1999年にマーク・ベニオフ氏によって設立された米国に本拠をおくクラウド型のCRMアプリケーション提供大手です。営業支援サービスのSales Cloud、カスタマーサービスのService Cloudなどが有名です。2018年に業務ソフトのミュールソフト、2019年にデータ解析のタブロー、2020年にSlack（スラック）運営会社の買収に合意しました。

業績推移（年次）

2018年度
売上高は132.8億ドルで、前年度比26%増となりました。営業利益は5.3億ドルになりました。営業利益率は4%になりました。

2019年度
売上高は170.9億ドルで、前年度比28.7%増になりました。営業利益は2.9億ドルになりました。営業利益率は1.7%で、前年度の4%より減少しました。この減少の理由は、人件費の上昇、データセンターの要領を増やすなどのコスト増加が挙げられます。

2020年度
売上高は212.5億ドルで、前年度比24.3%増となりました。営業利益は4.5億ドルになりました。営業利益率は2.1%で、前年度とほぼ同じ値になりました。

2021年度
売上高は264.9億ドルで、前年度比24.6%増となりました。営業利益は5.4億ドルになりました。営業利益率は2.1%で、前年度と同じ値です。

2022年度
売上高は313.5億ドルで、前年度比18%増となりました。売上増の理由は前年と同じで、既存顧客のソフトアップグレード件数増加と新規顧客の獲得によるものです。営業利益は10.3億ドルになりました。営業利益率3%で、前年度とほぼ同じ値です。

業績推移（四半期）

2023年度第1四半期（2ー4月）
売上高は前年同期比24.2%増の74.1億ドルになりました。営業利益は0.2億ドル、営業利益率は0.3%になりました。

2023年度第2四半期（5ー7月）
売上高は前年同期比21.7%増の77.2億ドルになりました。営業利益は1.9億ドル、営業利益率は2.5%になりました。

2023年度第3四半期（8ー10月）
売上高は前年同期比14.1%増の78.3億ドルになりました。営業利益は4.6億ドル、営業利益率は5.9%になりました。

2023年度第4四半期（11ー1月）
売上高は前年同期比14.4%増の83.8億ドルになりました。営業利益は3.5億ドル、営業利益率は4.3%になりました。

2024年度第1四半期（2ー4月）
売上高は前年同期比11.2%増の82.4億ドルになりました。営業利益は4.1億ドル、営業利益率は5%になりました。

EPS・配当額・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比85.8%減の0.21ドルになりました。1株当たりの配当は例年通り0ドルです。

業績予想

2023年7月
今期の売上高は347億から348億ドル、営業利益率は30%を予定しています。

売上構成

セグメントは、セールス、サービス、プラットフォーム、マーケティング、データに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

セールス
セールスチーム向けのクラウドベースのCRMソリューションです。リード管理、取引追跡、見積もり作成などの機能を提供し、売上を最大化するためのツールを提供します。

サービス
カスタマーサポートと顧客対応の為の事業です。カスタマーサービス、ヘルプデスク管理、ケース管理などの機能を提供して、顧客満足度を向上させる支援を行います。

プラットフォーム
アプリケーションの開発、カスタマイズを行う事業です。App Cloud や Heroku などの開発プラットフォームを提供し、顧客固有のアプリケーションを構築できる環境を提供します。

マーケティング
マーケティングキャンペーンの計画、実行、分析を支援し、ターゲットオーディエンスに向けた効果的なコミュニケーションを実現します。

データ
企業の顧客のビジネスデータを理解し、解析し、より効率的な作業の提案や結果の予測が可能なソフトを提供します。

M＆A情報

2018年　業務ソフト開発のMuleSoftを買収
2019年　データ解析のTableauの買収
2019年　クラウドベースのフィールドサービスウ管理やワークフォース管理を提供しているClickSoftwareの買収
2020年　企業向けコミュニケーションツールのSlackの買収
2021年　営業チーム支援ソフトを開発するTroops.aiを買収
2021年　AIを活用した従業員のトレーニングプラットフォームを開発するLevelJumpを買収
2022年　データ管理ソフト開発のPhennecsを買収

株主構成

創業者のマーク・ベニオフ（Marc Benioff）氏が大株主として残ります。