ゼネコン・建設業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。中国中鉄、中国鉄建、中国交通建設、中国治金科工集団、中国能源建設、ACSグループ、バンシ、ブイグ、エファージュ、鹿島建設、スカンスカ、中国建築、清水建設、大成建設といった建設大手の概要や動向も掲載しています。
【市場シェア】
建設会社各社の2023年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2023年のゼネコン・建設業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位は中国中鉄、2位は中国鉄建、3位は中国交通建設となります。
(⇒参照したデータの詳細情報)
建設業界の世界市場シェア(2023年)
順位 | 会社名 | 市場シェア |
---|---|---|
1位 | China Railway Group(中国中鉄) | 1.16% |
2位 | China Railway Construction(中国鉄建) | 1.05% |
3位 | China Communications Construction(中国交通建設) | 0.70% |
4位 | Metallurgical Corporation of China(中国治金科工集団) | 0.54% |
5位 | China Energy Engineering Corp(中国能源建設) | 0.30% |
6位 | Shanghai Construction Group(上海建工グループ) | 0.28% |
7位 | Grupo ACS(ACSグループ) | 0.25% |
8位 | VINCI(バンシ) | 0.22% |
9位 | BOUYGUES(ブイグ) | 0.19% |
10位 | Eiffage(エファージュ) | 0.15% |
11位 | 鹿島建設 | 0.12% |
12位 | Skanska(スカンスカ) | 0.10% |
13位 | China State Construction Engineering(中国建築) | 0.10% |
14位 | 清水建設 | 0.10% |
15位 | 大成建設 | 0.09% |
【市場規模】
当データベースでは、ゼネコン・建設業界の2023年の市場規模を15.19兆ドルとしています。参照した各種統計データは次の通りです。
調査会社のThe Business Research Companyによると、2023年の建設業界の市場規模は15.19兆ドルです。2024年には15.97兆ドルに達し、2024年から2028年にかけて年平均5.6%で成長し、同年には19.85兆ドルに成長すると予想しています。⇒参照したデータの詳細情報
年 | 市場規模 | 成長率 |
---|---|---|
2023年 | 15.19兆ドル | – |
2024年 | 15.97兆ドル | 5.1% |
2028年 | 19.85兆ドル | 5.6% |
人口の急増、急速な都市化、発展途上地域における工業化の成長が、建設市場の拡大を推進する主な要因です。公共インフラプロジェクトへの政府支出、建設技術の進歩、低金利も建設業界の成長に貢献しています。中国の大手建設会社は、世界の建設市場での優位性を維持するために事業を拡大し、新たなプロジェクトに投資しており、建設市場の先頭に立っています。
さらに業界に詳しくなるためのお薦めの書籍と関連サイト
建設テック革命
住宅ローン金利推移
M&Aや再編対象となる建設、エンジニアリング、工事管理会社の分析
【M&Aの動向】
2017年 鹿島建設が、建設会社Cockramを買収
2018年 鹿島建設が、施設の設計、建設、管理に関する包括的なサービスを提供するInternational Facility Engineeringを買収
2020年 清水建設が、コンサルティング エンジニアリング会社Perigon Internationalを買収
2020年 清水建設が、コンサルティング エンジニアリング会社Perigon Internationalを買収
2021年 建設会社VINCIが、建設会社ACSのエネルギー事業を買収
2022年 建設を主とするコングロマリット企業BOUYGUESが、インフラ管理システムを提供するEQUANSを買収
2023年 清水建設が、地場ゼネコンとして知られる丸彦渡辺建設を買収
2023年 建設会社Eiffageが、建築会社Salvia Groupを買収
2023年 建設会社VINCIが、エネルギーインフラサービスを提供するOtera ASを買収
2023年 建設会社VINCIが、高速道路の保守サービスを提供するEntreviasを買収
2024年 建設会社VINCIが、太陽光発電所とエネルギー貯蔵用バッテリーの開発を専門とするHeliosを買収
【会社の概要】
China Railway Group(中国中鉄、CREC)
China Railway Enginering Corporation(中国鉄路工程総公司)が支配する中国政府系の建設会社です。鉄道部の建設局と設計局を源流としています。北京~上海高速鉄道や上海~南京都市部鉄道といった鉄道建設や交通インフラ工事に強みを持ちます。アフリカ等の地域への海外進出も積極的です。
China Railway Construction(中国鉄建、CRCC)
人民解放軍鉄道部隊を前身とする中国政府系の建設会社です。鉄道建設において中国中鉄と2強体制です。中国国務院の監督管理委員会が管理。鉄道建設や交通道路インフラ工事に特に強いですが、全分野でフルラインの建設を行うスーパーゼネコンでもあります。国内の鉄道プロジェクトはほぼ参画しています。中国初のモノレールや上海のリニアモーターカーの建設も行っています。海外展開にも積極的で香港、ナイジェリア、マカオ、アルジェリア、ナイジェリア、イスラエル、トルコ、タンザニア等の60か国以上で事業を展開しています。タンザニア-ザンビア間のタンザン鉄道プロジェクトが有名です。
China Communications Construction(中国交通建設、CCCC)
2005年に中国港湾工程公司と中国道路橋総公司が経営統合して誕生した建設会社です。中国の幹線道路網や港湾工事に強みを持つ建設大手です。マレーシア(ペナン第 2 橋)等の実績があります。
China Metallurgical Group(中国治金科工集団、MCC)
資源開発等に強みを持つ中国政府系のエンジニアリング会社です。2015年に中国国有企業で金属大手の中国五鉱集団(China Minmetals Corp)が買収しました。
中国能源建設
電力産業ソリューションプロバイダーです。エネルギープロジェクトに対するコンサルティングや、再生可能エネルギー施設やダムの建設などを行っています。
ACSグループ
スペインを代表する大手建設会社です。ドイツの同業大手のHOCHTIEF(ホッホティーフ)を傘下に保有しています。同社はドイツを代表する大手建設会社です。
VINCI(バンシ)
1899年に創業されたフランスに本拠を置く欧州最大手の建設会社です。ユーロネクスト市場に上場しています。
BOUYGUES(ブイグ)
フランスの大手建設会社です。建設だけでなく、不動産、通信、メディア等幅広い分野に進出しているコングロマリットです。
Eiffage(エファージュ)
フランスの4大建設会社の一角です。オーストラリアのシドニーのオペラハウスやルーブル美術館のピラミッド等を手掛けています。。
スカンスカ
スウェーデンに本拠を置く多国籍建設開発会社です。 1887年にコンクリート製品メーカーとして設立され、道路、橋、トンネル、交通施設、住宅ビル、地方自治体のビルなどの建築プロジェクトも請け負い、建設関連のさまざまなサービスを展開しています。
China State Construction Engineering(中国建築、CSCEC)
国家建工総局の改組により1982 年に設立されました。建物、道路、公共施設の分野で設計、建設、開発等を一貫して対応することができる総合ゼネコンの雄です。海外の建設でも、タイ王国ラーマ八世橋、米国のヤンキーススタジアム駅、クウェートの中央銀行、コンゴの国道建設等の著名プロジェクトを多数手掛けています。その他、バハマ、ボツワナ、エジプト、ドバイ、赤道ギニアにも展開しています。上海証券取引所に上場しています。
日本の建設会社
清水建設、鹿島建設、大成建設、竹中工務店が総合ゼネコン・スーパーゼネコンと言われています。
参照したデータの詳細情報について
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