万年筆・筆記具・文房具業界の世界市場シェアや市場規模について分析をしています。晨光文具、ニューウェル・ブランズ、ACCOブランズ、3M、パイロット、BIC、コクヨといった世界の主要な筆記具メーカーの概要や動向も掲載しています。
【万年筆・筆記具・文房具業界の世界市場シェア+ランキング】
万年筆・筆記具・文房具業界各社の2023年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2023年の万年筆・筆記具・文房具業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はNewell Brands、2位はACCO Brands、3位はPilotとなります。
⇒参照したデータの詳細情報万年筆・筆記具・文房具業界の市場シェア(2023年)
順位 | 会社名 | 市場シェア |
---|---|---|
1位 | SHANGHAI M&G STATIONERY INC.(晨光文具) | 12.92% |
2位 | Newell Brands(ニューウェル・ブランズ) | 10.69% |
3位 | ACCO Brands Corporation(ACCOブランズ) | 6.01% |
4位 | 3M COMPANY(スリーエムカンパニー) | 4.83% |
5位 | Pilot Corporation(株式会社パイロットコーポレーション) | 3.56% |
6位 | Société BIC(BIC、ビック、ソシエテビック) | 3.54% |
7位 | KOKUYO CO., LTD(コクヨ株式会社) | 2.52% |
8位 | MITSUBISHI PENCIL COMPANY,LIMITED(三菱鉛筆株式会社) | 2.25% |
世界シェア1位は晨光文具です。新規事業の収益が総収益に占める割合は年々増加しており、1,100 件を超える特許と著作権を取得しています。
世界シェア2位はNewell Brandsです。子会社のNewell Custom Writing Instrumentsを通じて2000年以降に戦略的買収を通じて文房具事業に積極的に関与してきました。筆記具や事務用品の需要の高まりに応えるために世界的に事業を展開しています。
世界シェア3位はACCO Brandsです。2012 年にMeadWestvacoの消費者向けおよびオフィス製品事業との合併を完了し、Mead、Five Star、Trapper Keeper、AT-A-GLANCE、Cambridge、Day Runner、Hilroy、Tilibra、Grafons などの人気の文房具ブランドを自社の製品ポートフォリオに追加しました。
【万年筆・筆記具・文房具業界の世界市場規模】
当サイトでは筆記具・文房具業界の2023年の世界市場規模を253.1億ドルとして市場シェアを計算しております。参考にした統計データは次の通りです。
調査会社のSKYQUESTによると、2023年の同業界の市場規模は253.1億ドルです。2023年から2031年にかけて年平均4.6%で成長し、同年には362.7億ドルへと拡大すると予想しています。
⇒参照したデータの詳細情報年 | 市場規模 | 成長率見込み |
---|---|---|
2023 | 253.1億ドル | - |
2031 | 362.7億ドル | 4.6% |
万年筆・筆記具・文房具業界の市場規模の予想成長推移 ©2024 Deallab
文房具製品市場は、変化する消費者の好み、デジタル技術の進歩とSDGsに関連した持続可能なソリューション(リサイクル、生分解性、プラスチックフリーの素材で作られた文房具がますます好まれるようになっています)のニーズに対応するために進化しています。企業はこのダイナミックな市場で競争力を維持するために、製品の革新、パーソナライゼーション、オンライン販売チャネルに重点を置いています。文房具市場は、持続可能性商品への需要、パーソナライズされたカスタマイズ文房具需要、ホームオフィス部門からの需要(リモートワークへの移行に関連した需要)、デジタルツールへの需要などのトレンドに牽引され、今後数年間で大幅に成長すると予想されています。
さらに業界に詳しくなるためのお薦め書籍と関連サイト
万年筆の図鑑
文房具を楽しく使う (筆記具篇)
M&Aや再編対象となる消費財メーカーの分析
【M&Aの動向】
2022年
筆記具を製造するPilotが、手帳、ノート類などの文具を製造・販売するマークスグループ・ホールディングスを買収
2022年
主に文房具、オフィス家具、事務用品を製造するコクヨが、オフィス家具メーカーHNI Hong Kongを買収
2022年
主に文房具、オフィス家具、事務用品を製造するコクヨが、家具の製造・販売を行う家具メーカーであるオリジンを買収
2022年
主に文房具、オフィス家具、事務用品を製造するコクヨが、家具の販売を行うエステイツクを買収
2022年
主に文房具、オフィス家具、事務用品を製造するコクヨが、主に筆記具やアート用品を製造するぺんてるをオフィス家具などを取り扱うプラスに売却
2020年
主に文房具、ライター、シェーバーの分野でさまざまな製品を製造、販売するBicが、デジタルノートなどを製造するRocketbookを買収
2019年
オフィス製品を製造するACCO Brandsが、ノートなどの紙に関する文房具を製造するIndustria Grafica Foroniを買収
2018年
オフィス製品を製造するACCO Brandsが、学校やオフィスで使用される文具を製造するGOBAを買収
2017年
オフィス製品を製造するACCO Brandsが、学校やオフィスで使用される文具を製造するEsselte Group Holdingsを買収
2015年
主に文房具、ライター、シェーバーの分野でさまざまな製品を製造、販売するBicが、筆記具、家具、ホームプロダクツなどを製造するCelloを買収
【会社の概要】
SHANGHAI M&G STATIONERY INC.(晨光文具)
1997年に設立された上海に本拠をおく筆記具・文房具メーカーです。M&Gブランドで、筆記用具を含む文房具を展開しています。2015年に上海証券取引所に上場をしています。
Newell Brands(ニューウェル・ブランズ)
ニューウェル・ブランズは2015年にNewell Rubbermaid(ニューウェル・ラバーメイド)とジャーデングループが経営統合をして誕生しました。ニューウェルラバーメイドは1903年に設立されたニューウェルと1920年に設立されたウォーターラバーカンパニーの流れを汲みます。1998年にニューウェルとラバーメイドが経営統合をして誕生しました。日用雑貨、家庭用品、室内装飾品、筆記具等の消費者向けブランドに強みを持っています。ジャーデングループは、1993年に製罐大手のBall Corporation(ボール・コーポレーション)より分社化して誕生しました。分社化後にアウトドア、家電関連等の各種ブランド製品を買収して成長しています。さらに詳しく
ACCO Brands Corporation(ACCOブランズ)
学校で使用する文具やビジネスパーソン向けの幅広いブランド製品を設計・製造・販売する多国籍企業です。同社の製品ポートフォリオには、コンピューターおよびゲーム用アクセサリ、プランナー、ホワイトボード、学校用ノート、清掃用品、収納および整理用品、ラミネートおよび製本機、筆記具、アート製品、ホッチキスおよびパンチ製品、DIY ツールなどがあります。ACCO Brands は、量販店、オンライン小売業者、専門店などのさまざまなチャネルを通じて製品を販売するほか、自社の e コマース プラットフォームおよび直販組織を通じて商業および消費者のエンド ユーザーに直接販売しています。
3M COMPANY(スリーエム)
1902年に設立された米国に本拠を置く世界的な化学素材メーカーです。3MとはMinnesota Mining & Manufacturing Co.の略です。事業は大きく工業用品(研磨剤や接着剤、電気製品)、輸送機向け部品(テープやフィルム類)、ヘルスケア(呼吸器、聴診器)、消費財(文房具など)に分かれます。
個別製品では、セロハンテープを発明し、Scotchブランドで展開しています。付箋はポストイット(Post It)ブランドで展開しています。接着剤分野にも強みを持ちます。聴診器ではLittmannブランドに強みを持ちます。
Pilot Corporation(株式会社パイロットコーポレーション)
日本を代表する筆記具メーカーです。フリクションペンなど機能性に優れた筆記具を開発しています。
Société BIC (ソシエテビック、BIC)
BIC(ビック)は1945年に創業されたフランスを代表する筆記具メーカーです。BIC ブランドにて筆記具を世界展開しています。他の事業としては、ライター及びシェーバーとなります。文房具ではニューウェルズブランドと競合しています。使い捨てライターでは高い市場シェアを維持しています。髭剃りではジレットと競合しています。ライターは、電子タバコや加熱式タバコが増加傾向にあるため、今後需要が減少していく可能性があり懸念材料です。
KOKUYO CO., LTD(コクヨ株式会社)
1920年に設立された事務用品大手です。オフィス家具、オフィス用品と文具が3本柱です。
ZEBRA CO., LTD.(ゼブラ株式会社)
幅広い筆記具や文房具の設計、製造、販売を専門とするグローバル企業です。具体的には、ボールペン、シャープペンシル、ゲルペン、マーカー、万年筆、その他の筆記具を取り扱っています。同社は1897年に日本で設立され、その後アジア、ヨーロッパ、北米などの地域で事業を展開する多国籍企業に成長しました。
PENTEL CO., LTD.(ぺんてる株式会社)
筆記具、画材、事務用品、電子機器、生産設備など、幅広い文房具製品の製造を専門とする企業です。同社は、1963 年に発明されたファイバーチップペンや、油性マーカー技術などの革新的な製品で知られています。ぺんてるの製品ポートフォリオには、GraphGear、Kerry、Twist-Erase、EnerGel、Ball Pentel、Fountain Pentel、Sign Pen などのブランドが含まれています。
MITSUBISHI PENCIL COMPANY,LIMITED(三菱鉛筆株式会社)
三菱グループの鉛筆会社と思われる場合が多いですが、三菱グループとは関係はありません。ユニ鉛筆はロングセラーです。
Shachihata Inc.(シヤチハタ株式会社)
筆記具、スタンパー、事務用品など、幅広い文房具製品の製造を専門とする日本の企業です。Xstamper ブランドで、インク入りゴム印、スタンプパッド、カスタムメイドのスタンプを提供しています。
Navneet Education Limited(ナブニートエデュケーション)
教科書、ワークブック、文房具などの教育コンテンツの出版を専門とするインドの企業です。1959 年に設立されたこの企業は、出版、文房具、その他の 3 つの分野で事業を展開しています。
Linc Limited (リンク リミテッド、旧称 Linc Pen & Plastics Limited)
ボールペン、ジェルペン、ローラーペン、リトラクタブルペン、鉛筆などの筆記具を製造するインドのメーカーおよび販売業者です。40年以上前に設立され、世界50か国以上に拠点を置いています。同社のメインブランドは「Linc」で、手頃な価格で高品質の製品を提供することで知られています。
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