ピストン業界の世界市場シェアの分析

ピストンメーカーの世界市場シェアと市場規模について分析をしています。マーレ、テネコ、リケン、ラインメタル、帝国ピストン、日本ピストンといったピストンメーカー世界大手の概要や動向も掲載しています。

ピストンとは

電気自動車の普及は自動車産業全体に大きな影響を与えており、将来の需要と技術の進展によって、ピストン市場がどのように変化するかはまだ明確ではありません。電気自動車は電気モーターを使用するため、内燃機関車のピストン需要に比べてピストンの需要は低くなる傾向があります。しかし、内燃機関車の需要が完全になくなるわけではないため、ピストン市場全体が縮小するとは限りません。現状、各市場調査会社も今後は年平均3.8%〜4.5%程の成長を見込んでいます。

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【市場シェア】

ピストン業界の2023年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2023年のピストン業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はマーレ、2位は帝国ピストンリング、3位はラインメタルとなります。

*2022年度シェア1位だったTenneco(テネコ)は、記事作成時点で2023年度の売上未公表だったため、除外しております。

ピストンメーカーの世界市場シェア(2023年)

順位 Company name
(English)
企業名(日本語) 市場シェア
1位 Mahle マーレ 32.87%
2位 TPR 帝国ピストンリング 10.03%
3位 Rheinmetall ラインメタル 7.03%
4位 RIKEN NPR リケンNPR 5.80%
ピストンの世界市場シェアと業界ランキング(2023年) ©2025 Deallab

ピストン業界の世界シェア(2020年)

ピストンメーカーの世界市場シェアのランキング1位は、ドイツのマーレ社です。ピストン分野を強化しています。世界2位は世界各地に拠点を展開する日本の帝国ピストンリングです。世界3位はドイツに本拠を置くラインメタルです。世界4位は、日本のリケンNPRです。株式会社リケンと日本ピストンリング株式会社が経営統合してスタートしました。

【市場規模】

当データベースでは、2023年のピストン業界の市場規模を85億ドルとしております。参照した各種調査データは次の通りとなります。

調査会社スカイクエストによると、2023年の同業界の市場規模は85億ドルです。2024年に89億ドル、2032年にかけて年平均4.8%で成長し、規模は129.6億ドルへと拡大することを見込んでいます。⇒参照したデータの詳細情報

市場規模 年平均成長率
2023年 85億ドル
2024年 89億ドル 4.8%
2032年 129.6億ドル 4.8%

ピストン業界の市場規模の成長予想 ©2025 Deallab

【M&Aの動向】

2015年 マーレは国産電機株式会社に対して公開買付の実施に成功し株式の約90%を取得
2017年 アイシン精機はアート金属へのピストン事業の事業譲渡契約を締結
2018年 Tenneco Inc.はOEMメーカーおよびアフターマーケット向けの世界的な大手サプライヤーであるFederal-Mogul LLCの買収を完了
2022年 テネコは世界有数の資産運用会社の一つであるアポロ(Apollo)の運営する投資ファンドに買収されることで合意”
2023年 リケンは、工業用ヒータなど電気加熱機器及び部品の設計、開発、製造を行う株式会社シンワバネスの発行株式の90.0%を取得し、子会社化
2023年 リケンと日本ピストンリングが経営統合し、リケンNPRグループに
2024年 Rheinmetall AGは、米国企業Loc Performance Products, LLCの買収を完了しました

【会社の概要】

マーレ(Mahle)

1920年設立されたドイツ・シュトゥットガルトに本社を置く自動車部品メーカーです。自動車エンジン用のピストンに強みを持ちます。日本のリケンやボッシュと親密です。マーレ家がオーナーの非公開会社です。

Tenneco(テネコ)

1940年に設立された米国に本拠を置く排気システム(クリーンエア)とピストン等のパワートレインに強みを持つ自動車部品メーカーです。自動車や船舶・鉄道向けにパワートレイン、ブレーキ部品、エンジン部品、ワイパーを供給していたフェデラルモーグル(Federal-Mogul)を買収しました。同社はピストンの分野では日本の帝国ピストンと提携しています。

リケン

v日本のピストン及びピストンリング製造最大手です。マーレと提携し、リケン・マーレ連合で、世界トップの座を不動のものにしています。ホンダやスズキとの関係が深いです。

帝国ピストンリング

TPRは、ピストンリングやシリンダライナなどの自動車部品を製造している日本の企業です。TPRは1939年に創業し、戦後は長野県岡谷市を拠点に事業を展開してきました。同社はピストンリングを中心に製造し、その他の事業領域でもアルミニウム、ゴム、樹脂などの製品に取り組んでおり、世界各地に拠点を展開しています。

Rheinmetall(ラインメタル)

ドイツに本拠を置くRheinmetallは、防衛産業におけるリーディングカンパニーであり、軍事車両、火砲、戦闘システム、装備品、弾薬、電子システムなどの幅広い製品を提供しています。日本では、Rheinmetallの関連会社であるKolbenschmidt K.K.(広島)とPierburg Japan Corp.(小田原)が活動しており、自動車用ピストンの製造や事業開発を行っています。

アート金属工業

アイシングループ系のピストンメーカーです。本社は長野県上田市にあり、内燃機関用ピストンの製造を行っています。

コルベンシュミット(Kolbenschmidt)

ドイツに本拠を置く、シリンダーヘッドやピストンの開発・製造を手掛ける会社です。軍需・防衛および自動車部品を手掛けるRheinmetall(ラインメタル)の子会社です。

参照したデータの詳細情報について


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