おむつ・衛生用品業界の世界市場シェアの分析
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おむつ・衛生用品業界の世界市場シェアの分析

おむつ・衛生用品メーカーの世界市場シェアと市場規模についての情報を分析しています。キンバリー・クラーク、ユニチャーム、P&G、エシティ、花王といった紙おむつの世界大手メーカーの動向も掲載しています。

【おむつ・衛生用品とは】

紙おむつは、膀胱や排便のコントロールが難しい人や、運動能力に問題のある人が着用するように設計された吸収性の衣服の一種です。

布、発泡スチロール、紙などの層でできており、排泄物を吸収して閉じ込め、漏れや外衣の汚れを防ぐことができます。

衛生を保つために不可欠で、様々な場面で広く使用されている。幼児用、乳児用、子供用、大人用など、さまざまなサイズがあります。

アウターとインナーとがあり、症状や必要に応じて、また使用する本人の希望を配慮して、組み合わせて使い分けることが原則です。

出所:排泄ケナビ

https://www.carenavi.jp/ja/basic/omutsu/knowledge/type.html

【おむつ・衛生用品業界の世界市場シェア+ランキング】

おむつ・衛生用品各社の2022年度の売上高を分子に、市場規模を分母にして、2022年のおむつ業界の世界市場シェアを簡易に算出すると、2021年とランキングは変わらず1位はP&G、2位はキンバリー・クラーク、3位はエシティとなります。

参照したデータの詳細情報

おむつ業界の世界市場シェア(2022年)

順位 会社名 市場シェア
1位 P&G(プロクター&ギャンブル) 25.01%
2位 Kimberly Clark(キンバリー・クラーク) 13.46%
3位 Essity(エシティ) 11.30%
4位 Unicharm Corporation(ユニ・チャーム株式会社) 7.37%
5位 Ontex(オンテックス) 3.31%
6位 Daio Paper Corporation(大王製紙株式会社) 2.60%
7位 Kao Corporation(花王株式会社) 1.68%
8位 Drylock Technologies NV(ドライロック・テクノロジーズ) 1.34%
9位 Hengan International(恒安国際、 ハンアン・インターナショナル) 1.30%
10位 The Honest Company, Inc(オネスト・カンパニー) 0.25%
おむつ業界の世界シェア(2022年) ©2024 Deallab

おむつ業界の世界シェア(売上高ベース、2022年)©2024 Deallab

上位5位までは2021年とランキングは変わらず、1位はP&G、2位はキンバリー・クラーク、3位はエシティ、4位はユニチャーム、5位はオンテックスとなっています。

今回新たに6位に日本の大王製紙株式会社、8位にベルギーのドライロック・テクノロジーズ、10位にアメリカのオネスト・カンパニーの3社がランクインとなりました。

【おむつ・衛生用品業界の世界市場規模】

当サイトでは、各種統計データを参照にして、2022年のおむつ業界の世界市場規模を789億ドルとしております。参照にしたデータは以下の通りとなります。

調査会社のアイマークによれば、2022年の同市場の規模は789億ドルとなります。2028年にかけて1,245億ドルに達し、2023年〜2028年の間で年平均8%の成長を見込んでいます。

参照したデータの詳細情報

      年     市場規模     成長率見込み
      2022     789億ドル        -
      2028     1245億ドル        8%
おむつ・衛生用品業界の成長率見込み(2022年)    ©2024 Deallab

【M&Aの動向】

2015年 オンテックスはメキシコの大手衛生消耗品メーカーであるグルーポ・マベの買収に合意

2017年 大王製紙株式会社が日清紡HDの紙製品部門を正式に買収

2017年 恒安国際は、マレーシアで衛生用品を製造販売しているWang-Zhengの半数の株式を買収。残りの買収は失敗に終わった。

2017年 ナショナル・プレスト・インダストリーズ社は、吸収体製品部門をドライロック・テクノロジーズ社に売却

2018年 ユニ・チャームタイの紙おむつメーカー、DSGTを買収

2019年 P&Gがオーガニック生理用品ブランドのThis is L.を買収

2020年 大王製紙、丸紅と共同でブラジルの衛生用品会社サンテルを買収

2020年 P&Gが布おむつブランドのCharlie Bananaを買収

2020年 キンバリークラークがSoftex Indonesiaを買収 

2022年 キンバリークラークThinx, Inc.の株式の過半数を取得

2023年 オンテックスは、メキシコ事業をSoftys S.A.への売却を完了

【会社の概要】

P&G(プロクター&ギャンブル)

P&G(プロクター&ギャンブル)は、米国に本拠を置く世界最大級の日用品メーカーで、1837年にウィリアム・プロクター氏とジェームズ・ギャンブル氏によって設立されました。日用品業界屈指の商品開発力・マーケティング力を誇っています。取り扱っている分野は、トイレタリー、ファミリーケア、ファブリックケア、ホームケア、ヘアケア、スキンケア、オーラルケアといった広範囲の消費財で、いずれもブランド力のある商品を展開しているのが特徴です。

Kimberly Clark(キンバリー・クラーク)

Kimberly Clark(キンバリー・クラーク)は、1872年に設立された米国のテキサス州に本拠を置くおむつ等の衛生用品及びティッシュメーカーです。おむつは、Huggies(ハギーズ)、Pull-Ups、Little Swimmers、GoodNites、DryNites、Kotexなどのブランドで展開し、不織布も内製しています。Kleenex(クリネックス)やScottブランド等のブランドでティッシュにも強みを持ちます。消費者向けだけでなく業務用でも展開しています。2014年にヘルスケア部門をスピンオフ(現Avanos Medical、アバノスメディカル)しました。

Essity(エシティ)

スウェーデンに本拠を置く製紙大手であるSCA(スヴェンスカ・セルローサ)から分社化した衛生用品会社です。2017年にパーソナルケア用品部門がエシティ(Essity)として分社化上場しています。同部門は、スヴェンスカ・セルローサが、1975年に買収をしたパーソナルケア大手のメンリッケ(Mölnlycke)を源流としています。個人向けの衛生用品、ティッシュ、医療機関向け衛生用品が事業の柱となっています。

「エシティのブランド一覧」

エシティのブランド一一覧
(出所:エシティ(Essity))

Drypers、Pequeñin、lotus、Liberoブランドの幼児向け紙おむつ等を世界展開しています。同社によると、日本でも展開する「TENA(テーナ)」は排泄ケア用品では世界1位です。

エシティ(Essity)のブランド
出所:エシティ(Essity)

Unicharm Corporation(ユニ・チャーム株式会社)

日本を代表する生理用品・おむつメーカーです。おむつとペットケアが事業の日本柱です。おむつでは、『ムーニー』や『マミーポコ』ブランドで日本では圧倒的な存在感を示します。2018年にタイの紙おむつメーカーで、子供向けではBabyLove、PetPeやFitti、大人用ではCertainty等のブランドを手掛けるDSGTを買収しています。

Ontex(オンテックス)

ベルギーに本拠を置くパーソナル衛生用品メーカーです。幼児、女性および高齢者向けの製品を提供しています。元々は病院向け衛星用品メーカーとして自社ブランドを保有していなかったのですが、2011年にLille Healthcare 、2013年にイタリアのSerenity brands、2016年にメキシコのGrupo P.I Mabe、2017年にブラジルのHypermarcasの個人向け衛生用品事業を買収して、自社ブランドを保有しております。欧州以外でも、ロシア、中東、アフリカ、ブラジル、メキシコ等の新興国で展開しております。

オンテックスの地域別事業展開の概要

出所:Ontexホームページ

Daio Paper Corporation(大王製紙株式会社)

大王製紙は、三和グループに属する日本の大手製紙メーカーです。

製紙業界の家庭紙(ティッシュやトイレットペーパー、おむつなどのこと)シェアでは国内1位の会社です。エリエールのブランドを掲げています。紙おむつでは「GOO.Nグーン」や「アテント」等のブランドを展開しています。

Kao Corporation(花王株式会社)

花王は、1940年に日本有機として設立された日本を代表する化粧品・日用品メーカーです。ビューティケア、ファブリック&ホームケア、ケミカルとヒューマンヘルスケアの4事業を柱に展開しています。アタック、ハイター、ビオレ、メリーズブランドなどのブランドを有しています。2005年にカネボウから化粧品事業を買収しています。

Drylock Technologies NV(ドライロック・テクノロジーズ)

ベルギーを拠点とするドライロック・テクノロジーズ社は、主に小売業者向けに赤ちゃん用おむつ、大人用・女性用ケア製品などの衛生製品を製造、販売している会社です

プライベートブランドを展開しています。ヨーロッパ、中南米、米国、ロシアなど海外展開もしています。

Hengan International(恒安国際、 ハンアン・インターナショナル)

中国の衛生用品大手です。紙おむつでは「安児楽」や「安而康」等のブランドを展開しています。「テーナ」ブランドで紙おむつを展開する維達国際控股(ビンダ・インターナショナル)が競合大手です。

The Honest Company, Inc(オネスト・カンパニー)

ロサンゼルスに本社を置き、女優のジェシカ・アルバによって設立されたウェルネス・ブランドの会社です。子供用のおむつ・ケア用品・洋服から大人用のスキンケア・メイク用品まで展開しており、安全で環境に優しい製品として販売しています。サブスクリプションサービスも行っています。

Hayat Holdings(ハヤト ホールディング)

1937年に設立されたトルコのコングロマリットのKigili Group(キギリ・グループ)傘下の紙おむつメーカーです。Molfixブランドの紙おむつを新興国を中心に展開しています。

その他の業界大手企業

・Domtar Corporation(ドムター・コーポレーション)

 サウスカロライナ州フォートミルに本社を置く紙・パルプ製品の製造・販売を行う会社です。2011年に大人用おむつを製造販売しているAttends Healthcare, Inc.を買収し、商品を展開しております。2021年12月にPaper Excellence社によって買収されております。

・First Quality Enterprises, Inc(ファースト・クオリティ・エンタープライズ)

 ニューヨーク州グレートネックに本社を置くアメリカの消費者向け製品を製造・販売している会社です。尿漏れパッドやベビーケア用品、家庭紙などを幅広く展開しています。

・王子ホールディングス

  nepiaブランドのティッシュ、トイレットペーパーや「ネピア 鼻セレブ ティシュ」で有名な会社です。おむつも製造販売しています。

・Seventh Generation Inc.(セブンス・ジェネレーション)

 サステイナブルで地球環境保護に重点を置いたマーケティングと製品開発、販売を行っている会社です。世界を地球にも家族にも優しい安全な製品を提供しています。家庭用洗剤やベビーケア用品、おむつなどを販売しています。2016年 、Unileverの傘下となりました。

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