コバルト生産・採掘会社の世界市場シェアの分析

コバルト生産・採掘会社の世界市場シェア、市場規模について分析を行なっております。コバルトの主要な生産会社であるグレンコア、シェマフ、華友、ノリリスク・ニッケル、ヴァーレ、金川集団、チャイナモリブデン(CMOC)といった会社の概要や動向も掲載しています。

世界市場シェア

コバルト採掘会社の2020年度のコバルト採掘量(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2020年のコバルト業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はグレンコア、2位はチャイナモリブデン、3位は金川集団となります。

コバルト生産会社の世界シェアと業界ランキング(2020年)

  • 1位 グレンコア 19.3%
  • 2位 チャイナモリブデン 11.0%
  • 3位 金川集団 10.7%
  • 4位 華友 5.0%
  • 5位 ノリリスク・ニッケル 4.3%
  • 6位 シェマフ 3.6%
  • 7位 ヴァーレ 3.3%

コバルト業界の世界シェア(2020年) 1位 グレンコア 19.3% 2位 チャイナモリブデン 11.0% 3位 金川集団 10.7% 4位 華友 5.0% 5位 ノリリスク・ニッケル 4.3% 6位 シェマフ 3.6% 7位 ヴァーレ 3.3%
コバルト業界の世界シェア(2020年)

世界1位はスイスの資源商社であるグレンコアです。政商Dan Gertler (ダン・ガートラー)氏率いるフルーレットを買収しました。世界2位はチャイナモリブデン(CMOC)です。2017年にフリーポートからコンゴ民主共和国の鉱山を買収し、生産量を拡大させています。3位と4位は中国の金川集団と華雄です。5位はロシアの二リリスク・ニッケルです。

市場規模

当サイトでは、コバルト業界の2020年の世界市場規模を14万トンとして市場シェアを計算しております。参照にした公表データは以下の通りです。調査会社のスタティスタによれば、2019年及び2020年のコバルトの年間採掘量は、約14万トンです。コバルトは、あくまで銅やニッケル鉱山の副産物であり、生産規模は大きくありません。⇒参照したデータの詳細情報

コバルトの生産国ランキング

調査会社のコバルトインベスティングニュースによると、2020年の地域別生産量世界1位は、コンゴ民主共和国(DRCコンゴ)で、全生産量の7割以上を生産しています。2位はロシア、3位はオーストラリア、4位はカナダ、5位はキューバ、6位はフィリピン、7位はパプアニューギニアとなっています。なお、世界1位のコンゴ民主共和国は、コバルト(生産量世界第1位)、ダイヤモンド(同2位)、金(同1位)といった鉱物資源に恵まれている一方で、紛争鉱物(コンフリクト・ミネラル)と揶揄されるほど、民族間の武力衝突が相次いでいるため、依然北キブ州ベニなどで、不安定な情勢が継続しています。なお、コンゴ民主共和国とコンゴ共和国は異なる国でもあります。

コバルトの生産国マップ

コバルト生産国マップ
コバルト生産国マップ

コンゴ民主共和国とコンゴ共和国

コンゴ民主共和国
コンゴ民主共和国
出所:外務省

コバルトとは

特色 コバルトの特徴
原子番号27
元素記号Co
発見者1735年にスウェーデンの化学者
ジョージ・ブラント(Georg Brandt)
結晶構造六方最密充填構造 (hcp)
磁性強磁性体
色や硬さ銀白色で硬くて光沢のある金属。
コバルトの化合物は青く発色
採掘方法ニッケル、銀、鉛、銅、鉄の副産物として産出
主な用途リチウムイオン電池の正極材、HDD磁性材、永久磁石
脱硫触媒、特殊鋼添加剤、電気めっき
磁器、ガラス、陶器、タイルなどの着色
コバルトの特徴
©業界再編の動向

コバルトの価格推移

供給面での不安定さと電気自動車(EV)での需要増加を見込み価格のボラティリティは大きくなっています。


コバルト生産会社の動向

グレンコア(Glencore)

グレンコア(Glencore)はスイスに本拠を置く資源商社です。1974年にスイスのトレーダーであるマーク・リッチによって設立されました。2012年にカナダの穀物流通大手バイテラを、2013年には資源メジャーであるエクストラータを買収しています。亜鉛、原料炭、一般炭、銅、コバルト、ニッケル等マイニングや、エネルギー及び穀物トレーディングが事業の柱となっています。トレーディング機能と上流権益の開発機能をあわせもつ資源メジャーとも言えます。コバルト事業では、コンゴ民主共和国の世界最大のコバルト鉱山であるMutanda(ムタンダ)を所有しています。2018年に、中国の格林美(GEM)と3年間5万トンのオフテイク契約を締結しました。なお、GEMは、中国のEVバッテリー大手である寧徳時代新能源(CALT)のサプライヤーです。

ムタンダ鉱山

ムタンダ鉱山

ムタンダ鉱山
出所:Bing

穀物トレーディング事業では、麦やとうもろこし等の商品を取り扱います。2017年1月に穀物部門をグレンコア・アグリカルチャーとして分社化し、バイテラへと社名変更しました。

Fleurette Group(フルーレット・グループ)
イスラエル生まれの政商であるDan Gertler (ダン・ガートラー)氏が運営する持ち株会社です。スペインのジブラルタルに本拠を置き、コンゴにおけるMutanda MiningやKatanga Miningといった有力なコバルト鉱山を保有していたが、2017年にグレンコアへ売却しました。

中国洛陽モリブデン(チャイナ・モリブデン、CMOC)

中国の政府系の資源会社です。モリブデンでは世界最大級です。2016年にコンゴ民主共和国のTenke鉱業が保有するテンケ・フングルメ鉱山(Tenke Fungurume)を米国フリーポート等から買収をして、更なる拡大を目指しています。

ヴァーレ(Vale)

Vale(ヴァーレ)は、世界最大手のブラジル資源大手です。資源メジャーの1角です。主力商品は鉄鉱石ですが、ニッケルも大手の一角です。カナダのインコ(Inco)社から2006年に180億ドルで買収をしたオンタリオ州のSudbury(サドバリー) Mine、Voisey's Bay(ボイジーズ・ベイ)をはじめとして、住友金属鉱山も参画しているインドネシアのSorowako(ソロワコ)、ニューカレドニアのVNC-Goro、ブラジルのOnca Puma(オンサ・プーマ)、カナダのThompson(トンプソン)が主要ニッケル鉱山となっています。マンガン、ボーキサイト、アルミニウム、銅、石炭、コバルト、貴金属の鉱山も手掛けています。コバルトは、カナダのSudbury、Voisey‘s Bay、ニューカレドニアで採掘をしています。三井物産との関係が深いことでも有名です。

ジェカミン(Gecamines)

コンゴ民主共和国に本拠を置く政府系コバルト生産会社です。グレンコア、チャイナモリブデン等の国内のコバルト開発案件に少数株主として参画しています。

シェマフ(Chemaf) 

2001年に設立されたShiraz Virji氏率いるコンゴのEtoileやUsc鉱山でコバルト採掘を行う会社です。ドバイに本拠をおくアフリカ向けヘルスケアサービスを提供するShalinaグループが親会社となっています。

ジャージャン・ファーヨウ・コバルト/ Zhejiang Huayou Cobalt/浙江華友コバルト)

2002年に設立された中国のコバルト会社です。コンゴ民主共和国南東部のルアラバ州にあるコルヴェジ(Kolwezi)鉱山でコバルトを生産しています。コバルト精製ではユミコアと並ぶ大手です。

Norilsk Nickel(ノリリスク・ニッケル)

Norilsk Nickel(ノリリスクニッケル)は、ロシアに本拠を置くニッケル・銅・パラジウム・プラチナ等の非鉄金属生産会社です。副産物としてコバルトも生産しています。大株主には、ロシアの財閥であるインターロス(Interros)やロシアのオリガルヒであるオレグ・デリパス氏率いるアルミニウム大手のルサール社です。同社が権益を保有するロシア北東のノリリスク-タルナフ地区は、世界最大のニッケル・銅・パララジウム鉱床です。アルミニウム製錬大手で、ルサールが筆頭株主です。ロンドン証券取引所に上場しています。ルサールは米国によるロシアの制裁の対象となっています。ロシアのKola (コラ)Divisionが主要鉱山です。

 

Jinchuan Group(金川集団、ジンチュアングループ)

中国政府(甘粛省)系の国営資源大手です。宝鋼集団や中国開発銀行も株主(下記株主構成を参照)となっています。ニッケルの生産ではアジア最大です。アフリカのザンビアやコンゴ共和国にも積極的に投資を行っており、コバルトの生産でも大手です。

金川集団の株主構成

金川集団の株主構成

コバルト精製業界

中国のファーヨウ・コバルト、ベルギーのユミコア、中国のGEM(格林美)、中国のJinchuan(金川)、スイスのグレンコア、日本の住友金属鉱山、ロシアのノリリスクなどが手掛けています。

参照したデータの詳細情報について


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