商用車・トラック業界の世界市場シェアの分析

商用車・トラック業界の世界市場シェアや市場規模について分析をしています。東風汽車、 ボルボ、いすゞ、日野、第一汽車、ダイムラー、トライトン、アショック・レイランド、タタといった世界大手の商用車・トラック業界の概要や動向も掲載しています。

【商用車・トラック業界とは】

世界の商用車市場にはトラック、バス、バン、トレーラーが含まれ、物流、建設、鉱業、農業、公共交通など幅広い産業を支えています。車両は軽商用車(LCV)、中型(MCV)、大型・重商用車(HCV)に分類され、都市配送から長距離輸送まで多様な用途を担います。

市場成長は経済成長、都市化、インフラ投資、規制、技術革新に左右されます。アジア太平洋は最大市場で、2025年時点で世界トラック需要の約4割を占め、中国・インド・ASEAN、アフリカ、南米では都市化と物流高度化により需要が拡大しています。

技術面では「電動化」「低排出化」「コネクテッド化」「自動運転」が主要テーマです。電動トラック・バスは成長が著しく、2025年には中・大型トラックの約9%がBEVと推計され、2030年代に向けて電動化比率は大幅に上昇する見通しです。長距離輸送では水素燃料電池や天然ガス車の導入が進み、欧州・中国を中心に商用化が拡大しています。

コネクテッド化ではテレマティクス、遠隔診断、運行管理、ADASの普及が進み、安全性・燃費・稼働率向上に寄与しています。自動運転は依然実証段階ですが、幹線輸送や鉱山・港湾など限定領域で商用運行が増えています。

課題は燃料価格の変動、排出ガス規制強化、サプライチェーン混乱、金利上昇、地政学リスクなど。2022〜2023年はインフレや国際情勢で需要が不安定でしたが、2024〜2025年は物流需要とインフラ投資に支えられ、成長は「高水準からのソフトランディング」へ移行しています。

COVID-19による需要減少はすでに解消され、現在は脱炭素、デジタル化、地政学リスク対応が中心課題です。eコマース拡大、インフラ投資、都市化、環境規制による更新需要により、世界市場は中長期的に緩やかな成長が続く見通しです。

【商用車・トラック業界の世界市場シェア】

商用車とトラック業界の2025年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2025年の商用車とトラック業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はダイムラートラック、2位はトレイトン、3位はボルボとなります。

商用車とトラック業界の市場シェア(2025年) ©2026 Deallab

順位 Company name(English) 企業名(日本語) 市場シェア
1位 Daimler truck ダイムラートラック 4.44%
2位 TRATON トレイトン 3.39%
3位 Volvo Group ボルボ 2.54%
4位 PACCAR パッカー 2.02%
5位 ISUZU いすゞ自動車 1.68%
6位 China National Heavy Duty Truck Group (Sinotruk Groups、シノトラック、中国重型汽車集団) 中国重型汽車 1.23%
7位 Iveco(CNH Industrial) イヴェコ(旧:CNHインダストリアル) 0.91%
8位 HINO 日野自動車 0.75%
9位 FAW Group 第一汽車 0.71%
10位 Shacman(Shaanxi Automobile Holding Group) 陜西汽車集団 0.70%
11位 Foton Motor 北汽福田汽車 0.69%
12位 Tata Motor タタ自動車 0.62%
13位 Dongfeng motor group 東風汽車 0.53%
14位 Ashok Leyland アショック・レイランド 0.37%
商用車とトラックの世界市場シェアと業界ランキング(2025年) ©2026 Deallab

2025年の世界市場で首位となったのは、ドイツのダイムラートラックです。同社は2021年に乗用車部門から分社化して以降、商用車専業メーカーとしての体制を強化し、北米ではフレイトライナー、アジアでは三菱ふそうを中心に安定した販売基盤を維持しています。2025年は燃料電池大型トラック「GenH2」の実証が進み、長距離輸送向けのゼロエミッション戦略をさらに前進させました。乗用車がBEVへ集中する一方で、商用車はFCEVとBEVの両軸で展開するという方針を公式に継続している点が特徴です。

2位はTRATONグループで、MAN・Scania・International Motors(旧:Navistar)を擁するフォルクスワーゲン傘下の商用車メーカーです。2021年のNavistar買収によって北米事業が大きく拡大し、2025年もその統合効果が続いています。Scaniaは欧州で高収益モデルを維持し、MANは2024〜2025年にかけて電動トラックの量産を開始するなど、グループ全体で電動化投資を加速しています。TRATONは2025年に向けて電動化投資を大幅に増額する方針を公式に示しており、ゼロエミッション化の進展がランキング上位維持の背景となっています。

3位はスウェーデンのボルボグループです。トラック事業はグループ最大の収益源であり、欧州では電動トラック販売で首位を維持しています。北米では主力モデルVNLシリーズの刷新を進めるなど、2025年も主要地域での競争力を高めました。ボルボは2030年に新車販売の半数をゼロエミッションとする公式目標を掲げており、2025年はその実現に向けた投資と製品投入が加速した年となっています。

4位には米国ワシントン州に本拠を置くPACCARが入りました。KenworthとPeterbiltを中心に北米の大型トラック市場で強い存在感を持ち、欧州ではDAFが安定した販売を続けています。2025年は次世代EVプラットフォームの開発が進み、電動化への取り組みが本格化しました。大型トラックに強みを持つPACCARは、収益性の高さと北米市場の堅調な需要に支えられました。

5位は日本のいすゞ自動車です。2019年にUDトラックスを買収したことで大型車の事業規模が拡大し、アジア・日本・豪州で強固な販売基盤を築いています。2025年は小型BEVトラック「ELF BEV」の海外展開が進み、電動化の実装フェーズが本格化しました。また、トヨタ・日野との商用車連合(CJPT)を通じて燃料電池トラックの共同開発を継続しており、ゼロエミッション化に向けた取り組みが強化されています。

【商用車・トラック業界の世界市場規模】

当データベースでは、2025年の商用車とトラック業界の市場規模を1兆3,000億ドルとしております。

参照した各種調査データは次の通りとなります。

調査会社フォーチュンビジネスインサイツによると、2025年の同業界の市場規模は1兆2,920億ドルです。2034年にかけて年平均6.5%で成長し、規模は2兆3,280億ドルへと拡大することを見込んでいます。

年 市場規模 年平均成長率
2025 1兆2,920億ドル –
2026 1兆4,020億ドル –
2034 2兆3,280億ドル 6.5%

世界の商用車とトラックの販売台数の推移 ©2026 Deallab

【M&Aの動向】

2005年 ダイムラーが三菱ふそうを子会社化
2007年 日産ディーゼル(UDトラックス)をボルボが子会社化
2019年 ダイムラーが米国の電動トラックメーカー「Torq Robotics」を買収(自動運転技術
2019年 VWがトラックバス事業をトレイトンとして分社化上場
2020年 いすゞがUDトラックスを買収
2020年 トレイトン、ナビスター買収
2021年 ダイムラー、トラックバス部門をダイムラートラックとして分社化上場
2022年 ダイムラートラック・トレイトン・ボルボの3社、充電インフラ合弁「Milence」を設立
2024年 いすゞ自動車、連結子会社いすゞリーシングサービスと、同社の完全子会社UDフィナンシャルサービスを合併”
2024年 ボルボ、プロテラ社およびプロテラ・オペレーティング・カンパニーからのバッテリー事業の買収を完了

【会社の概要】

Daimler Truck(ダイムラートラック)

ダイムラートラックは、ドイツ・シュトゥットガルトに本拠を置く世界最大級の商用車メーカーです。2021年に乗用車部門から分社化され、メルセデス・ベンツグループとは独立した商用車専業企業となりました。メルセデス・ベンツ、フレイトライナー、バーラト・ベンツ、三菱ふそうなどのブランドを通じて、欧州・北米・アジアでトラック・バス事業を展開しています。近年はバッテリーEVと燃料電池トラックの両方に注力し、長距離輸送向けゼロエミッション車の開発を加速しています。さらに詳しく

Volvo Group (ボルボ)

ボルボグループは、スウェーデン・ヨーテボリに本拠を置くトラック・建機メーカーです。Volvo Trucks、Renault Trucks、Mack Trucksなどのブランドを通じて、欧州・北米・南米・アジアで事業を展開しています。トラック事業はグループ最大の事業であり、安全性・燃費性能・電動化で業界をリードしています。近年は電動トラックやバッテリー事業への投資を強化し、プロテラ社のバッテリー事業買収完了などを通じて、ゼロエミッション車の垂直統合を進めています。さらに詳しく

Traton(トレイトン)

TRATONは、フォルクスワーゲングループ傘下の商用車メーカーで、MAN・Scania・Navistar の3ブランドを擁する世界有数の商用車グループです。2018年にVolkswagen Truck & Busから分社化・上場し、2021年には米国のNavistarを完全統合したことで、欧州・北米・南米をカバーするグローバル体制が確立しました。

近年は電動化投資を大幅に拡大しており、MANの「eTruck」量産開始やScaniaの長距離BEV投入など、グループ全体でゼロエミッション車のラインアップを強化しています。共通プラットフォーム戦略により、電動化・コネクテッド技術の開発効率を高め、世界の中大型トラック市場で存在感を高めています。さらに詳しく

MAN(マン)について

MANはドイツに本拠を置く商用車メーカーで、現在はフォルクスワーゲングループ傘下の TRATON(トレイトン)グループの主要ブランドとなっています。トラック・バス事業を担う MAN Truck & Bus は欧州で強い販売基盤を持ち、2024〜2025年には新型電動トラック「MAN eTruck」の量産を開始するなど、電動化を急速に進めています。 動力部門は MAN Energy Solutions として船舶・発電向けエンジン事業を展開しており、世界的なライセンサーとして高い地位を維持しています。 

Scania(スカニア)について

Scaniaはスウェーデンに本拠を置く商用車メーカーで、現在はフォルクスワーゲングループ傘下の TRATON(トレイトン)グループの主要ブランドとなっています。トラック・バスの高い品質と耐久性で知られ、欧州に加えてラテンアメリカやアジアでも強い販売基盤を持っています。近年は電動化を急速に進めており、長距離向けの電動トラックやバスの投入を拡大しています。燃費効率の高いディーゼル車やバイオ燃料対応車にも強みを持ち、持続可能な輸送ソリューションの提供を進めています。

Navistar International(ナビスター・インターナショナル)について

Navistar Internationalは、米国に本拠を置く商用車メーカーで、トラック・バス事業を中心に展開しています。スクールバスブランド「IC Bus」で高い存在感を持ち、北米の中・大型トラック市場でも長年主要プレイヤーとして位置づけられてきました。2016年にフォルクスワーゲングループと資本提携し、2021年にTRATON(トレイトン)グループへ完全統合されました。統合後は、北米事業の中核ブランドとして位置づけられ、電動化や自動運転技術の導入が進んでいます。Auroraとの協業などを通じて、自動運転トラックの実証も拡大しています。

PACCAR Inc(パッカー)

パッカーは、米国ワシントン州ベルビューに本拠を置く商用車メーカーで、Kenworth、Peterbilt、DAFの3ブランドを展開しています。北米の大型トラック市場で強い存在感を持ち、欧州ではDAFを通じて中大型トラックを供給しています。高い収益性とアフターマーケット事業の強さが特徴で、近年はバッテリーEVや水素トラックの開発、自動運転技術との連携にも取り組んでいます。

ISUZU MOTORS LIMITED (いすゞ自動車株式会社)

いすゞ自動車は、日本を代表する商用車メーカーで、小型から大型トラック、ピックアップ、ディーゼルエンジンをグローバルに展開しています。1990年代末に経営危機からGM傘下となりましたが、その後独立し、現在はトヨタと資本提携を行っています。2019年にUDトラックスをボルボから買収し、国内商用車市場はいすゞ・三菱ふそう・日野の3社体制となりました。近年は小型BEVトラック「ELF BEV」など電動化製品の投入を進めています。

Iveco Group (イヴェコグループ、旧CNHインダストリアル)

イヴェコグループは、イタリア系の商用車・パワートレインメーカーで、かつてCNHインダストリアルの一部として農機・建機・商用車を展開していました。2022年に商用車・トラック事業を担うIveco Group N.V.として分社化・上場し、現在はトラック・バス・特殊車両、そしてFPT Industrialによるパワートレイン事業を展開しています。天然ガス車やハイブリッド車に強みを持ち、欧州・中東・南米などで多用途の商用車を供給しています。さらに詳しく

Dongfeng Motor Group Co.,Ltd.(東風汽車集団有限公司)

東風汽車集団は、中国に本拠を置く国有自動車メーカーで、乗用車・商用車・部品事業を幅広く展開しています。トラック分野では、国内向け中・大型トラックのほか、合弁を通じて技術提携を行い、エンジン・安全技術の高度化を進めています。乗用車では日産や本田などとの合弁事業を通じて中国市場で存在感を持ち、商用車では物流・建設・インフラ向け需要を取り込んでいます。

China National Heavy Duty Truck Group Co. Ltd(CNHTC、 Sinotruk Group、中国重型汽車集団、重汽集団)

中国重型汽車集団(Sinotruk Group)は、中国政府系の重型トラックメーカーで、Sinotrukブランドを中心に重型トラック・バスを製造しています。

香港上場子会社の中国重汽(Sinotruk Hong Kong)を通じて資本市場にアクセスし、黄河、SITRAK、HOWOなど複数ブランドで中国国内および海外市場に展開しています。近年はMANとの技術提携を背景に高級大型トラックや電動モデルの開発を進め、インフラ建設や物流需要の拡大を取り込んでいます。

Hino Motors, Ltd.(日野自動車株式会社)

日野自動車は、トヨタ自動車グループの商用車メーカーで、中大型トラック・バスを中心に事業を展開しています。アジア・中東・南米などで強い販売基盤を持ち、トヨタとの連携を通じてハイブリッド・燃料電池技術の導入を進めています。近年は排出ガス認証問題への対応や事業再建が課題となる一方、商用車連合(CJPT)を通じてゼロエミッション商用車の開発に取り組んでいます。

トヨタ自動車について

トヨタ自動車は、1937年に豊田喜一郎氏などによって設立された日本を代表する自動車メーカーです。かつては世界首位を米GMと競い、現在はVW(フォルクスワーゲン)やルノー・日産・三菱自動車連合と首位を競っています。2016年にダイハツ工業を完全子会社化し小型車の開発を強化しています。商用車では日野トラックとの連携を深めています。CASEや燃料電池といった今後の自動車業界の技術革新に備え、マツダやスズキとも業務提携を行い、緩やかな連合体制を構築しています。トヨタ車体の親会社でSUBARUは持分法適用会社です。さらに詳しく

China FAW Group Co.,Ltd.(中国第一汽車集団有限公司、FAW)

FAW集団(中国第一汽車集団)は、中国を代表する国有自動車メーカーで、乗用車からトラック・バスまでフルラインナップを展開しています。紅旗ブランドの乗用車や、解放ブランドのトラックなどを通じて、中国国内で広範な市場を持ちます。トラック分野では、合弁や技術提携を通じてエンジン・安全技術の高度化を進めており、中国のインフラ投資や物流需要の拡大に支えられて事業を拡大しています。

Shacman(Shaanxi Automobile Holding Group/陜西汽車集団)

陜西汽車集団(Shacman)は、中国・陝西省に本拠を置く商用車メーカーで、1968年に設立されました。重型トラックを中心に事業を展開し、MANとの技術提携を通じてエンジンや車両技術を導入しています。中国国内の建設・鉱業・物流向けに多くの車両を供給しており、近年は中・大型電動トラックの開発や輸出拡大にも取り組んでいます。

Foton Motor(北汽福田汽車)

北汽福田汽車(Foton Motor)は、北京汽車グループ傘下の商用車メーカーで、トラック、バス、ピックアップ、農業機械などを製造しています。中国国内では軽・中型トラックで高いシェアを持ち、海外ではアジア・アフリカ・南米などへ輸出を拡大しています。ダイムラーとの合弁を通じて高級トラックブランド「Auman」などを展開し、近年は電動バス・電動トラックの開発にも注力しています。

Tata Group(タタ)

タタ自動車は、インドのタタグループ傘下の総合自動車メーカーで、乗用車から商用車まで幅広く展開しています。商用車ではインド国内で最大級のシェアを持ち、トラック・バスを南アジア・アフリカ・中東などへ輸出しています。乗用車ではジャガー・ランドローバーを傘下に持ち、グローバル展開を進めています。近年は電動バスや電動トラックの導入を進め、インド国内の都市交通・物流の電動化に貢献しています。さらに詳しく

Ashok Leyland(アショック・レイランド)

アショック・レイランドは、インドのヒンドゥージャ・グループ傘下の商用車メーカーで、トラック・バスを中心に事業を展開しています。インド国内では中・大型バスで強い地位を持ち、スクールバスや都市バスなど公共交通向け車両を多数供給しています。日産との提携を通じて軽商用車分野にも進出しており、近年は電動バスや低排出トラックの開発を進めています。

Beijing Automotive Group(北京汽车工业控股)

北京汽車工業控股は、中国政府系の大手自動車グループで、乗用車・商用車・EVを幅広く展開しています。商用車は傘下の北汽福田汽車(Foton Motor)が中心となり、ダイムラーとの合弁「北京福田戴姆勒汽車(BFDA)」を通じて中大型トラックを生産しています。中国国内で高いシェアを持ち、アジア・アフリカなど海外展開も進めています。

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

シェアをする

  • facebook
  • hatebu
  • linkedin
  • line
EN