資産運用・アセットマネジメント会社の世界市場シェアの分析

資産運用・アセットマネジメント会社の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。ブラックロック、バンガード、ステート・ストリート、フィデリティといった資産運用会社の概要や動向も掲載しています。

【市場シェア】

ソブリンウェルスファンドインスティテュートが公表した2021年末の資産運用会社の運用残高(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、後述する市場規模を分母にして、2021年の資産運用会社の市場シェアを計算すると、1位はバンガードグループ、2位はブラックロック、3位はフィデリティインベストとなります。

資産運用会社の市場シェアと業界ランキング(2021年)

順位 会社名 市場シェア
1位 バンガードグループ 7.59%
2位 ブラックロック 7.58%
3位 フィデリティインベスト 3.29%
4位 キャピタルグループ 2.77%
5位 アムンディ 1.91%
6位 ティー・ロウ・プライス 1.51%
7位 フランクリンリソースズ 1.34%
8位 ウェリントンマネジメント 1.25%
9位 インベスコ 1.24%
10位 DWS 0.91%
資産運用会社の市場シェアと業界ランキング(2021年) ©ディールラボ

資産運用会社の世界シェア(2021年)
資産運用会社の世界シェア(2021年)

世界シェア1位は、米国のバンガード・グループです。ETFを中心としたパッシブ運用に強みを持ちます。

世界シェア2位の資産運用会社は、米国のブラックロックです。買収を重ねて、頭ひとつ抜きん出た形となっています。運用資産の総計は、東証1部の時価総額に匹敵する規模です。

3位は、米国のフィデリティ・インベストメンツです。ジョンソン一族による同族経営の資産運用会社です。

4位は、非公開かつ独立系の運用会社であるキャピタルグループです。

金融会社系の運用会社も含めると、カストディなどの資産管理業務に強みを持つ米国のステート・ストリート・グローバルが、インベスターズ・バンク・アンド・トラストを買収して、更なる業容の拡大を目指します。

米国の大手銀行のJPモルガン・チェースも、ヘッジファンドの資産管理等に強みを持ちます。欧州最大の保険会社であるドイツのアリアンツ・グループは、ピムコを買収し、資産運用の分野も強化しています。

日本勢では、資産管理業務に強い三井住友信託や三菱UFJグループ、保険会社の日本生命が上位入りを狙っていますが、規模では大きく引き離されています。

トップ5の上位は、運用資産残高が2兆ドルを超えていることから、「2兆ドルクラブ」と言われています。

【市場規模】

当データベースでは、資産運用業界の2021年の市場規模を112兆ドルとしております。参照した各種統計データは次の通りです。

調査会社のスタティスタによると、2021年の同業界の市場規模は112.3兆ドルです。前年比約12%の成長です。

コンサルティング会社のBCGによると、2020年の同業界の市場規模は103兆ドルとなりました。2019年の同市場規模は約93兆ドルから約11%増加しました。コンサルティング会社のPWCによれば、2020年の残高は110兆ドルです。⇒参照したデータの詳細情報

推計市場規模 前年成長率
2021年 112兆ドル 12%
2020年 103~110兆ドル 11%
資産運用業界の推計市場規模の推移 ©ディールラボ

さらに詳しく業界を理解するためのお薦め書籍と関連サイト

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ヘッジファンド業界の世界市場シェアの分析

【会社の概要】

BlackRock(ブラックロック)

米国に本拠を置く世界最大級の資産運用会社です。もともとはブラックストーンの債券運用部門として1995年に誕生しました。
2005年にメットライフからステートストリート・リサーチ・マネジメント、米大手銀行のPNCの資産運用部門、2006年にメリルリンチ・インベスト・マネジャーズ、2009年にバークレイズより株価指数連動型上場投資信託(ETF)につよいバークレイズ・グローバル・インベスターズを買収し事業を拡大しています。
リスク管理等の情報システムであるアラディンを、他の資産運用会社に開放するプラットファーマー型の戦略でさらなる成長を模索しています。

Vanguard(バンガード)

米国に本拠を置く資産運用会社です。ETF商品の運用残高で世界有数の規模です。

Allianz(アリアンツ)

ドイツに本拠を置く世界最大級の保険会社です。債券投資商品に強いピムコを傘下に保有しています。

State Street(ステート・ストリート)

米国に本拠を置くファンドの資産管理業務大手です。インベスターズ・バンク・アンド・トラストを買収し資産運用業務を強化しています。

フィデリティ

米国に本拠を置く独立系の資産運用会社大手です。非公開企業です。

Capital Group(キャピタル・グループ)

米国に本拠を置く独立系の資産運用会社大手です。1931年に設立され、非公開企業です。

Amundi(アムンディ)

2010年にフランスのクレディアグリゴールとソシエテジェネラルの資産運用会社が経営統合して誕生しました。

T.Rowe Price(ティー・ロウ・プライス)

1937年にトーマス・ロウ・プライス・ジュニア氏によって設立された米国に本拠を置く資産運用会社です。株式、債券、マルチアセットなどの運用を得意とします。

Wellington Management(ウェリントンマネジメント)

1928年にウォルター・モーガン氏によって設立された米国に本拠を置く資産運用会社です。株式、債券、商品など幅広い分野に投資を行っています。

Invesco(インベスコ)

1935年に設立された米国に本拠を置く資産運用会社です。

Capital Group(キャピタルグループ)

1931年にジョナサン・ベル・ラブレス氏によって米国で設立された資産運用会社です。

DWS

ドイツ銀行系の資産運用会社で、2018年に分社化して上場をしています。

銀行系の運用会社

J.P. Morgan Chase(JPモルガン・チェース)、Bank of New York Mellon(バンク・オブ・ニューヨーク・メロン)、BNP Paribas(BNPパリバ)、Deutsche Bank(ドイツ銀行)が資産運用の分野では大手です。

保険会社系の運用会社

AXA(アクサ)、Prudential Financial(プルデンシャル・フィナンシャル)が資産運用の分野では大手です。

参照したデータの詳細情報について


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