ジッパー・ファスナー業界の世界シェアと市場規模について分析をしています。YKK、コーツ、SBSといったファスナー大手の動向も掲載しています。
【ジッパー・ファスナー業界とは】
ジッパー・ファスナーには、3種類のタイプがあります。金属製のタイプ。樹脂のタイプ。また業務用に使用できる、樹脂の部分がテープに射出成型されたタイプです。
YKKではファッションだけではなく、用途に特化したファスナーも製造しています。
農業・水産業・工業にも対応できるファスナーが、シェアトップを続ける技術力を物語っています。
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【市場シェアとランキング】
ジッパー・ファスナー各社の2023年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2020年のジッパー・ファスナー業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はYKK、2位SBS、3位がコーツグループとなります。ジッパー・ファスナー会社におけるジッパー・ファスナー部門の数値抽出ができない場合は、ランキングから外しております。
ジッパー・ファスナーメーカーの世界シェアと業界ランキング(2023年)©2024 Deallab
ファスナー業界の世界1位はYKKです。最近打倒YKKを目指して急成長している2位の中国SBSとの差はまだ大きいです。
業界全体として、非常に分散的(フラグメンテッド)です。長年業界1位であるYKKの優位は揺らがないものの、アジア、特に中国や台湾のメーカーがジッパー製造に多数参入しており、今後はコストと品質がより重視されていくと思われます。
【市場規模】
当データベースでは、2023年のファスナー・ジッパー業界の市場規模を183億ドルとしております。参照した各種調査データは次の通りとなります。
調査会社のリサーチアンドマーケッツによると、2023年の同市場規模は183億ドルです。2030年にかけて年平均3.7%で成長し、規模は236億ドルへと拡大することを見込んでいます。⇒参照したデータの詳細情報
年 | 市場規模 | 成長率見込み |
---|---|---|
2023年 | 183億ドル | – |
2030年 | 236億ドル | 3.7%/年平均 |
【M&Aの動向】
2018年 YKK株式会社とYKKファスニングプロダクツ販売株式会社が合併
【会社の概要】
YKK
日本に本拠を置く世界を代表するファスナー・ジッパーメーカーです。年間約100億本のファスナーを生産しています。質で他社を圧倒しています。窓やサッシなど住宅設備事業にも強みを持ちます。
Coats Group(コーツグループ)
英国に本拠を置く紡績関連メーカーです。縫い糸の分野の巨人です。ファスナーやジッパーにも強みを持ちます。
SBS Zipper Science & Technology(福建浔兴拉链科技股份有限公司、SBS)
1984年に創業した中国を代表するファスナー専業メーカーです。打倒YKKを掲げ、アディダスやDecathlonなど有力アパレルメーカーへの納入実績も重ねつつあります。中国勢にはYCCジッパーやYQQジッパーといった、YKKを明らかに意識したジッパーメーカーが多数存在します。
KAO SHING ZIPPER(カオシンジッパー)
1980年に創業された台湾のジッパーメーカーです。2019年の売上高は約20百万ドルです。
Riri Corporation(リリ)
1923年に設立されたスイスに本拠をおくデザイナージッパーメーカーです。Merasブランドでメタルジッパーを展開しています。現在は投資ファンドのChequers Capital傘下です。
Ideal Fastener Corporation(アイディアルファスナーコーポレーション)
1936年に設立された米国に本拠を置くジッパーメーカーです。米国、中国、バングラディッシュ、トルコに工場を保有しています。アパレル、自動車、家具、防衛といった産業向けにジッパーを提供しています。
Max Zipper(マックスジッパー)
1978年に設立された台湾に本拠を置くジッパーメーカーです。
参照したデータの詳細情報について
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