Stanley Black & Decker(スタンレー・ブラック&デッカー)は米国を代表する世界最大級の電動工具メーカーです。2010年にStanley Works(スタンレー・ワークス)とBlack & Decker(ブラック・アンド・デッカー)が経営統合をして誕生しました。赤と黒でコーディネートされた電動ドリルは有名です。NYSEに上場しています。電動工具、インダストリアルファスニングの2つの事業部門から構成されています。なお、スタンレーワークスは、1843年に米国コネチカット州でフレデリック・スタンレーが設立した老舗です。
2019年度
売上高は14,442百万ドルで、前年度比3%増となりました。営業利益は1360百万ドルになりました。営業利益率は9%になりました。販売量の増加は売上を1%上昇させ、販売価格の上昇は売上を1%上昇させました。
2020年度
売上高は14,535百万ドルで、前年度比1%増となりました。営業利益は1472百万ドルになりました。営業利益率は10%になりました。上半期のパンデミック関連のマイナスの影響は、下半期の成長により相殺されました。
2021年度
売上高は15,281百万ドルで、前年度比5%増となりました。営業利益は1763百万ドルになりました。営業利益率は12%になりました。売上の増加は、販売量の増加、販売価格の上昇、企業買収が要因です。
2022年度
売上高は16,947百万ドルで、前年度比11%増となりました。営業利益は322百万ドルになりました。営業利益率は2%になりました。販売価格を上昇させましたが、インフレ、サプライチェーンコストの上昇、生産コストの増加、生産量の減少によって減益となりました。
2023年度
売上高は15,781百万ドルで、前年度比7%減となりました。営業利益は3百万ドルの赤字になりました。販売価格の上昇により売上は1%増加しましたが、販売量の減少は売上を7%減少させ、原油価格の下落は売上を1%減少させ、通年度の売上は減少しました。
2023年第1四半期(1ー3月)
売上高は3,932百万ドルになりました。営業利益は10百万ドル、営業利益率はほぼ0%になりました。売上は前年同期比で12%減少しました。販売価格が上昇したことにより売上は2%増加しましたが、販売量の低下による売上の減少が響きました。
2023年第2四半期(4ー6月)
売上高は4,159百万ドルになりました。営業利益は95百万ドル、営業利益率は2%になりました。売上は前年同期比で5%減少しました。販売価格が上昇したことにより売上は1%増加しましたが、販売量の低下による売上の減少が響きました。
2023年第3四半期(7ー9月)
売上高は3,954百万ドルになりました。営業利益は266百万ドル、営業利益率は7%になりました。売上は前年同期比で4%減少しました。販売量の低下による減少が3%で、販売価格低下による減少が1%でした。粗利率は2.9ポイント増加しました。これは、在庫整理コストの低下、サプライチェーン変革のメリット、配送コストの低下が販売数量減少による影響を十分に相殺したためです。
2023年第4四半期(10ー12月)
売上高は3,737百万ドルになりました。営業利益は9百万ドル、営業利益率はほぼ0%になりました。売上は前年同期比で6%減少しました。販売量の低下による減少が7%で、為替変動による売上の増加は1%でした。粗利率は2.2ポイント増加しました。これは、在庫整理コストの削減、サプライチェーン変革のメリット、配送コストの削減により、販売数量減少による影響を十分に相殺したためです。
2024年第1四半期(1ー3月)
売上高は3,870百万ドルになりました。営業利益は136百万ドル、営業利益率は4%になりました。売上は前年同期比で2%減少しました。販売量の低下による減少が1%で、為替変動による減少が1%でした。粗利率は前年同期比で7ポイント増加しました。これは主に、在庫整理コストの低下、サプライチェーン改革のメリット、配送コストの低下によるものです。
希薄化後EPSは前年度比277%減のマイナス1.88ドルになりました。1株当たりの配当は前年度比1%増の3.22ドルになりました。配当性向はマイナス171%になりました。
2024年4月
2024年度第一四半期のレポートにて、2024年度通期の売上は自律成長で1から3%、調整後EBITDAは10%以下の増加を予定していると掲載されています。
セグメントは、ツール&アウトドア、インダストリアルに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。
ツール&アウトドア
パワーツールグループ、ハンドツール、ストレージ、アウトドアパワー機器の製品ラインで構成されており、DEWALT、CRAFTSMAN、STANLEY、BLACK+DECKER、CUB CADETなどのブランドで販売されています。具体的には、電動工具及びドリルビッドなどの 付属品、手動工具(測定器、レベリング、レイアウトツール、カンナ、ハンマー、解体ツール、クランプ、万力、ナイフ、のこぎり、ノミ)、掃除機、ペイントツール、工具箱、のこぎり、医療用キャビネット、ヘッジトリマー、ストリングトリマー、芝刈り機、高圧洗浄機などの製品を取り扱っています。
インダストリアル
締め具事業とインフラストラクチャ事業で構成されます。締め具事業の取扱商品は、ファスナー、継手、特注コンポーネントです。具体的には、ねじ、ファスナー、リベットなどを取り扱っています。締め具事業では、自動車、製造、エレクトロニクス、建設、航空宇宙業界の顧客に販売しております。インフラストラクチャー事業は建設、スクラップリサイクル、解体、鉄道インフラの用途向けの手持ち式油圧ツールやバッテリー駆動ツールの設計、製造、販売を行っています。
1980年 自動車用手動工具、電動工具、作業場用機器、診断ソリューションのメーカーおよび販売代理店であるMac Toolsを買収
2012年 ドアノブ、シャワ等住宅設備等を手掛けるホームセンター部門をスペクトラム・ブランズへ売却
2017年 アーウィンやレノックスブランドを展開するニューウェル・ブランズ工具部門のニューウェル・ツールを買収
2017年 工具、園芸用品、作業服などを提供するクラフツマンをシアーズホールディングスから買収
2021年 芝刈り機大手のMTDホールディングスと天井クレーンシステムの設計・製造を行うExcel Industriesを買収
2021年 Securitas ABに鍵事業を売却