ゼネコン・建設業界の世界市場シェアの分析

ゼネコン・建設業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。中国中鉄、中国鉄建、中国交通建設、中国治金科工集団、中国能源建設、ACSグループ、バンシ、ブイグ、エファージュ、鹿島建設、スカンスカ、中国建築、清水建設、大成建設といった建設大手の概要や動向も掲載しています。

【ゼネコン・建設業界の世界市場シェア】

建設会社各社の2024年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2024年のゼネコン・建設業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位は中国建築、2位は中国中鉄、3位は中国鉄建となります。

ゼネコン・建設業界の世界市場シェアと業界ランキング(2024年)

順位 Company name(English) 企業名(日本語) 市場シェア
1位 China State Construction Engineering 中国建築 1.63%
2位 China Railway Group 中国中鉄 0.90%
3位 China Railway Construction 中国鉄建 0.82%
4位 China Communications Construction 中国交通建設 0.60%
5位 Power Construction Corp. of China 中国電力建設 0.51%
6位 China Energy Engineering Corp 中国能源建設 0.31%
7位 Grupo ACS ACSグループ 0.27%
8位 VINCI バンシ 0.22%
9位 BOUYGUES ブイグ 0.19%
10位 Eiffage エファージュ 0.14%
11位 Skanska スカンスカ 0.10%
12位 Taisei 大成建設 0.09%
13位 Kajima 鹿島建設 0.06%
14位 Shimizu 清水建設 0.06%
15位 Shanghai Construction Group 上海建工グループ 0.05%
ゼネコン・建設業界の世界市場シェアと業界ランキング(2024年)©2025 Deallab

ゼネコン・建設業界の世界市場シェアと業界ランキング(2024年)©2025 Deallab

2024年時点の世界ゼネコン業界では、中国勢が圧倒的な存在感を示している。首位の中国建築(China State Construction Engineering)は市場シェア1.63%を占め、続く中国中鉄(China Railway Group)、中国鉄建(China Railway Construction)、中国交通建設(China Communications Construction)などが上位を独占した。上位6社を中国企業が占めており、いずれも国家主導の大型インフラ投資や「一帯一路」関連プロジェクトを背景に成長を維持している。

一方、欧州勢ではACSグループ(スペイン)、バンシ(Vinci)、ブイグ(Bouygues)、エファージュ(Eiffage)などが上位にランクイン。再生可能エネルギーや交通インフラ分野への投資拡大が特徴的で、特にACSはHochtiefやTurnerを傘下に持ち、北米・豪州市場でも強みを発揮している。

日本勢では大成建設(Taisei)や鹿島建設(Kajima)、清水建設(Shimizu)がランクイン。国内市場の成熟を受け、北米や東南アジアでの高付加価値プロジェクト受注を進めており、技術力と品質管理を武器に海外展開を強化している。

総じて、世界ゼネコン市場は中国主導から多極化に向かいつつあり、環境対応型・技術集約型事業へのシフトが今後の競争力を左右する局面にある。

【ゼネコン・建設業界の世界市場規模】

当データベースでは、2024年のゼネコン・建設業界の市場規模を15.78兆ドルとしております。参照した各種調査データは次の通りとなります。調査会社The Business Research Companyによると、2025年の同業界の市場規模は16.46兆ドルです。2025年から2029年にかけて年平均5.6%で成長し、規模は20.45兆ドルへと拡大することを見込んでいます。

市場規模 成長率見込み
2024 15.78兆ドル
2025 16.46兆ドル 4.3%
2029 20.45兆ドル 5.6%
ゼネコン・建設業界の世界市場規模の成長予想 ©2025 Deallab

ゼネコン・建設業界の市場規模の成長予想 ©2025 Deallab

【M&Aの動向】

2017年 鹿島建設が、建設会社Cockramを買収

2018年 鹿島建設が、施設の設計、建設、管理に関する包括的なサービスを提供するInternational Facility Engineeringを買収

2020年 清水建設が、コンサルティング エンジニアリング会社Perigon Internationalを買収

2020年 清水建設が、コンサルティング エンジニアリング会社Perigon Internationalを買収

2021年 建設会社VINCIが、建設会社ACSのエネルギー事業を買収

2022年 建設を主とするコングロマリット企業BOUYGUESが、インフラ管理システムを提供するEQUANSを買収

2023年  清水建設が、地場ゼネコンとして知られる丸彦渡辺建設を買収

2023年 建設会社Eiffageが、建築会社Salvia Groupを買収

2023年 建設会社VINCIが、エネルギーインフラサービスを提供するOtera ASを買収

2023年 建設会社VINCIが、高速道路の保守サービスを提供するEntreviasを買収

2024年 建設会社VINCIが、太陽光発電所とエネルギー貯蔵用バッテリーの開発を専門とするHeliosを買収

2024年 鹿島が米ロジャーズ・ビルダーズを約50億円で買収した。 

2025年 大成建設が東洋建設の買収を発表

【会社の概要】

China Railway Group(中国中鉄、CREC)

China Railway Enginering Corporation(中国鉄路工程総公司)が支配する中国政府系の建設会社です。鉄道部の建設局と設計局を源流としています。北京~上海高速鉄道や上海~南京都市部鉄道といった鉄道建設や交通インフラ工事に強みを持ちます。アフリカ等の地域への海外進出も積極的です。さらに詳しく

China Railway Construction(中国鉄建、CRCC)

人民解放軍鉄道部隊を前身とする中国政府系の建設会社です。鉄道建設において中国中鉄と2強体制です。中国国務院の監督管理委員会が管理。鉄道建設や交通道路インフラ工事に特に強いですが、全分野でフルラインの建設を行うスーパーゼネコンでもあります。国内の鉄道プロジェクトはほぼ参画しています。中国初のモノレールや上海のリニアモーターカーの建設も行っています。海外展開にも積極的で香港、ナイジェリア、マカオ、アルジェリア、ナイジェリア、イスラエル、トルコ、タンザニア等の60か国以上で事業を展開しています。タンザニア-ザンビア間のタンザン鉄道プロジェクトが有名です。さらに詳しく

China Communications Construction(中国交通建設、CCCC)

2005年に中国港湾工程公司と中国道路橋総公司が経営統合して誕生した建設会社です。中国の幹線道路網や港湾工事に強みを持つ建設大手です。マレーシア(ペナン第 2 橋)等の実績があります。さらに詳しく

China Metallurgical Group(中国治金科工集団、MCC)

資源開発等に強みを持つ中国政府系のエンジニアリング会社です。2015年に中国国有企業で金属大手の中国五鉱集団(China Minmetals Corp)が買収しました。さらに詳しく

China Energy Engineering Corp(中国能源建設)

電力産業ソリューションプロバイダーです。エネルギープロジェクトに対するコンサルティングや、再生可能エネルギー施設やダムの建設などを行っています。さらに詳しく

Grupo ACS(ACSグループ)

スペインを代表する大手建設会社です。ドイツの同業大手のHOCHTIEF(ホッホティーフ)を傘下に保有しています。同社はドイツを代表する大手建設会社です。さらに詳しく

VINCI(バンシ)

1899年に創業されたフランスに本拠を置く欧州最大手の建設会社です。ユーロネクスト市場に上場しています。さらに詳しく

BOUYGUES(ブイグ)

フランスの大手建設会社です。建設だけでなく、不動産、通信、メディア等幅広い分野に進出しているコングロマリットです。さらに詳しく

Eiffage(エファージュ)

フランスの4大建設会社の一角です。オーストラリアのシドニーのオペラハウスやルーブル美術館のピラミッド等を手掛けています。。さらに詳しく

Skanska(スカンスカ)

スウェーデンに本拠を置く多国籍建設開発会社です。 1887年にコンクリート製品メーカーとして設立され、道路、橋、トンネル、交通施設、住宅ビル、地方自治体のビルなどの建築プロジェクトも請け負い、建設関連のさまざまなサービスを展開しています。さらに詳しく

China State Construction Engineering(中国建築、CSCEC)

国家建工総局の改組により1982 年に設立されました。建物、道路、公共施設の分野で設計、建設、開発等を一貫して対応することができる総合ゼネコンの雄です。海外の建設でも、タイ王国ラーマ八世橋、米国のヤンキーススタジアム駅、クウェートの中央銀行、コンゴの国道建設等の著名プロジェクトを多数手掛けています。その他、バハマ、ボツワナ、エジプト、ドバイ、赤道ギニアにも展開しています。上海証券取引所に上場しています。さらに詳しく

日本の建設会社

清水建設、鹿島建設、大成建設、竹中工務店が総合ゼネコン・スーパーゼネコンと言われています。

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