青果生産・卸業界の世界市場シェアの分析

バナナやパイナップルなどの青果生産・卸業界の世界市場シェアと市場規模の情報について分析をしています。トータルプロデュース、チキータ、フレッシュデルモンテ、ドール、ファイフス(住友商事)等の動向も掲載しています。

市場シェア

最新業界別売上高世界ランキング第6巻」に記載の青果生産・販売会社各社の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2019年の市場シェアを簡易に試算しますと、以下の順位となります。

1位トータル・プロデュース 2.7%
2位 グリーンヤード 1.8%
2位フレッシュデルモンテ 1.8%
4位 チキータ 1.2%
5位 ゼスプリ 0.8%
5位 住友商事 0.8%

売上高の業界首位は、2018年に買収を発表したトータル・プロデュースとドール連合となります。2位でベルギーに本拠をおくグリーンヤードやフレッシュデルモンテを大きく引き離しています。4位は青果生産大手のチキータ、5位はファイフスを買収した住友商事とニュージーランドのゼスプリとなっています。

市場規模

当サイトでは、調査会社等の公表データを参考にし、青果生産・販売業界の2019年の世界市場規模を2500億ドルとして市場シェアを計算しております。参考したデータは以下の通りです。
調査会社のスタティスタによれば、2020年の青果業界の規模は4883億ドルです。2025年にかけて5.4%での成長を見込みます。調査会社のグローバルマーケットインサイツによれば2018年の加工用青果+野菜の市場規模は2450億ドルとなります。2025年にかけて年平均6.5%での成長を見込みます。調査会社のインダストリーARCによれば、2019年の同業界の規模は2540億ドルです。2025年にかけての成長率は6.8%です。

世界の主要な青果卸会社の動向

Chiquita(チキータ)
米国に本拠を置く1870年に創業した青果商社大手です。旧ユナイテッド・フルーツです。2015年に青果商社大手のファイフスとの経営統合が破談した後に、現株主であるブラジルのオレンジジュース大手Cutrale(クトラーレ)とプライベートバンキング大手Safra(サフラ)が買収しました。青果の中でもバナナの取扱いに強みを持ちます。

Fresh Del Monte(フレッシュ・デルモンテ)
米国に本拠を置く青果商社大手です。バナナ、パイナップルやカットフルーツ等に強みです。当時デルモンテの親会社であったRJレイノルズがKKRに1988年に買収され、フレッシュデルモンテはPolly Peckに売却されました。その後な何度かの支配株主変更の変更を経て、現在はニューヨーク証券取引所に上場しております。デルモンテフーズとの資本関係はありません。

Dole(ドール)
1901年に設立されたハワイアンパイナップルに起源をもつ米国に本拠を置く食品会社です。David H. Murdock(デビッド・マードック)氏がオーナーです。バナナやパイナップル等青果の生産・販売を行行っています。2012年にアジアの青果事業と世界の加工販売事業を伊藤忠に売却しました。2018年にトータル・プロデュースに株式の45%の売却(将来的には全株式の売却)で合意しております。
約12万エーカーの土地、15隻の輸送船、6野菜処理工場、10以上の冷凍倉庫等を保有し、欧州とアメリカで事業を展開しています。

Fyffes(ファイフス)
1888年に創業されたアイルランドに本拠を置く青果商社です。バナナ、パイナップル、メロン、マッシュルームを取り扱います。ファイフスと記載のあるブルーラベルで親しまれています。2015年にチキータと経営統合を断念後、2017年に住友商事に買収されました。同社はスミフルを通じて日本におけるバナナ取扱い大手です。

Compagnie Fruitiere(カンパーニュ・フルティエール)
1939年に設立されたフランスに本拠を置く青果商社です。バナナ・パイナップルなどの生産流通を担っています。バナナは主にカメルーン、アイボリーコースト、セネガル、ガーナなどのアフリカで生産しています。年間の取り扱い量は約80万トン、うちバナナは54万トン程度、パイナップルは9万トンです。2011年にドールのフランス、英国、ポルトガル事業を買収しました。創業家が支配する非公開会社です。

Zespri(ゼスプリ)
ニュージーランドに本拠を置くキウイフルーツ販売会社です。株主はキウイの生産業者で、ニュージーランド産のキウイはゼスプリ・ブランドで輸出されるのが特徴です。

Grupo Orsero(オルセロ・グループ)
イタリアに本拠を置く青果商社です。バナナやパイナップルなどを中心に取り扱っています。中南米を中心に自社のバナナ農園を保有しています。オルセロファミリーが主要株主です。

TotalProduce(トータル・プロデュース)
2007年にFyffes(ファイフス)より分社化して誕生しました。バナナ、柑橘類、なし、リンゴ、野菜などの青果物の栽培、集荷、流通、販売を行っています。ロンドン証券取引所に上場しております。2018年にドールの株式の45%を買収しました。

GREENYARD(グリーンヤード)
ベルギーに本拠を置く青果生産・流通・販売大手です。果物、野菜の生産や加工販売を手掛けています。冷凍野菜にも強みを持ちます。ユーロネクストに上場しています。

青果物を手掛ける会社として、イタリアのBattaglio、フランスのFruidor(フリュイドール)、イタリアのSPREAFICO、スペインのBargosa等があります。

業界関連書籍
バナナの世界史――歴史を変えた果物の数奇な運命 (ヒストリカル・スタディーズ)
パイナップルの歴史 (「食」の図書館)