台湾に本社を置くグローバルなテクノロジー企業で、主にコンピュータ関連製品、通信機器、コンシューマーエレクトロニクスの開発と製造を行っています。ASUSの歴史は、1989年にIBM製品に使用するマザーボード「ISA-386C」を発売したのが始まりです。その後、1995年に世界有数のマザーボードメーカーとなりました。さらには、1997年にノートパソコン、2003年には折り畳み携帯電話の販売を開始しています。 注力市場として、日本・韓国のほかに、成長著しいインド市場を挙げ、持続的に投資をしています。
2019年度
売上高は前年度比1%減の351,330百万台湾ドルになりました。営業利益は前年度比32%減の11,617百万台湾ドルになりました。営業利益率は3%となりました。上半期は、主要部品の需給の不均衡などにより利益が減少しました。 下半期は、製品イノベーションの開発を実行や運営管理を強化し、売上はプラス傾向に戻りました。
2020年度
売上高は前年度比17%増の412,780百万台湾ドルになりました。営業利益は前年度比115%増の24,957百万台湾ドルになりました。営業利益率は6%となりました。パンデミックによってリモートワーク、遠隔教育、オンラインエンターテイメントが普及し、コンピューターやコンピューター周辺機器の需要が高まり、増収増益となりました。
2021年度
売上高は前年度比30%増の535,239百万台湾ドルになりました。営業利益は前年度比98%増の49,326百万台湾ドルになりました。営業利益率は9%となりました。新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、リモートワークやオンライン学習が急速に普及し、ノートパソコンやデスクトップPCの需要が世界的に急増したため増収増益となったと推察します。
2022年度
売上高は前年度とほぼ同額の537,192百万台湾ドルになりました。営業利益は前年度比74%減の12982百万台湾ドルになりました。営業利益率は2%となりました。年度当初は非常に高い成長目標を設定しましたが、市場の成長が急速に下降し目標を達成することはできませんでした。出荷台数が前年比17%以上減少したPC市場全体と比較すると、ASUSは他のブランドと比較して成長規模が大きくなりました。
2023年度
売上高は前年度比10%減の482,314百万台湾ドルになりました。営業利益は前年度比14%減の11164百万台湾ドルになりました。営業利益率は2%となりました。市場の需要は不安定であり、この状況は上半期まで続くと予測していました。下半期に軌道に戻ることを目標に、運用効率とリソース配分を最適化し、下半期の収益と利益のプラス成長を達成することに成功しました。
エイスースの業績推移
2023年第1四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比20%減の111,398百万台湾ドルになりました。営業利益は3,121百万台湾ドルの赤字となりました。システムビジネス部門の売上は前年同期比で約30%減少しましたが、ゲーミングノートパソコンの世界市場シェアは1位を維持しました。オープンプラットフォームビジネス部門の売上は前年同期比で5%減少しました。
2023年第2四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比9%減の115,704百万台湾ドルになりました。営業利益は1,714百万台湾ドル、営業利益率は1%となりました。システムビジネス部門において、ゲーミングノートパソコンの世界市場シェアは1位で、ハイエンドのモデルがこの部門において売上の60%を占めました。この部門の売上は前年同期比で約10%減少しました。オープンプラットフォームビジネス部門の売上は前年同期比で5%減少しました。
2023年第3四半期(7ー9月)
売上高は前年同期比7%減の135,052百万台湾ドルになりました。営業利益は9,046百万台湾ドル、営業利益率は7%となりました。ゲーミングノートパソコンの世界市場シェアは1位でした。ゲーミングPC部門の売上は2019年度から年率20%で増加し続けています。AIoTビジネス部門の売上は累計前年同期比で30%増加しました。
2023年第4四半期(10ー12月)
売上高は前年同期比5%減の120,161百万台湾ドルになりました。営業利益は3,525百万台湾ドル、営業利益率は3%となりました。ゲーミングノートパソコンの世界市場シェアは1位でした。ゲーミングPC部門の売上は2019年度から年率20%で増加し続けています。サーバービジネス部門も好調で、前年同期比で売上は50%増加し、2027年度にかけて年率40%の売上増加を目指しています。
2024年第1四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比9%増の121,697百万台湾ドルになりました。営業利益は4,848百万台湾ドル、営業利益率は4%となりました。ゲーミングノートパソコンの世界市場シェアは25%で1位でした。マザーボードとグラフィックカードにおいても世界1位でした。AIoT部門の売上は前年同期比で売上が150%の増加となりました。
エイスースの四半期業績推移
希薄化後EPSは前年度比9%増の21.36台湾ドルになりました。1株当たりの配当は前年度比13%増の17台湾ドルになりました。配当性向は80%になりました。
エイスースのEPS・1株配当・配当性向の推移
セグメントは、3Cブランド、その他に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。
エイスースの売上構成(2023年度)
3Cブランド
3Cとは、コンピューター(computers)、通信機器(communication products)、および消費者向け電子機器(consumer electronics)を指します。
コンピューター: ラップトップ、デスクトップ、マザーボード、グラフィック カードが含まれます。
通信:ネットワーク デバイスとブロードバンド製品が含まれます。
消費者向け電子機器:LCD モニター、テレビ、携帯電話などのさまざまな電子機器が含まれます。
その他
ASUSが発行する資料には書かれていませんが、クラウドコンピューティングサービスやテクニカルサポートなどがこのセグメントに含まれると推察します。
2023年 インテルの小型フォームファクタPC事業を買収