マルハニチロの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

マルハニチロは、1880年に遠洋漁業や捕鯨を目的に設立された旧大洋漁業のマルハと1906年に北洋漁業を目的に設立された旧日魯漁業のニチロが合併して誕生した水産会社です。国内外に漁業拠点を擁して、マグロやカンパチの養殖、スケトウダラやカニの漁獲などに強みを持ちます。水産加工品は冷凍食品、缶詰などをマルハ、あけぼのブランドで世界展開しています。クロマグロの完全養殖に日本で初めて成功しております。現在では漁業や養殖事業の売上に占める割合は小さくなり、魚の買付けや水産加工の比重が大きくなっています。海外ではTransocean、Premier Pacific Seafoodsといったブランドで展開しております。

業績推移(年次)

2018年度
売上高は922,468百万円で、前年度とほぼ同額となりました。営業利益は21,758百万円になりました。営業利益率は2.4%になりました。

2019年度
売上高は905,204百万円で、前年度比2%減となりました。営業利益は17,079百万円になりました。営業利益率は1.9%になりました。

2020年度
売上高は862,585百万円で、前年度比5%減となりました。主な増減の内訳は、荷受ユニットにおける新型コロナウイルスの影響に伴う活魚や近海鮮魚などの外食・業務筋向けの高級商材の販売不振等による商事事業の減収16,678百万円、北米・欧州ユニットにおける国内でのすりみの取扱い減、助子の単価下落及びコロナ禍による欧米での販売減速等による海外事業の減収10,371百万円、業務用食品ユニットにおける新型コロナウイルスの影響に伴う外食向け販売の苦戦等による加工事業の減収7,669百万円及びまき網事業におけるカツオの漁獲減、新型コロナウイルスの影響による養殖魚の相場下落等による漁業・養殖事業の減収6,542百万円となります。 営業利益は16,208百万円になりました。営業利益率は1.9%になりました。

2021年度
売上高は866,702百万円で、前年度とほぼ同額となりました。営業利益は23,819百万円になりました。主な内訳は、海外ユニットにおける北米の不採算であった鮭鱒事業の撤退、スケソウダラ商材の販売価格上昇、欧州の販売会社への追加出資による子会社化や販売増、タイのペットフードの原料安や販売増等、養殖ユニットにおけるマグロ販売数量増加と売価改善、ブリ相場の上昇等による水産資源事業の増益9,147百万円、業務用食品ユニットの量販店惣菜、コンビニエンスストア、介護食向けの堅調な推移等による加工事業の増益280百万円、及び保管在庫数量が低調に推移し、また、2021年4月の名古屋物流センター開業に伴う減価償却費等の増加等による物流事業の減益978百万円となります。営業利益率は2.7%になりました。

2022年度
売上高は1,020,456百万円で、前年度比18%増となりました。主な増減の内訳は、海外ユニットにおけるタイでの北米向けペットフードの販売好調に加え、欧州でのイギリス水産加工販売会社の買収及びオランダでの食品卸会社への追加出資による子会社化に伴う販売増加、水産商事ユニットにおける外食・業務用向け販売回復及び水産物全般の堅調な魚価に支えられたことによる水産資源事業の増収114,879百万円、食材流通ユニットにおける外食向けを中心とした販売回復及び介護食・給食向けも堅調に推移したことに加え、畜産ユニットにおける全般的な輸入畜肉相場の上昇及び欧州産豚肉の取り扱い増加等による食材流通事業の増収35,417百万円となります。営業利益は29,575百万円で、営業利益率は2.9%になりました。

マルハニチロの業績推移

マルハニチロの業績推移

業績推移(四半期)

2022年度第2四半期(07ー09月)
売上高は252,623百万円になりました。営業利益は8,064百万円、営業利益率は3.2%になりました。

2022年度第3四半期(10ー12月)
売上高は295,779百万円になりました。営業利益は11,014百万円、営業利益率は3.7%になりました。

2022年度第4四半期(01ー03月)
売上高は239,436百万円になりました。営業利益は2,628百万円、営業利益率は1.1%になりました。

2023年度第1四半期(04ー06月)
売上高は250,922百万円になりました。営業利益は7,685百万円、営業利益率は3.1%になりました。

2023年度第2四半期(07ー09月)
売上高は256,434百万円になりました。営業利益は9,072百万円、営業利益率は3.5%になりました。

マルハニチロの四半期業績推移

マルハニチロの四半期業績推移

EPS・1株配当・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比13%増の363.68円になりました。1株当たりの配当は前年度比18%増の65円になりました。配当性向は18%になりました。

マルハニチロのEPS・1株配当・配当性向の推移

マルハニチロのEPS・1株配当・配当性向の推移

業績予想

2023年11月
2023年度第二四半期の決算短信にて、2023年度通期の売上高は980,000百万円、営業利益は27,000百万円、経常利益は27,000百万円と掲載されています。

売上構成

セグメントは、水産資源事業、加工食品事業、食材流通事業、物流事業、その他に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

マルハニチロの売上構成(2022年度)

マルハニチロの売上構成(2022年度)

水産資源事業
マルハニチロ及び連結子会社[大洋エーアンドエフ㈱、Austral Fisheries Pty Ltd.、大都魚類㈱、神港魚類㈱、大東魚類㈱、㈱マルハ九州魚市ホールディングス、九州中央魚市㈱、Kingfisher Holdings Limited、Southeast Asian Packaging and Canning Limited、KF Foods Limited 、Premier Pacific Seafoods, Inc. 、Westward Seafoods, Inc. 、Alyeska Seafoods, Inc.、Maruha Capital Investment, Inc.、Seafood Connection Holding B.V.、Maruha Nichiro Europe Holding B.V.、アイシア㈱他39社]、非連結子会社17社[うち、持分法適用会社2社]、並びに関連会社47社[うち、持分法適用会社19社]により、国内外で漁業を行う漁業ユニット、国内において主にブリ、カンパチ、マグロの養殖を行う養殖ユニット、国内外にわたり水産物の調達・市場流通も含む販売ネットワークを持つ水産商事ユニット、中国・東南アジア・北米・欧州において水産物・加工食品の生産・販売を行う海外ユニットから構成されております。

加工食品事業
マルハニチロ及び連結子会社[㈱マルハニチロ北日本他4社]により、家庭用冷凍食品・缶詰・フィッシュソーセージ・ちくわ・ デザート・調味料・フリーズドライ製品等の製造・販売を行う加工食品ユニット、化成品の製造・販売を行うファインケミカルユニットから構成されております。

食材流通事業
マルハニチロ及び連結子会社[㈱ヤヨイサンフーズ、マルハニチロ畜産㈱他6社]、並びに関連会社2社[持分法適用会社]により、多様な業態に対して水産商材や業務用商材の製造・販売を行う食材流通ユニット、国内外の畜産物を取り扱う畜産ユニットから構成されております。

物流事業
連結子会社[㈱マルハニチロ物流他7社]、並びに関連会社1社[持分法適用会社]において冷凍品・飼料等の保管及び輸配送等を行っております。

その他
マルハニチロ及び連結子会社[㈱マルハニチロアセット他3社]、非連結子会社1社、並びに関連会社4社[うち、持分法適用会社2社]において、不動産業等を行っております。

M&A情報

2021年 ベトナムのサイゴンフードを買収
2021年 マグロの調達や加工、販売に強みを持つマリンアクセスを買収
2022年 エビ・バサ・タラ・サーモンなどの水産加工品を販売するイギリスのNorthcoast Seafoodsを買収
2022年 米国の家庭用冷凍食品会社であるHappi Foodiを買収

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