Estee Lauder(エスティローダー)は、1946年に設立された米国に本拠を置く世界的な化粧品会社です。スキンケア、メーキャップ、香水、ヘアケアの分野に強みを持ちます。特殊株式を保有し過半数の議決権をおさえるローダー家の影響力は絶大です。
2019年度
売上高は14,863百万ドルで、前年度比9%増となりました。営業利益は2,313百万ドルになりました。営業利益率は16%になりました。売上高の増加は、欧州、中東およびアフリカ、アジア太平洋地域での力強い成長と、スキンケアおよびメイクアップ製品カテゴリーの継続的な成長によるものです。
2020年度
売上高は14,294百万ドルで、前年度比4%減となりました。営業利益は606百万ドルになりました。営業利益率は4%になりました。営業利益率が大きく減少したのは、のれんの減損が大きな要因の一つにあげられます。
2021年度
売上高は16,215百万ドルで、前年度比13%増となりました。営業利益は2,618百万ドルになりました。営業利益率は16%になりました。2021年度の売上高の増加は、主に前年同期と比較して会計年度下半期の売上高が増加したためです。2020年度の売上高は、「不要不急」とみなされる事業の一時閉鎖、渡航の禁止や制限、社会的距離の確保や隔離など、同会計年度の下半期に始まった新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる影響により売上高を伸ばすことが不可能でした。
2022年度
売上高は17,737百万ドルで、前年度比9%増となりました。営業利益は3,170百万ドルになりました。営業利益率は18%になりました。売上高は、すべての製品カテゴリーで増加しました。フレグランスセグメントの純売上高は、Jo Malone London、Tom Ford Beauty、Le Laboが牽引し、2桁の成長を遂げました。 前年同期と比較してメーキャップの回復に向けた継続的な進展が、M・A・C とEstée Lauderを筆頭としたメイクアップセグメントの純売上高の 2 桁増加に貢献しました。スキンケアセグメントの純売上高は、2021会計年度第4四半期におけるDECIEM社の所有権増加による純売上高の増加と、La Mer、Bobbi Brown、Cliniqueの増収による恩恵を受けましたが、Estée LauderとOriginsの減益により一部相殺されました。 ヘアケアセグメントに関しては、Aveda、Bumble and bumbleの売上高が増加しました。
2023年度
売上高は15,910百万ドルで、前年度比10%減となりました。営業利益は1,509百万ドルになりました。営業利益率は9%になりました。売上高は、販売量の減少により7%減少、為替の影響で4%減少しました。これらの売上高減少分を部分的に相殺したのは、価格設定の調整によるもので、売上高を1%だけ増加させました。セグメント別の売上高は、スキンケアセグメントで17%減少し、全体の売上高に悪影響を及ぼしました。
2023年第1四半期(07ー09月)
売上高は3,930百万ドルになりました。営業利益は661百万ドル、営業利益率は17%になりました。
2023年第2四半期(10ー12月)
売上高は4,620百万ドルになりました。営業利益は556百万ドル、営業利益率は12%になりました。
2023年第3四半期(01ー03月)
売上高は3,751百万ドルになりました。営業利益は297百万ドル、営業利益率は8%になりました。
2023年第4四半期(04ー06月)
売上高は3,609百万ドルになりました。営業利益は5百万ドルの赤字になりました。
2024年第1四半期(07ー09月)
売上高は3518百万ドルになりました。営業利益は98百万ドル、営業利益率は3%になりました。
希薄化後EPSは前年度比57%減の2.79ドルになりました。1株当たりの配当は前年度比11%増の2.58ドルになりました。配当性向は92%になりました。
セグメントは、スキンケア、メーキャップ、香水、ヘアケアに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。
スキンケア
保湿剤、美容液、洗顔料、化粧水、ボディケア、角質除去剤、ニキビケア、オイル補正剤、フェイシャルマスク、サンケア製品などを販売しています。
メーキャップ
口紅、リップグロス、マスカラ、ファンデーション、アイシャドウ、ネイルポリッシュ、パウダーを販売しています。
香水
オードパルファムスプレーやコロンのほか、特定の香りをベースにしたローション、パウダー、クリーム、キャンドル、ソープなどさまざまな形態で販売しています。
ヘアケア
シャンプー、コンディショナー、スタイリング剤、トリートメント、フィニッシングスプレー、ヘアカラー剤などを販売しています。
エスティ ローダー
1946年から販売されています。スキンケア、メーキャップ、香水などで展開しています。
アラミス
1964年から販売しているプレステージの男性用フレグランス、グルーミング、スキンケア製品ブランドです。
クリニーク
皮膚科医による研究に基づいたスキンケアとメイクアップ製品を1968年から展開しています。
ジョー マローン
1999年に買収をした英国初の香水ブランドです。
このほかトミーヒルフィガー、ダナ・キャラン・ニューヨーク、DKNY、マイケル・コース、エルメネジルド・ゼニアブランドで香水を展開しています。
地域や商品面での補完を目指したM&Aを積極的に行っています。
2016年 Becca Cosmetics(ベッカコスメティクス→2021年にブランド閉鎖)を買収
2016年 メイクアップブランドのToo Faced(トゥーフェイスド)を14.5億ドルで買収
2019年 韓国の化粧品メーカーである韓国のDr. Jart+(ドクタージャルト)を買収
2019年 韓国の化粧品メーカーであるHavenBを買収
2021年 カナダの化粧品会社であるデシエム(DECIEM)を22億ドルで買収
2023年 フレグランス、化粧品、スキンケアの美容ブランド TOM FORD (本社:ニューヨーク) の買収を完了(2,800百万ドル)
エスティローダーは上場会社ですが、種類株式を通じてローダー家が議決権の過半を保有しております。