照明・ランプ業界の世界市場シェアの分析
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照明・ランプ業界の世界市場シェアの分析

照明・ランプ業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。シグニファイ、オスラム、サバントシステムズ(旧GEライティング)、パナソニック、日亜化学工業といった照明・ランプメーカーの概要や動向も掲載しています。

【照明・ランプ業界とは】

照明・ランプ業界は世界的な新型コロナウイルス感染症の影響を受け2020年は市場が縮小しました。サプライチェーンが縮小したためです。今後は市場は拡大傾向にあります。

発光ダイオードはエネルギー効率が高い上に、寿命も長く、光品質も高いため、急速に成長している照明技術となっています。現在世界各地でエネルギーの節約が求められており、これもまた発光ダイオードの普及の追い風となっています。

【市場シェア】

照明・ランプメーカー各社の2022年度の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2022年の照明業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位シグニファイ、2位オスラム、3位アキュイティ・ブランズとなります。

照明・ランプ業界の世界市場シェア(2022)

順位 企業名(日本語) 市場シェア
1 シグニファイ 6.53%
2 アキュイティ・ブランズ 3.28%
3 日亜化学工業 1.88%
4 パナソニック 1.78%
5 オスラム 1.40%
6 ツムトーベル 0.78%

1位のシグニファイは旧フィリップスライティング、2位のオスラムは旧シーメンスライティングと大手家電メーカーが出自です。3位は米国のアキュイティ・ブランズ、5位はパナソニックとなっています。

※サバントシステムは2020年にGE Lightningを買収し、その後売上を開示していないため、グラフからは除いております

【市場規模】

当データベースでは、照明業界の2022年の世界市場規模を1220億ドルとしております。参考にしたデータは次の通りです。

調査会社のフォーチュンビジネスインサイトによれば、2022年の同市場規模は1220億ドルとなります。2030年までに年平均4.4%の成長が見込まれています。

調査会社のグローバル・ビュー・リサーチによれば、2022年の同市場規模は709億ドルとなると見込まれています。2030年までに年平均11%の成長が見込まれています。

照明業界は商業施設や住宅などの着工件数との連動が大きいことが特徴です。

さらに詳しく業界を理解するためのお薦め書籍

図解入門 よくわかる 最新LED照明の基本と仕組み
世界で一番やさしい照明

【M&Aの動向】

2015年 シグニファイはオランダの大手家電メーカーフィリップより分社化

2015年 Zumtobelは英国のLED照明会社acdcを買収

2020年 光学センサーなどを手掛けるオーストリアのamsはオスラムを27億ユーロで買収

2020年 アメリカのスマートホーム会社サバントシステムはアメリカの家庭用照明会社GElightingを買収

【照明メーカーの概要】

Signify(シグニファイ)

シグニファイは、オランダに本拠を置く世界大手の家電メーカーであるPhilipsより2016年に分社化設立された照明会社です。家庭用照明・ランプの分野では世界最大手級です。フィリップは、医療機器の分野、特に画像診断領域などのヘルスケアに集中する戦略をとっています。フィリップスは、2015年にLEDチップ事業のLumileds(ルミレッズ)を中国の投資ファンドに売却を企図しましたが、失敗し、その後照明・ランプ事業をフィリップスライティング(現シグニファイ)として分社化しております。分社化後、ルミレッズを投資ファンドのアポロマネジメントへ売却しております。

Osram(オスラム)

オスラムは、ドイツに本拠を置く照明・ランプ・LED素子の大手メーカーです。ドイツ大手電機メーカーのシーメンス傘下から分社化して独立しました。一般照明や産業用・自動車用LEDを展開しています。LEDについては特にLED素子に強く、他にパッケージ、照明器具の販売とLEDの全領域をカバーしています。自動車用照明(インテリジェンスライト)ではドイツのコンチネンタルと2018年に合弁会社を設立しましたが、2020年に解消しています。日本では三菱電機と提携しています。カーライル、ベインキャピタル、アドベント等を巻き込んだ2019年以降のオスラムに対する公開買付合戦の末に、現在はオーストリアに本拠を置きアナログ集積回路を手がけるamsが筆頭株主となっています。

GE Lighting(GEライティング)

かつてトーマス・エジソンに源流を持つGE祖業にランプ・照明事業でしたが、2020年にSavant Systemに売却されました。

GEについて

GE(ジェネラル・エレクトロニック)は、1878年にトーマス・エジソンによって設立されたエジソン電気照明会社を源流に持つ世界を代表する総合電機メーカーの老舗です。世界シェア1位か2位以外の事業からは撤退するというナンバーワン・ナンバーツー戦略を実施し、積極的な事業ポートフォリオの入れ替えを行うことでも有名です。インダストリアル・インターネットを成長戦略にしたジェフ・イメルト氏が退任した後、2017年に生え抜きのジョン・フラナリー氏が社長に就任したものの、2018年には外部のダナハーからラリー・カルプ氏が招聘され、新CEOとなるなど、経営陣の交代が続きます。2021年にGEをヘルスケア部門、電力・エネルギー部門、航空部門の3社へと分社化することを発表しました。さらに詳しく

日亜化学工業

日亜化学は、徳島県に本拠を置く非上場会社です。LEDの大手メーカーです。窒化ガリウム (GaN)を用いた青色発光ダイオードの開発を世界に先駆けて実現しました。LEDパッケージ及び白色LEDでも存在感を示します。蛍光体製造で培った粉体合成技術を利用することで、正極材分野でも世界最大級です。

Acuity Brands (アキュイティ・ブランズ

2001年に設立された米国に本拠を置く照明・ランプメーカーです。科学部門はZEPとして分離されました。ニューヨーク証券取引所に上場しています。蛍光灯、発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)などを手掛けています。

Cooper Industries(クーパー・インダストリーズ)

米国に本拠を置く電機メーカーです。総合産業用機器メーカー のEaton社の傘下にあります。

Cree(クリー)

1987年創業の米国に本拠を置くLEDメーカー大手です。ナスダック証券取引所に上場しています。2020年にLED事業のSMART Global Holdingsへの売却を発表しました。

Havells(ハベルス)

1958年に創業したインドに本拠を置く電機大手です。配線器具や照明分野に強みを持ちます。ボンベイ証券取引所に上場しています。

Zumtobel(ツムトーベル)

オーストリアに本拠を置く照明大手です。ThornやZumtobel等のブランドで展開しています。ウィーン証券取引所に上場しています。

参照したデータの詳細情報について


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