Pfizer(ファイザー)は、1849年創業の米国に本拠を置く世界最大級の製薬会社です。2000年のワーナー・ランバート、2003年のファルマシア、2009年のワイス、2015年の後発医薬品の米ホスピーラ等積極的な買収を行っています。循環器、中枢神経、鎮痛やワクチンなどの領域に強みを持ちます。2014年に英アストラゼネカ買収を提案するが拒否されました。2015年に後発薬大手のアクタビスを傘下に持つAllergan(アラガン)の買収を発表しましたが、2016年に買収を断念しています。同年にはバイオ医薬品大手のメディベーションを買収しました。2018年に、グラクソ・スミスクライン(GSK)と一般用医薬品(大衆薬)事業の統合をしました。後発薬事業はアップジョンで展開しています。2019年にマイランと後発薬事業の経営統合を発表しています。新会社のViatris(ヴィアトリス)はファイザーの子会社となる予定です。2020年以降、新型コロナのワクチン開発で先頭を走っています。
2019年度
売上高は41,172百万ドルで、前年度比1%増となりました。営業利益は10,867百万ドルになりました。営業利益率は26%になりました。
2020年度
売上高は41,908百万ドルで、前年度比2%増となりました。営業利益は7,021百万ドルになりました。営業利益率は17%になりました。コンシューマー・ヘルスケア分野を除くと、売上高は8%増加しました。
2021年度
売上高は81,288百万ドルで、前年度比94%増となりました。営業利益は22,459百万ドルになりました。営業利益率は28%になりました。売上の増加は、Comirnaty (COVID-19ワクチン) と Paxlovid (COVID-19治療薬) の成長によるものです。
2022年度
売上高は100,330百万ドルで、前年度比23%増となりました。営業利益は31,401百万ドルになりました。営業利益率は31%になりました。売上の増加は、Comirnaty (COVID-19ワクチン) と Paxlovi (COVID-19治療薬) の成長によるものです。
2023年度
売上高は58,496百万ドルで、前年度比42%減となりました。営業利益は2,172百万ドルになりました。営業利益率は4%になりました。売上の減少は、Comirnaty (COVID-19ワクチン) と Paxlovi (COVID-19治療薬) の売上が大幅に減少したためです。この影響を除くと、売上は7%増加しました。
2022年第4四半期(10ー12月)
売上高は24,290百万ドルになりました。営業利益は5,000百万ドル、営業利益率は21%になりました。
2023年第1四半期(1ー3月)
売上高は18,282百万ドルになりました。営業利益は5,555百万ドル、営業利益率は30%になりました。今期の売上は前年同期と比較して29%減少しました。これは、Comirnaty (COVID-19ワクチン) の売上が大幅に減少したためです。
2023年第2四半期(4ー6月)
売上高は12,734百万ドルになりました。営業利益は2,340百万ドル、営業利益率は18%になりました。今期の売上は前年同期と比較して54%減少しました。これは、Comirnaty (COVID-19ワクチン) と Paxlovi (COVID-19治療薬) の売上が大幅に減少したためです。
2023年第3四半期(7ー9月)
売上高は13,232百万ドルになりました。営業利益は2,388百万ドルの赤字になりました。今期の売上は前年同期と比較して42%減少しました。これは、Comirnaty (COVID-19ワクチン) と Paxlovi (COVID-19治療薬) の売上が大幅に減少したためです。営業利益が前期と比較し大きく減少したのは、製造コストが大きく増加した為です。
2023年第4四半期(10ー12月)
売上高は14,249百万ドルになりました。営業利益は3,335百万ドルの赤字になりました。今期の売上は前年同期と比較して41%減少しました。これは、Comirnaty (COVID-19ワクチン) と Paxlovi (COVID-19治療薬) の売上が大幅に減少したためです。
希薄化後EPSは前年度比93%減の0.37ドルになりました。1株当たりの配当は前年度比2%増の1.65ドルになりました。配当性向は446%になりました。
2024年1月
2023年度第四四半期のレポートにて、2024通期の売上は54,500百万から57,500百万ドル、調整後希薄化後EPSは2.45から2.65ドルを予定していると掲載されています。
セグメントは、プライマリーケア、スペシャルケア、がん治療、イノベーションに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。
プライマリーケア
COVID-19ワクチン、予防接種ワクチン、片頭痛の予防薬、更年期障害治療薬、などがこのセグメントに含まれます。
スペシャルケア
神経障害治療薬、細菌感染症治療薬、建設炎治療薬、脊髄炎治療薬、成長ホルモン、クローン病治療薬、血友病治療薬、先端巨大症治療薬、静脈血栓塞栓症の治療・予防薬、感染症治療薬、アトピー性皮膚炎治療薬などがこのセグメントに含まれます。
がん治療
幅広い種類のがんに対する生物学的製剤、低分子製剤、免疫療法剤、バイオシミラーなどを開発しており、Ibrance(転移性乳がん治療薬)などが含まれます。
イノベーション
Pfizer CentreOne、Pfizer Igniteというブランドで、研究開発サービスを提供しています。
製品・地域補完のために積極的に買収を行っています。
2000年 薬品企業ワーナーランバートを買収
2003年 薬会社Pharmaciaを買収
2004年 イオ医薬メーカーEsperion Therapeuticsを買収
2005年 イオ医薬メーカーの仏Vicuronを買収
2005年 抗体医薬メーカー米Biorenを買収
2007年 ワクチンメーカーの米Coleyを買収
2008年 アニマルヘルスメーカーの米Schering-Ploughからいくつかの事業を買収
2009年 バイオ医薬品とワクチンに強みを持つワイスを買収
2013年 動物薬事業をZoetisとして分社化
2014年 バクスターからのワクチン事業の買収
2015年 米ジェネリック薬大手のホスピーラを買収
2016年 バイオ医薬品大手のメディベーションを買収
2018年 グラクソ・スミスクライン(GSK)と一般用医薬品(大衆薬)事業の統合
2019年 Array BioPharma(アレイバイオファーマ)を買収
2020年 マイランと後発薬事業を経営統合
2021年 免疫治療に強みを持つ製薬会社Amplyx Pharmaceuticalsを買収
2021年 がん治療薬に強みを持つTrillium Therapeuticsを買収
2022年 バイオ製薬企業のアリーナを買収
2022年 バイオ製薬企業のReViralを買収
2022年 頭痛薬に強みを持つBiohaven Pharmaceuticalsを買収
2022年 バイオ製薬企業のGlobal Blood Therapeuticsを買収
2023年 バイオテクノロジー企業のSeagenを買収