日本郵船の市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

日本郵船は、1885年に岩崎弥太郎氏が設立した郵便汽船三菱会社と渋沢栄一が設立した共同運輸会社の合併により誕生した海運会社です。コンテナ船、LNG船、ドライバルク輸送、自動車輸送、フォワーディング、港湾運営や物流事業まで手がけています。日本の海運大手の一角で、グローバルではザ・アライアンスの一員です。

業績推移(年次)

2018年度
売上高は1,829,300百万円で、前年度比16%減となりました。営業利益は11,085百万円になりました。営業利益率は1%になりました。

2019年度
売上高は1,668,355百万円で、前年度比9%減となりました。営業利益は38,696百万円になりました。営業利益率は2%になりました。

2020年度
売上高は1,608,414百万円で、前年度比4%減となりました。営業利益は71,537百万円になりました。営業利益率は4%になりました。

2021年度
売上高は2,280,775百万円で、前年度比42%増となりました。これは、物流事業で前年度比約286,200百万円、不定期専用船事業で前年度比292,900百万円の増収となったことが要因です。物流事業における航空貨物取引部門は、新型コロナウイルス感染症の影響により国際便の減便・運休が継続し、供給スペースが減少している中、旺盛な需要を受けました。営業利益は268,939百万円になりました。営業利益率は12%になりました。

2022年度
売上高は2,616,066百万円で、前年度比15%増となりました。これは、不定期専用船事業で前年度比約266,200百万円の増収となったことが要因です。自動車輸送では、新型コロナウイルス感染症による完成車生産への影響が徐々に緩和され、輸送台数が増加しました。エネルギー輸送では、長らく低迷していた大型石油タンカー市場が07月頃から急回復したことに加え、ロシア・ウクライナ情勢の影響によりトレードパターンが変化し、輸送距離が伸びたことで売上の増加につながりました。営業利益は296,350百万円になりました。営業利益率は11%になりました。

日本郵船の業績推移

日本郵船の業績推移

業績推移(四半期)

2022年第2四半期(04ー06月)
売上高は692,828百万円になりました。営業利益は74,162百万円、営業利益率は11%になりました。

2022年第3四半期(07ー09月)
売上高は684,320百万円になりました。営業利益は86,068百万円、営業利益率は13%になりました。

2022年第4四半期(10ー12月)
売上高は565,868百万円になりました。営業利益は46,946百万円、営業利益率は8%になりました。

2023年第1四半期(01ー03月)
売上高は567,515百万円になりました。営業利益は47,103百万円、営業利益率は8%になりました。

2023年第2四半期(04ー06月)
売上高は600,820百万円になりました。営業利益は51,683百万円、営業利益率は9%になりました。

日本郵船の四半期業績推移

日本郵船の四半期業績推移

EPS・1株配当・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比0%増の1993.71円になりました。1株当たりの配当は前年度比64%減の520円になりました。配当性向は26%になりました。

日本郵船のEPS・1株配当・配当性向の推移

日本郵船のEPS・1株配当・配当性向の推移

業績予想


2023年06月
2023年度第二四半期の決算短信にて、2023年通期の売上は2,280,000百万円、営業利益は165,000百万円、経常利益は235,000百万円という予想が掲載されています。

売上構成

セグメントは、定期船事業、航空運送事業、物流事業、不定期専用船事業、不動産業、その他の事業に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

日本郵船の売上構成(2022年度)

日本郵船の売上構成(2022年度)

定期船事業
日本郵船及び日本郵船の関係会社が運賃、貸船料、コンテナ関連収益等の収受を目的として、定期船による国際的な海上貨物輸送、コンテナターミナル業、港湾運送業、曳船業を行っています。主な関係会社は以下です。(株)ユニエツクスNCT、(株)新日本海洋社、旭運輸(株)、郵船港運(株)、日本コンテナ輸送(株)、内海曳船(株)、(株)ホンマ、YUSEN TERMINALS LLC、OCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.

航空運送事業
日本郵船の関係会社が航空運送業を行っています。主な関係会社は日本貨物航空(株)です。

物流事業
日本郵船及び日本郵船の関係会社が倉庫業、貨物運送取扱業、沿海貨物海運業をグローバルに展開し、海・陸・空の総合物流ネットワークを提供しています。主な関係会社は以下です。郵船ロジスティクス(株)、近海郵船(株)、カメリアライン(株)、YUSEN LOGISTICS (AMERICAS) INC.、YUSEN LOGISTICS (CHINA) CO., LTD.、YUSEN LOGISTICS (UK) LTD.、TASCO BHD.、YUSEN LOGISTICS (THAILAND) CO., LTD.

不定期専用船事業
日本郵船及び日本郵船の関係会社が運賃、貸船料、運航受託手数料等の収受を目的として、不定期船、タンカー等による国際的な海上貨物輸送、船舶貸渡業、その他海運事業を行っています。主な関係会社は以下です。NYKバルク・プロジェクト(株)、旭海運(株)、八馬汽船(株)、SAGA SHIPHOLDING (NORWAY) AS、INTERNATIONAL CAR OPERATORS N.V.、NYK BULKSHIP (ASIA) PTE. LTD.、NYK BULKSHIP (ATLANTIC) N.V.、NYK BULKSHIP (KOREA) CO., LTD.、NYK SHIPMANAGEMENT PTE LTD、NSユナイテッド海運(株)、共栄タンカー(株)

不動産業
日本郵船及び日本郵船の関係会社が不動産の賃貸・管理・販売業を行っています。主な関係会社は共立エステート(株)です。

その他
日本郵船の関係会社は客船事業、機械器具卸売業(船舶用)、その他運輸付帯サービス業、情報処理サービス業、石油製品の卸売業、その他各種事業を行っています。主な関係会社は以下です。郵船商事(株)、(株)郵船商事マリン、(株)NYK BUSINESS SYSTEMS、郵船クルーズ(株)

M&A情報

コンテナ船やロジスティクス分野の強化を目指したM&Aを行っています。

2014年 デンマークの海運大手ジェイ・ローリッツェンから深海原油輸送事業を買収
2017年 川崎汽船、商船三井とコンテナ船事業を統合し、Ocean Network Expressを設立
2018年 郵船ロジスティクスを子会社化
2019年 三菱倉庫と共同持株会社設立
2023年 ループ会社である郵船ロジスティクス株式会社の米国法人Yusen Logistics (Americas) Inc.は、米国西岸を中心にフルフィルメントやトランスロードサービスを提供するTaylored Services Parent Co., Inc.と、その傘下子会社を買収
2023年 三菱鉱石輸送株式会社の全株式を三菱商事、東京海上日動、三菱重工業から取得し、完全子会社化することについて合意

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