ニューウェル・ブランズは2015年にNewell Rubbermaid(ニューウェル・ラバーメイド)とジャーデングループが経営統合をして誕生しました。ニューウェルラバーメイドは1903年に設立されたニューウェルと1920年に設立されたウォーターラバーカンパニーの流れを汲みます。1998年にニューウェルとラバーメイドが経営統合をして誕生しました。日用雑貨、家庭用品、室内装飾品、筆記具等の消費者向けブランドに強みを持っています。ジャーデングループは、1993年に製罐大手のBall Corporation(ボール・コーポレーション)より分社化して誕生しました。分社化後にアウトドア、家電関連等の各種ブランド製品を買収して成長しています。
2019年度
売上高は9,715百万ドルで、前年度比4%減となりました。営業利益は482百万ドルの赤字になりました。全セグメントで売上が減少しました。特に家電製品および調理器具、食品、家庭・屋外生活用品の売上が減少しました。
2020年度
売上高は9,385百万ドルで、前年度比3%減となりました。営業利益は634百万ドルの赤字になりました。子供用品セグメントとアウトドアセグメントの売上減少によるものです。子供用品セグメントは、消費者の購買パターンの変化、ならびにCOVID-19パンデミックによる学校やオフィスの一時閉鎖の影響を受けました。アウトドアセグメントにおいては全体的な需要の低下の影響を受けました。
2021年度
売上高は10,589百万ドルで、前年度比13%増となりました。営業利益は1,013百万ドルになりました。営業利益率は10%になりました。売上はすべてのセグメントと主要地域で成長が見られました。この成長は、販売価格の上昇と、手の保護、ガレージと屋外の整理、キッチン家電、生鮮食品の保存、調理器具、ベーキング用品、香り付きキャンドル、ベビー用品、筆記具、ラベル、アウトドアのカテゴリーに対する強い需要を反映しています。営業利益の増加は、2020年第2四半期に発生したCOVID-19関連のロックダウンの結果として最も落ち込んだ消費レベルが回復傾向にあることと、ニューウェルブランズの製造拠点とヤンキーキャンドルの店舗が再開されたことを反映しています。
2022年度
売上高は9,459百万ドルで、前年度比11%減となりました。営業利益は312百万ドルになりました。営業利益率は3%になりました。売上の減少は、小売業者が在庫のバランス調整のために注文を大幅に減らしたことによる世界的な需要の軟化、家電製品とアウトドア・レクリエーション部門のカテゴリーからの撤退の影響です。営業利益の減少は、粗利の減少によるものです。粗利率の低下は、販売量の減少に伴う吸収コストの増加、在庫レベル上昇を抑えるための販売促進活動の増加、および商品、調達完成品、輸送、労働力の大幅な投入コスト上昇によるものです。
2023年度
売上高は8,133百万ドルで、前年度比14%減となりました。営業利益は85百万ドルの赤字になりました。売上高は、世界的な需要の低迷、流通の減少、および主にホームおよびコマーシャル ソリューション部門でのカテゴリーからの撤退によりマイナスの影響を受けましたが、販売価格設定措置により部分的に相殺されました。営業利益の減少は、粗利益の減少、施設閉鎖に関連する再建費用およびそれに付随した関連費用の増加、インセンティブ報酬費用の増加が影響したためです。
2023年第1四半期(1ー3月)
売上高は1,805百万ドルになりました。営業利益は36百万ドルの赤字になりました。売上は前年同期比で24%の減少で、自律成長率はマイナス18%でした。これは、為替変動の不利益と事業撤退が影響した為です。営業利益率は、純売上高の減少、粗利益率の低下、事業再編費用の増加が影響し、前年同期比で11ポイント減少しました。
2023年第2四半期(4ー6月)
売上高は2,204百万ドルになりました。営業利益は120百万ドル、営業利益率は5%になりました。売上は前年同期比で13%の減少で、自律成長率はマイナス12%でした。これは、為替変動の不利益と事業撤退が影響した為です。営業利益率は、売上高の減少、インフレ、事業再編およびその関連費用、非現金減損費用の増加が影響し、前年同期比で8ポイント減少しました。
2023年第3四半期(7ー9月)
売上高は2,048百万ドルになりました。営業利益は159百万ドルの赤字になりました。売上は前年同期比で9%の減少で、自律成長率はマイナス9%でした。事業撤退が売上に影響しています。営業利益率は、売上高の減少、インフレ、事業再編およびその関連費用、非現金減損費用の増加が影響し、前年同期比で10ポイント減少しました。
2023年第4四半期(10ー12月)
売上高は2,076百万ドルになりました。営業利益は10百万ドルの赤字になりました。売上は前年同期比で9%の減少で、自律成長率はマイナス12%でした。これは、為替変動の不利益と事業撤退が影響した為です。営業利益率は、前年同期比で3ポイント増加しました。これは、平均販売価格の上昇、生産性の向上、事業再編およびそれに付随した関連コストの削減による貢献が、売上高の減少、インフレ、広告宣伝費の増加の影響を上回ったためです。
2024年第1四半期(1ー3月)
売上高は1,653百万ドルになりました。営業利益は16百万ドル、営業利益率は1%になりました。。売上は前年同期比で8%の減少で、自律成長率はマイナス5%でした。これは、為替変動の不利益と事業撤退が影響した為です。粗利益率は、前年同期の 27.1% に対して 31.2% で、3 四半期連続で前年同期比において改善しています。
ption id="attachment_24293" align="alignnone" width="600"] ニューウェル・ブランズの四半期業績推移[/caption]
希薄化後EPSは前年度比1.41ドル減のマイナス0.94ドルになりました。1株当たりの配当は前年度比52%減の0.44ドルになりました。
ption id="attachment_24293" align="alignnone" width="600"] ニューウェル・ブランズのEPS・配当額・配当性向の推移[/caption]
2024年4月
2024年度第一四半期のレポートにて、2024年度通期の売上は5%から8%減少、営業利益率は7.8%から8.2%を予定していると掲載されています。
セグメントは、ホームメンテナンス、子供用品、アウトドアに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。
ホームメンテナンス
クローゼットおよびガレージの整理、衛生システムおよび資材処理ソリューション、キッチン家電を含む家庭用品、食品および家庭用保存製品、生鮮保存製品、真空シール製品、グルメ調理器具、ベーキング用品、カトラリー、家庭用フレグランス製品を取り扱っています。以下のブランドがこのセグメントに含まれます。Ball , Calphalon, Crockpot, FoodSaver, Mapa, Mr. Coffee, Oster, Rubbermaid, Rubbermaid Commercial Products, Sistema, Spontex, Sunbeam, WoodWick and Yankee Candle
子供用品
マーカー、蛍光ペン、ペン、鉛筆などの筆記具、ラベル機器を取り扱っています。以下のブランドがこのセグメントに含まれます。Dymo, Elmer’s, EXPO, Graco, NUK, Paper Mate, Parker and Sharpie
アウトドア
機能性衣類や持ち運びに便利な飲料容器を取り扱っています。以下のブランドがこのセグメントに含まれます。Campingaz, Coleman, Contigo and Marmot
2015年 ニューウェルラバーメイドとジャーデングループが経営統合し、ニューウェル・ブランズに社名を変更
2015年 接着剤・修理関連メーカーのエルマーを買収
2016年 アーウィンやレノックス等工具関連の事業をスタンレーブラック&デッカーに売却
2017年 ライター、点火装置、つまようじ、洗濯ばさみ、物干しざおなどの事業をアウトドア調理用品で知られるRoyal Oak Enterprisesへ売却
2017年 食品保存容器の大手メーカーのシステマプラスチックを買収
2017年 テニス・スキーのブランドのフォルクル(Völkl)やスノーボードのK2、Dalbello、Madshus、Line、Full Tilt、Atlas、Tubbs、Ride、BCAブランドをKohlberg and Companyに売却
2018年 Berkley(バークレー)、アブ・ガルシア (AbuGarcia)、ロッズやリールブランドのShakespeare(シェイクスピア)、PENN(ペン)、Ugly Stik(アグリー スティック)などのブランドを保有する、釣り具事業のPure Fishingをシカモアパートナーズに売却
2019年 高校、大学、プロスポーツチーム向けの卒業アルバム、クラスリング、卒業記念品、その他の記念品の制作で知られるJostensをPlatinum Equityに売却