錠前、鍵、スマートキー、ロック、電子錠等の製造会社の世界シェア、業界ランキングと世界市場規模について分析をしています。アッサブロイ、スタンレー・ブラック・アンド・デッカー、アレジオン、ホーマン、ドルマカバといった世界大手鍵メーカーの動向も掲載しています。「鍵」イコール「セキュリティ管理」の流れは秘密情報のアクセス管理とも直結するため今後は業態の枠を超えた「ロックテック(Lock Tech)」や「キーテック(Key Tech)」企業の出現も考えられます。
錠前、鍵、スマートキー、ロック、電子錠等の業界について
鍵の領域はセキュリティ分野と融合するようになりました。例えば、従業員のIDを一人ひとり管理し、扱う情報の種類によってアクセスが可能な空間を切り分けるといったシステムとの連携も鍵メーカーに求められるようになりました。また電子錠前のID認識も、カードで管理するカードキー、スマートフォンで管理するスマートロック、顔や指紋を用いる生体認証など進化しています。昔のように、ドアノブで鍵をかけて万事完了という世界観は一変しています。
機械鍵の種類
いわゆる電子鍵ではない機械鍵(メカニカル・ロック)であるシリンダー錠にはディスクシリンダー錠、ピンタンブラー錠、ディンプルシリンダー錠、マグネットタンブラーシリンダー錠、ロータリーディスクタンブラー錠があります。その他にも、南京錠、ウォード錠、レバータンブラー錠、クレセント錠や電子錠前である暗証番号キー、バイオメトリックスキーやカードキー等があります。
【鍵・スマートロック業界のシェア】
記載の錠前・スマートロック各社の2022年度の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、鍵やスマートロック業界の2022年の市場シェアを簡易に試算しますと、以下の順位となります。⇒参照したデータの詳細情報
2021年にスペクトラム ブランズの鍵事業がアッサ・アブロイに買収されたため、ランキングより除外しております。
鍵業界の市場シェア(2022年)
順位 | 会社名 | 市場シェア |
---|---|---|
1位 | アッサ・アブロイ | 31.76% |
2位 | セキュリタスAB | 18.88% |
3位 | ドルマカバ | 15.73% |
4位 | アレジオン | 9.94% |
5位 | マスターロック | 4.50% |
6位 | 美和ロック | 2.12% |
2021年と順位はほぼ変わらず、1位はスウェーデンのアッサ・アブロイ社です。全体の3割の市場シェアを占めています。2位はセキュリタスAB、3位はドルマカバです。5位に新しくマスターロックがランクインしています。
【鍵、スマートロック業界の市場規模】
当サイトでは、2022年のメカニカル・エレクトロニカルロック(機械及び電気錠)の市場規模を191億ドルとしています。参照にした調査会社等の統計データは以下の通りです。
調査会社のアリズトン・アドバイザリー&インテリジェンスによると、2022年の同市場規模は191億ドルとなります。2028年にかけて262.2億ドルに達し、年平均5.43%での成長を見込んでいます。
調査会社のマキシマイズ・マーケット・リサーチによると、2022年の同市場規模は72億ドルとなります。2029年にかけて100.1億ドルに達し、年平均4.81%での成長を見込んでいます。
調査会社のフューチャー・マーケット・インサイトによると、2023年の同市場規模は71.12億ドル、2033年にかけて104.27億ドルに達する見込みです。また、年平均成長率は3.9%と予想しています。
⇒参照したデータの詳細情報鍵の領域はセキュリティ分野と融合するようになりました。例えば、従業員のIDを一人ひとり管理し、扱う情報の種類によってアクセスが可能な空間を切り分けるといったシステムとの連携も鍵メーカーに求められるようになりました。また電子錠前のID認識も、カードで管理するカードキー、スマートフォンで管理するスマートロック、顔や指紋を用いる生体認証など深化しています。昔のように、ドアノブで鍵をかけて万事完了という世界観は一変しております。
機械鍵の種類
いわゆる電子鍵ではない機械鍵(メカニカル・ロック)であるシリンダー錠にはディスクシリンダー錠、ピンタンブラー錠、ディンプルシリンダー錠、マグネットタンブラーシリンダー錠、ロータリーディスクタンブラー錠があります。その他にも、南京錠、ウォード錠、レバータンブラー錠、クレセント錠や電子錠前である暗証番号キー、バイオメトリックスキーやカードキー等があります。
【M&Aの動向】
2021年 アッサアブロイがスペクトラムブランズのHardware & Home Improvement事業を買収
2022年 アレジオンはスタンレー・ブラック&デッカーのアクセス・テクノロジー事業の買収を完了
2023年 アッサ・アブロイは、ペルーのフォルテを買収
2023年 アッサ・アブロイは、カナダのローレンス・ハードウェアとギャラリー・スペシャリティを買収
2023年 アッサ・アブロイは、イタリアのモットゥーラを買収
さらに業界に詳しくなるためのお薦め書籍
【会社の概要】
Assa Abloy(アッサ・アブロイ)
Assa Abloy(アッサ・アブロイ)は、スウェーデンに本拠を置く世界最大級の錠前・ドアメーカーです。スウェーデンのセキュリティ大手企業のSecuritas ABからAssa(アッサ)社が独立し、その後フィンランドのAbloy(アブロイ)社と1994年に経営統合をして誕生しました。アブロイの創設者はディスクタンブラー錠を発明したことでも有名です。さらに詳しく
Allegion(アレジオン)
アイルランドに本拠を置く錠前・セキュリティ会社です。複合企業体であるIngersoll Rand (インガソール・ランド)から独立して誕生しました。ニューヨーク証券取引所に上場しています。
Stanley Black & Decker(スタンレー・ブラック・アンド・デッカー)
Stanley Black & Decker(スタンレー・ブラック&デッカー)は米国を代表する世界最大級の電動工具メーカーです。2010年にStanley Works(スタンレー・ワークス)とBlack & Decker(ブラック・アンド・デッカー)が経営統合をして誕生しました。赤と黒でコーディネートされた電動ドリルは有名です。NYSEに上場しています。電動工具、インダストリアルファスニングの2つの事業部門から構成されます。なお、スタンレーワークスは、1843年に米国コネチカット州でフレデリック・スタンレーが設立した老舗です。さらに詳しく
Hormann(ホーマン)
ドイツの本拠を置くドア・シャッター大手です。鍵の分野でも強みを持ちます。
Dorma + Kaba(ドルマカバ)
ドアや鍵等を手掛けるドイツのドルマとスイスのカバが2015年に経営統合して誕生しました。セキュリティ付きのドア、鍵、スマートキー、認証エントランス等で事業を展開しています。
Spectrum Brands(スペクトラム ブランズ)
Spectrum Brands(スペクトラム ブランズ)は、2005年に設立された米国に本拠を置くブランド管理会社です。出自は電池メーカー世界大手のRayovac(レイオバック)です。2009年にチャプター11を申請後、2010年に家電や建材を手掛けるラッセルホブズ(Russell Hobbs)と経営統合を行いました。ブランド力のある商品を調理家電、美容家電、ペットフードや殺虫・防虫剤等の分野で幅広く展開しています。2021年に鍵やロック、蛇口配管、ヒンジや引き戸事業をアッサアブロイに売却しました。さらに詳しく
DOM Security(ドムセキュリティ)
フランスに本拠をおくセキュリティ会社です。2018年度の売上高は174百万ユーロです。フランスの建具、シャッター、熱交換器、滅菌装置等の製造会社であるグループSFPI傘下の企業です。
美和ロック
1945年に設立された国内の鍵メーカー最大手です。三重県の玉城工場が主力となっています。スマートロックや電気錠の分野も強化しています。
参照したデータの詳細情報について
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