍。当時の家電業界の買収マルチプルは7~8倍程度であり、大きなプレミアムを支払った形となる。
GEブランドの継続使用、米国の工場や従業員の引き継ぎを条件とした。
ハイアールは中国国内を中心としたブランドであり、海外展開を模索していた。GEの家電事業買収により北米の事業基盤を得ることができるという地域補完性もある。
ハイアールは冷蔵庫に強く、家電備え付けが一般的である北米の住宅向けに、GEの家電ポートフォリオを強化することができる。
GEブランドの取得もメリットが大きい。
GEの研究開発部門も買収することで、自社製品の品質向上も期待。
ハイアールにとっては、日本の三洋電機、ニュージーランドのフィッシャー・アンド・パイケル・アプライアンスズ買収に続く大型買収。

株主構成

ハイアールスマートホームは上場会社ですが、親会社はHaier Group Corporationです。

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